泊原発:営業運転へ北電検査申請 政府「再稼働あたらぬ」

泊原発:営業運転へ北電検査申請 政府「再稼働あたらぬ」

 海江田万里経済産業相は9日、定期検査の最終段階にあたる調整運転中の北海道電力泊原発3号機の営業運転再開について高橋はるみ知事に文書で回答し、「すでに原子炉が起動し運転中の状態にあり、(安全評価を1次評価から受ける必要のある)再稼働にはあたらない」とする政府見解を明らかにした。経産省原子力安全・保安院の最終検査に、内閣府原子力安全委員会の審査を加え、運転再開を判断する。北電は同日、保安院の指示を受け、泊原発3号機の最終検査を申請した。

 保安院の最終検査は9、10日に実施され、結果は11日に安全委に報告される見込み。早ければ11日中に経産相の検査終了証が交付され、営業運転が可能になる。再開されれば、東日本大震災以後、定期検査中の原発としては初めてとなる。

 枝野幸男官房長官は記者会見で、3号機の最終検査について「保安院のチェックにとどまらず、安全委にもしっかり関与してもらうことが重要だという基本的考え方に基づき、安全委に意見を求める」と述べた。

 高橋知事は、国の回答とともに北電が最終検査を申請したことについて「(地元自治体が)回答を検討する(時期と)と同時に、事業者へ検査の指示を出すことは地元軽視であり、甚だ遺憾だ」と政府の対応を批判。回答内容への評価を避けた。【高山純二、大場あい、影山哲也】

毎日新聞 2011年8月9日 22時04分(最終更新 8月9日 23時40分)


「地元軽視」と高橋知事…泊原発の営業運転

 定期検査中で調整運転している北海道電力の泊原子力発電所3号機(北海道泊村、91・2万キロ・ワット)について、最速で11日中にも営業運転に移行する見通しとなった。

 北電は営業運転に移行するための最終検査(総合負荷性能検査)の受検申請を9日、海江田経済産業相に行ったが、最終検査は9、10の両日に行われ、結果は11日に予定されている原子力安全委員会で報告される見通しとなったためだ。問題がなければ北電は定期検査の終了証の交付を受け、営業運転に移行する。

 泊3号機の営業運転移行に向けては、北海道の高橋はるみ知事が国に対して質問書を提出していた。国は9日に「泊3号機は再稼働でなく運転の継続として扱う」などと回答、北電には改めて最終検査を受けるよう求め、北電がすぐに申請に踏み切った。高橋知事は申請について、「地元軽視で、甚だ遺憾だ」と、不信感を表した。
(2011年8月10日00時20分 読売新聞)

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