更迭の経産省3幹部、退職金1000万上積み

更迭の経産省3幹部、退職金1000万上積み
(テレ朝ニュース 08/11 11:49)

あの強気の記者会見は何だったのでしょうか。まず、4日の海江田経済産業大臣の発言です。

 海江田経産大臣:「(経済産業省の)人事を刷新しなければいけないということは、およそ1カ月前から考えていた。私がこの時期に判断した。人事権者は私です」
 先週の会見で、海江田大臣が更迭を発表した経済産業省の松永和夫事務次官ら幹部3人。いずれも早期退職扱いで、退職金が1000万円以上、上積みされることがANNの取材で明らかになりました。

 経済産業省・松永和夫事務次官:「(Q.勧奨退職は間違いないですよね)それは、申し上げられません」「(Q.それも秘密ですか)人事上の話でございますので」
 松永事務次官と細野哲弘資源エネルギー庁長官、寺坂信昭原子力安全・保安院長の3人の退任は、5日の閣議で了承されました。経産省によりますと、3人は国家公務員が早期に退職するいわゆる「勧奨退職」扱いで、自らの都合で退職するよりも高い退職金が支払われます。ANNの試算では、松永事務次官が約18%、細野長官と寺坂院長は約23%、金額にしてそれぞれ1000万円以上が上積みされます。省内では「本人の自覚の問題」という意見も出ています。退任の発令は、松永事務次官と寺坂院長が12日、細野長官は来月1日です。


ダイヤモンド・オンラインから抜粋
2011年8月12日
岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

局長級で6千万円?更迭でも退職金は2割増しか
経産省幹部人事の不可解と海江田大臣の責任

 経産省の3人の幹部(事務次官、資源エネルギー庁長官、原子力安全保安院長)が先週“更迭”されましたが、それでも退職金は割り増し分も含めて受け取ることが明らかになりました。この問題には様々な論点が存在するので、今週はそれについて考えてみたいと思います。

海江田大臣の説明責任

 最初に事実関係を整理しておくと、“更迭”された3人の幹部は、国家公務員が定年前の早期に退職する“勧奨退職”扱いになるので、自己都合で退職する場合と異なり、退職金に20%程度の割り増し分が加算されます。もちろん正確な金額は分かりませんが、過去の事例からすれば事務次官で8000万円くらい、局長クラスで6000万円くらいはもらうことになるのではないでしょうか。

 そこで最初に問題となるのは、海江田大臣の責任です。自ら“更迭”とは言っていませんが、メディアがそのように書くのを放置・容認した面はありますので、多くの国民が「原発事故や“やらせ”質問などの責任で更迭されたのに退職金を満額受け取り、割り増し分ももらえるのか」と思っているはずです。

 しかし、3人の幹部の人事は実際には更迭でも何でもなく、単なる定期異動に過ぎないので、ある意味で海江田大臣は国民を騙していたことになります。従って、海江田大臣は、以下の疑問について説明する責任があるはずです。

 第一に、退職金が満額支払われ、かつ割り増し分までちゃんと加えられるということは、原発事故への対応や“やらせ”質問などの問題についてこの3人の幹部は何の責任もないと、海江田大臣が自ら判断したと考えざるを得ません

 しかし、原発事故については検証委員会が検証を行っている最中であり、また“やらせ”質問についても十分な調査が行われたとは思えません。そのようなすべてが途中の段階でなぜ“責任なし”という判断に行き着くことができたのでしょうか

 第二に、実際に3人の幹部に海江田大臣が退職を勧奨したのかどうかです。割り増し分で退職金が20%増え、しかもそれは税金から捻出されるのですから、本当に勧奨したのかどうか、勧奨していたとしたらその理由は何かを明らかにする義務があるのではないでしょうか。それなしには、官僚がお手盛りで退職金を増やしていると批判されてもやむを得ないと思います。

 第三に、原発事故への対応については検証委員会が行っている最中です。その検証結果によっては、経産省の責任が明確になるかもしれません。もしかしたら、“やらせ”質問についても経産省の更なる関与といった事実が出てくるかもしれません。そのときには、これら3人の幹部に退職金を返納させるといった対応を取る気があるのでしょうか。

公務員制度を改革する必要

 そして、今回の問題で改めて明確になるのは、公務員制度を改革する必要性です。

 公務員は身分保障が制度上担保されており、幹部も含めて定年まで辞める必要はありません。だからこそ、事務次官という官僚のトップにまで登り詰めても、辞める段階では定年前なのでクビにできないから、退職金が割り増しになってしまうのです。

以下、省略

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