2011/07/26

原子力事故の損害賠償の上限設定を許す法案に反対

国民が知らないうちに、とんでもない法案が今日の国会で決まろうとしています。
この事実をできるだけ多くの人に知ってほしいと思います。

2011年7月25日
原子力事故損害賠償の上限設定を許す付則のついた
「原子力損害賠償支援機構法案」に反対します

現在、原発事故で生じた損害に対する賠償に限度はありません。ところが、原子力損害賠償支援機構法案の附則として、賠償に上限を設ける改正の約束が、まさに国会を通過しようとしています。賠償額に上限が設けられれば、福島以降の原発事故による被害―死亡、病気、避難、放射能汚染等―に対して、賠償額がカットされてしまいます。事故が再び起きても、電力会社がそれ以上責任を取らない、ということを明確に法で定めることになります。

報道によれば、原子力損害賠償支援機構法案と野党提出の仮払法案の修正協議において、現在の原子力損害賠償法の無限責任原則を変更で与野党が合意したとされています。このような原賠法の改悪を、附則に滑り込ませ、国民が気付く前にこっそり進めることを許してはなりません。

福島事故の処理が済んだら、変わらず原子力発電を続けるための重要な布石が打たれてしまいます。報道によると、法案は26日に衆議院通過の模様です。

私たちは事故被害者の犠牲の下に原発政策を推進していくための法改正には、断じて反対します。賠償負担による財政支出の削減は、原子力発電所を運営する企業が掛けている損害賠償責任保険金額(現在1200億円)の抜本的な値上げで対処すべきです。

また、現在の原子力損害賠償支援機構法案も
(1)株主や債権者の責任は問わない。株主・債権者を免責しているにもかかわらず、税金投入と電気料金の大幅値上げが想定されており、公正な負担順序となっていない。
(2)電力市場は実質的に既存の10電力会社による地域独占体制が継続している。
法案はこの地域独占を固定化する恐れがある。その結果、電気料金は高く据え置かれ、自然エネルギーへの新規投資を停滞させる。
(3)法案では他の電力会社(原子力事業者)からも負担金を集め、「相互扶助の仕組み」を作るが、原発事故に対する相互扶助の仕組みはすでに原子力損害賠償法(原賠法)で設けられており、法案はこの制度と重複する

といった点をはじめとして、様々な問題を含んでいます。

私たちは、この法案の成立にも強い懸念を持っています。
現在の仮払い法案で早急な被害者への賠償支払いを進めるとともに、公正な賠償の在り方や東電の責任の所在を明らかにし、持続可能なエネルギー構造実現のために、じっくりとした議論が必要です。

eシフト(脱原発と新しいエネルギー政策を実現する会)、国際環境NGO FoEJapan、グリーン・アクション、福島原発事故緊急会議、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)

7月25日緊急集会参加者一同

問い合わせ先:国際環境NGO FoE Japan
Tel: 03-6907-7217  住所:東京都豊島区池袋3-30-8 みらい館大明1F

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