2004/02/23

ゴミ問題と資源循環型社会を考えるシンポジューム(2月29日)資料

2004年2月29日に行われる、「ゴミ問題と資源循環型社会を考えるシンポジューム」の資料です。


ゴミ問題と資源循環型社会を考えるシンポジューム(2月29日)資料
ウインドファームという会社は、中南米の有機コーヒーやアジアの有機紅茶などをフェアトレードで輸入して日本全国に販売する仕事をしています。フェアトレードというのは「公正貿易」とか「公平な取引」などと訳されていますが、私はフェアトレードを「人と人、人と自然、現代人と未来世代とのフェアな関係をつくる交易」だと考えています。そのフェアトレードのために「発展途上国」といわれている国々をよく訪問します。そこで、「開発」という名の森林伐採や地下資源を掘り出すための自然破壊を目にします。多くの途上国は、様々な経緯(例えば、独裁政権が私腹を肥やすために有償援助を受けたり、不必要なダムを作ったり)があって、先進国から多額の借金をしていて、その返済のために自然を切り売りしている場合が多いのです。「援助」と言っていますが、日本は世界一の金貸し国家(援助のうち50%は有償)であり、例えばエクアドルの場合、国家予算の50%は債務の返済に使われています。その金利は10%を超えており、いわゆるサラ金地獄に陥っている状態なのです。
例えば、私の会社で輸入しているエクアドルのインタグコーヒーというのがあります。このコーヒーを作っている有機コーヒー生産者組合が設立されたキッカケは、「鉱山開発」という名の自然破壊からインタグ地域の森を守るためでした。アグロフォレストリー(森林農法)という栽培方法によって、森の中に、コーヒーや果樹や農作物を栽培することによって、森を守っています。しかし、この森にも鉱山開発の圧力が強まっています。開発しようとしているのは、外国企業だけでなく、政府も開発を推進しようとしています。自国の原生林が90%以上も伐採され、自然破壊の惨状を知っていながら、政府は借金を返済するために自然を切り売りしているのです。
世界中で次々と森林が破壊され、地下資源が掘り尽くされようとしていますが、その原因は何でしょうか? その原因の多くは「先進国」といわれている国々、特に日本や米国などの使い捨てが激しい社会にあります。身近な暮らしの中でいえば、日本では割箸を一人当り年間に約200膳も使っています。日本全体では、年間で約250億膳使われていますが、その割箸の95%が主に白樺などを原料とした中国からの輸入品です。そのため直径25?30cmほどの白樺が伐採されています。それは、森林を減少させ、洪水多発の原因にもなっています。
もう一つ身近な使い捨ての例でいえば、飲料容器の使い捨てがあります。その多くは自動販売機で売られています。現在、国内には 555万台もの自動販売機があり、飲料水やタバコなどが販売されていて、その年間総売上額(2001年度)は7兆522億円にもなります。これはコンビニの年間総売上(6兆6,779億円)を超えています。
割箸や飲料容器は、使い捨てのほんの一例に過ぎません。私たちの暮らしには、衣食住のあらゆる分野に使い捨てが蔓延しています。かつて「もったいない」という文化を持っていた日本で、現在、1年間の残飯がコメの年間生産量と同じ1000万トン?1300万トンといわれています。
FAO(国連食糧農業機構)によれば、世界には飢餓線上にある人が8億人で、毎分28人が飢えて死に、その大半が子どもです。日本の人口は世界の約2%ですが、それが地球上の貿易用穀物の14%も輸入しておきながら、1000万トンを超える残飯を捨てています。これは、1日3食べるうちの1食分にあたります。もしも、日本で捨てられる残飯を飢えに苦しむ国に回したとすれば、世界に飢えで亡くなる人はいなくなります。
私が関わっているナマケモノ倶楽部という環境団体は、「ズーニー運動」というのをやっています。これは、○○せ「ずに」○○する。例えば、割箸を使わずにマイ箸を持ち歩く。自動販売機で飲み物を買わずに、自分の好きな飲み物を水筒で持ち歩く、というふうに「○○反対!」で終わらせずに、「否定の先を提案する」運動を展開しているわけです。しかも、この運動は10代や20代の若い世代が楽しんでやりだしました。「箸や水筒を持ち歩くのがカッコイイ」と言い出したんです。そしてついに、カッコいい箸や水筒を商品としても作り始めたんです。私がこの運動が面白いと思うのは、「割箸や缶やペットボトルを捨てるべきではない」という義務感からのアプローチではなく、自分たちの新しいライフスタイルを創りつつあることです。
自然を大事にして、自然と調和しながら生きる持続可能な暮らし方や働き方を新しく創っていこうとしているナマケモノ倶楽部は、それらを「スローライフ」や「スロービジネス」と呼んでいます。
エコロジカルに生きることが、「気持ちいい」、「たのしい」、「カッコイイ」、「おもしろい」と考えています。この倶楽部は、熱心に勧誘をしていないにもかかわらず、2日に1人のペースで会員が増えています。
 
デポジット法制化運動は、日本の環境運動にとって、とても重要な運動だと思います。ひとり一人のライフスタイルや働き方を変えても変化させることが難しい部分を政策によって大きく変えることができるのです。日本人の多くは、「環境問題を解決しなければ、未来世代に希望がない」ということを理解してきています。持続可能な社会をつくっていくための最も重要な政策の一つがデポジット制度であることも徐々に理解されつつあると思います。次は、政策や政治を良くしていくことが「気持ちいい」「たのしい」「おもしろい」というふうになっていけばいいなと思います。
昨秋、西表島で栽培されているコーヒーを見に行っていきました。その理由は、西表島で「リゾート開発」という名の自然破壊が行われていて、その開発を行っている会社がユニマットというコーヒーも販売している企業であることを知り、「西表島で栽培されている無農薬コーヒーとエクアドルで森林を守るために作られているコーヒーとをブレンドしたら美味しいコーヒーができるから、それを販売することで西表島の自然破壊の問題を全国に伝えていこう」と考えたわけです。
現地の美しい自然とそれを破壊している「開発」を実際に見て、目先の利益だけしか考えない利己的な企業の姿勢に憤りを感じたのですが、「西表島リゾート開発差止訴訟」の原告側弁護団長が何と井口博弁護士でした。井口さんが関わっている裁判や運動ということだけで、その重要性が伝わってくるようです。
(井口さんは「デポジット制度の実現を求める全国ネット」事務局長でもある)
(株)ウインドファーム代表 中村隆市

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