2011/07/24

原発労働者のガン 累積被ばく線量 5~130ミリシーベルトで労災認定


35年間で10人労災認定 原発労働者のがん
(共同通信)

 厚生労働省は27日、がんになった原子力発電所の労働者のうち、過去35年で10人が累積被ばく線量などに基づき労災認定されていたことを明らかにした。福島第1原発の事故を受け、初めて労災の認定状況を公表した。

 1976年度以降、労災認定された10人のうち白血病が6人。累積被ばく線量は129・8~5・2ミリシーベルトだった。このほか多発性骨髄腫が2人で、それぞれ70・0、65・0ミリシーベルト。悪性リンパ腫も2人で、それぞれ99・8、78・9ミリシーベルトだった。

 厚労省によると、がんに対する100ミリシーベルト以下の低線量被ばくの影響は科学的に証明されていないが、線量が増えれば比例して発がん可能性も増すとの仮説があり、同省は「100ミリシーベルト以下での労災認定もあり得る」としている。
2011/04/28 13:09 【共同通信】

政府被ばく基準増 原発作業員が拒否 (日刊スポーツ)

 高い放射線量下で電源復旧などにあたる福島第1原発の作業員が、2・5倍の被ばく線量上限アップを拒否していることが9日、明らかになった。厚生労働省が同原発の事故発生後に急きょ限度を250ミリシーベルトに引き上げたことについて、作業員を派遣する企業の多くが「現場が納得しない」などと反発。現在も従来基準の100ミリシーベルトを適用していることが、共同通信の取材で分かった。交代要員を含めて1000人を超える作業員は、大量被ばくの恐怖と闘いながら過酷な作業に従事している。

 福島第1原発の作業員には、「健康被害はない」という説明を受け入れる余裕もないのだろう。厚労省は引き上げ根拠について、緊急時の上限を500~1000ミリシーベルトとする国際放射線防護委員会(ICRP)の見解を考慮。「医学的知見から、白血球の一時的減少など健康被害が出ない上限を採用した」として、100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに変更した。しかし1000人超の作業員は、この決定を拒否していた。

 派遣元の関電工の広報担当者は「いきなり引き上げても、現場の作業員には納得してもらえない」と話した。3月24日の作業中に被ばくした同社社員3人の外部被ばく量は、173~180ミリシーベルト。これを超える250ミリシーベルトという基準に、現場が過剰に反応するのも無理はない。同広報は「うちは慎重にならざるを得ない。安全を考え、100ミリシーベルトを維持していく」と明かした。

 東電子会社の東京エネシスは「現地での管理目標値は100ミリシーベルト。実際は余裕を持って線量管理するため、さらに低く80ミリシーベルトに設定している」と説明。がれき撤去にあたるゼネコンの鹿島や大成建設も100ミリシーベルトを基準にしている。日立製作所の広報担当は「200ミリシーベルトを社内規定とした」と話した。

 名古屋大大学院マテリアル理工学専攻の榎田洋一教授は、100~250ミリシーベルトの被ばく量について「短時間で一気に肌に接触しない限り、負傷することはない。それでも、この量を少しずつ、長く浴び続ければ、がんになったり、遺伝で子孫に影響が出るかもしれない。高い放射線量下にいる作業員の精神的なストレスを考えれば、引き上げを拒否する気持ちは分かる」と理解を示した。

 今回の原発事故では、これまでの基準を変える過程があまりに急だった。現場に放射線量が相当に高い区域があり、100ミリシーベルトのままでは作業に支障が出る見通しとなったための、苦肉の策だった可能性が高い。日本の原発で作業員の平均被ばく線量は、05年までのデータで1人当たり年間1・0~1・4ミリシーベルト。一般人の年間限度をわずかに超える程度で、放射能漏れが続く福島第1原発の現場とは比較にならない。

 [2011年4月10日]

福島原発:東電に厳重注意…被ばく管理ずさん 保安院

 東京電力福島第1、第2原発の労働者の被ばく管理について複数の法令違反があったとして、経済産業省原子力安全・保安院は25日、東電に文書で厳重注意した。保安院によると、第1原発で復旧作業の拠点となる免震重要棟は、空気中の放射性物質濃度が法定の値を超えていたが、マスクなどの適切な防護をしていなかった。

 放射線量が上昇した構内で、放射線業務従事者に指定されていない女性従業員が5人働き、うち2人の被ばく量は一般人の被ばく限度(年間1ミリシーベルト)を超えた。同従事者の指定を受けている女性従業員2人も、被ばく量が限度(3カ月で5ミリシーベルト)を超えていた。第2原発では3月14日~4月21日、大気中の放射線量が国の基準値を上回ったが、作業員に線量計を携帯させるなどの適切な管理を怠った。【足立旬子、関雄輔】

毎日新聞 2011年5月26日 0時02分(最終更新 5月26日 8時26分)

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