2011/07/16

福島市の土壌から チェルノブイリの避難区域以上の放射線量を検出

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福島市の土壌から
チェルノブイリの「避難の権利区域」や「避難の義務区域」以上の放射線量を検出
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福島市における放射能汚染の実態と避難区域の設定の問題点
福島市で採取した土壌の放射汚染レベルはチェルノブイリ事故により設定された「避難の権利」区域(185キロベクレル/平方メートルから555キロベクレル/平方メートル)から「避難の義務」区域(555キロベクレル/平方メートル)に相当すると発表しました(注1)。

今回の調査は市民団体が神戸大学大学院の山内知也教授に依頼したもので、2011年6月26日に福島県福島市で行われた土壌調査(注2)では、市内4カ所から土壌サンプルを採取し、その放射能汚染レベルを、高純度ゲルマニウム半導体検出器を用いて評価しました。調査の結果、すべての試料から「放射性同位元素等による放射線障害防止法に関する法律」とその関係政令が定める放射能濃度の下限数量(10,000 ベクレル/キログラム)を超える汚染が検出されました。最高値は小倉寺稲荷山5番地福泉寺下の側溝の46,540ベクレル/キログラムで、これは上記の値の約4.6倍となります。

会見した山内教授は、「福島市で土壌汚染が広がっています。子どもたちがこの土で遊ぶということは、高いレベルの放射性物質で遊んでいるということです。早急な避難が必要です」と語りました。

また、上記6団体は同日声明を発表(注3)し、「現行の避難区域外においても線量の高い地域を避難区域に設定すること。とりわけ妊婦や子どもたちの避難が一刻も早く必要です。また、自らの判断で避難する住民に対し、補償や行政サポートを行うということを国として明言することが不可欠です」と訴えました。

注1)発表資料「福島市における放射能調査の実態」(地図)

注2)福島市における放射能汚染レベルと放射性セシウムの局所的濃縮

注3)共同声明「福島市における放射能汚染の実態および避難区域設定に関する共同声明」

参考資料:記者会見で使用したパワーポイント

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※以下、共同声明
                              2011年7月5日

福島市における放射能汚染の実態および避難区域設定に関する共同声明
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○面的に広がる福島市内の放射線量の高さと土壌汚染の深刻さ

自治体による測定や市民団体による調査により、避難区域外でも、放射能汚染が面的に拡大していることが明らかになってきています。例えば、6月の中旬に福島市が実施した測定では、同市渡利地区では、毎時3.2マイクロシーベルトを超える高い汚染地域が面的に広がっていることがわかります。これは国が避難区域の基準としている年20ミリシーベルトを上回る可能性が高い値です。しかし、国が積算線量を算出するための測定ポイントは少ないために、このような地域は国の調査対象外となっています。

また、国の避難基準「年20ミリシーベルト」は、土壌汚染の実態を無視しています。

例えば、セシウムによる土壌汚染のレベルは、国の測定ポイントである福島県庁でチェルノブイリ事故後の「移住の義務区域」(555,000ベクレル/平方メートル以上)に匹敵するほか、5月26日に実施した市民団体による市内4地点における土壌汚染調査において、各地点がチェルノブイリ事故後の「移住の義務区域」「移住の権利区域」の基準に達しています。また文科省と米国エネルギー省(DOE)の航空機モニタリング調査によれば、80km圏内にも、チェルノブイリ事故後の「移住の権利区域」に相当する地域が存在します。土壌汚染という長期的な汚染を考慮すれば、福島県内はもとより広範囲な地域が極めて深刻な状況にあります。しかし、国はこれらの地域については避難拡大の措置などを行っていません。

○これだけある「年20ミリシーベルト」の問題点

さらに、「年20ミリシーベルト」を基準とした避難区域の設定については下記の問題があります。
・内部被ばくを考慮に入れていない。
・チェルノブイリ事故においては、「移住の義務区域」は土壌汚染555,000ベクレル/平方メートル(年5ミリシーベルト)以上、フランス政府機関は日本に対し年10ミリシーベルトでの避難を勧告した。「年20ミリシーベルト」はこれらをはるかに超える高い基準である
・放射線に対する感受性が高い妊婦・乳幼児・子どもを考慮したものではない。

○「避難の権利」確立を

福島には、放射性汚染のリスクとその不確実性を目の前に、自分や家族を守るために避難したいのに避難できないでいる人たちがたくさんいます。避難できない大きな理由の一つが、国が定めた避難区域の外に住んでいることです。避難区域の外であるだけで、避難は自己責任と認識されてしまい、補償や行政的なサポートが得られる保証がなく、職場や学校の理解も得ることができません。

私たちは、すべての住民は、自らの被ばくのリスクを正しく知り、自らの判断で避難をする権利、すなわち「避難の権利」を有していると考えています。

私たちはこの考えに基づき、以下を求めます。

1.空間線量や土壌汚染の実態に鑑みて、現行の避難区域外においても線量が高い地域を避難区域に設定すること。とりわけ妊婦や子どもたちの避難を早急に実施すること。

2.「年間20ミリシーベルト」以下であっても、住民が自らの判断で避難を行うことを支援する区域を設定すること。

3.自主避難を行う住民に対して、補償に加え、行政サポートを提供することを明言すること。

以上

発出団体:
子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
国際環境NGO FoE Japan
グリーン・アクション
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン

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