玄海4号機も耐震数値を「誤入力」 地元、市民「九電 管理能力ない」

7月26日西日本新聞朝刊
「九電 管理能力ない」 地元や市民 厳しく批判 から抜粋

九州電力玄海原子力発電所4号機でも発覚した耐震安全性評価のデータ誤入力。度重なるミスに、地元自治体などからは「管理能力に欠けている」などと厳しい批判の声が上がった。

佐々木有三・上席執行役員技術本部長らが記者会見。佐々木氏は冒頭、「重ねてこのような事態になり、申し訳ない」と頭を下げた。原因や再発防止策に質問が集中したが、「調査中でもう少し時間をいただきたい」と繰り返し、「運転を止めるような大きな間違いは(データ入力段階で)確認している。今回はその対象から漏れており大きな影響はないと考えている」と釈明する場面もあった。

玄海原発のある地元、佐賀県玄海町の岸本英雄町長は「あまりにもお粗末なミスで許し難い。今後もミスが続けば、信頼関係の回復など到底できない。下請けや協力会社のミスといえども、チェックが甘かった九州電力にも責任はある。管理能力が欠けているとしか言いようがない」と厳しく批判した。

脱原発を訴える佐賀市の市民団体「玄海原発プルサーマル裁判の会」の石丸初美代表(60)は「数値の誤入力が相次いで判明し、これまで市民に『原発は安全だ』とよく言えたものだ。ずさんな管理態勢で憤りを覚える」と語気を強めた。

玄海4号機も誤入力 耐震数値九電謝罪 運転は継続方針

 九州電力は25日、営業運転中の玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)4号機について、原子炉建屋内の耐震安全性を解析するデータ1カ所が誤っていたと発表した。九電は「正しいデータでも建屋の耐震性に問題はなく、運転に影響はない」として運転を継続する方針。ただ、22日に発表した玄海原発3号機に続くデータ誤入力の判明により、ずさんなチェックに批判が高まるのは確実だ。

 九電は国の指示で、玄海原発の1、2、4号機や川内原発(鹿児島県薩摩川内市)でも同様の誤りがないか確認していたところ、24日に誤入力を確認。25日、経済産業省原子力安全・保安院と佐賀県、同県玄海町に報告した。九電は「確認の結果、このほかに誤入力はなかった」としている。

 九電は誤ったデータを含む玄海4号機の耐震安全性評価を2009年3月に中間報告、昨年6月に最終報告として国に提出。正しいデータを反映させ、建屋内の2千カ所以上の機器類の耐震データも修正して再提出するが、早くても10月末までかかる見通し。

 データの計算と入力は玄海3号機と同様、九電グループの西日本技術開発(福岡市)にいったん委託し、再委託先の大手建設会社大林組が実際の作業を担当しており、九電と同保安院はミスに気付かなかった。

 誤入力が判明したのは、炉心で発生した熱をタービンを回すための蒸気に変える蒸気発生器を囲む高さ約20メートルのコンクリート壁下部の重量で、約3760トンと入力すべき箇所を約3670トンと約90トン軽く入力。誤入力による揺れの影響度の違いは1~2ガル(揺れの加速度を示す値)で、耐震性の影響はわずかという。

 緊急会見した九電の佐々木有三技術本部長は「非常に残念で申し訳ない」と陳謝。新たな安全評価への影響については、安全評価のスケジュールが定まっていないため、「分からない」としている。

=2011/07/26付 西日本新聞朝刊=

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