2011/05/04

バズビー教授 チェルノブイリと同じくらい深刻 それ以上の人口が被爆

東京電力の原発事故が起きるまで、以下のようなことを言えば、日本人の90%以上は、その人をとても偏った人と見なしたことでしょう。今も以下の発言は信じられないという人が多いかもしれません。

バズビー教授 チェルノブイリと 同じくらい深刻 それ以上の人口が被爆 (動画)

チェルノブイリ原発災害25周年:クリス・バスビー教授インタビュー和訳

クリス・バスビー(Prof. Christopher Busby), Scientific Secretary of ECRR

司会:今世紀最悪ものとなった福島の事故について、バスビー教授、お越し頂きありがとうございます。まず、あまり広くメディアで浸透していない議論なのですが、福島で起こった爆発の一つが実は水素爆発ではなく、原子炉の一つでの核反応が原因だったというのがあります。もしもそれが真実だったとしたら、まさか東電はそんな重大な事故を隠蔽したりはしませんよね?

バスビー教授:私は東電がそれを隠蔽するということはあり得ると思っています。原子力産業が二枚舌を使うことや隠蔽をすることは歴史的に常に続いていることです。いつでも彼らは情報を自分達の都合の良いように変えてしまいます。私はおそらく核爆発があったと考えていますが、それは原子炉容器の方ではなく、使用済み燃料タンクでの爆発だと思います。プルトニウムやMOX燃料が含まれているタンクですね。あのすごい煙を上げた爆発をビデオで見た人は、誰もがそれが水素爆発であるはずがないと思ったはずです。

司会:水素爆発ではなくて核爆発だったとしたら、それはどのような意味をもつのですか?

バスビー教授:あんまり何も変わりませんね。問題となるのは、爆発と同時に膨大な放射性燃料が蒸発して拡散していまったということです。だから、その周りは非常に高い放射能濃度になっていることでしょう。あとはメルトダウンしてますね。そしてまだ亀裂の問題がありますね。もしかしたら容器自体に裂け目があるのかもしれません。一日に100テラベクレルの放射性物質が放出されているのです。これは本当に深刻な問題です。チェルノブイリも核爆発でしたが、数週間前にベルリンで発表されたことですが、測定された核種(isotope)のジルコロイド(?)の値をみると、水素爆発ではなく核爆発だったことが分かります。

司会:多くの人たちがチェルノブイリと福島第一は比較できないと言っています。その中であなたはずっと福島第一がチェルノブイリよりも悪い状況になると言っていました。現在でも同じ見解をお持ちですか?

バスビー教授:はい、そうです。とても悪い状況になる可能性があると思っています。その理由は、チェルノブイリに比べて福島第一の現状は制御されていないのです。旧ソ連はできる限り素早い行動で制御することに努めました。日本は随分とリラックスした対応をしていると言わざるを得ません。まず避難勧告が緩い。まだ多くの人たちが避難すべき場所に残っていますし、私の意見では最低でも60kmから70kmの範囲で避難勧告をだすべきだと思います。 70km地点で高濃度放射能を計測しているのです。その量はチェルノブイリの避難区域の数値より高いんです。東京やその南部の地域でも高い放射能が検出されていることから、チェルノブイリに比べてとても多くの人たちがリスクにさらされているのです。チェルノブイリの時は、風が北に向いたために首都のキエフに放射能の汚染があまり広がりませんでした。要するに影響を受ける人の数が全然違うということです。ベルリン(の国際会議)で発表したECRRのリスクモデルを使った計算方式によると、チェルノブイリ事故が原因で癌になった人の数は140万人でした。我々はほぼ同数の人たちが福島第一の件で癌を発病するであろうとみています。

司会:幾つものメディアで『長期的な健康被害はまだ分からない、しかし一般的に人間へのリスクは低いとみられている。』『福島第一での放射能汚染による健康被害は確認されていない。』というような事を聞きます。これはまだこうした判断をするには時期尚早ということなのか、それともあなたが過剰に反応をしているなどと言いそうな人もいそうですよね。

バスビー教授:時期尚早というわけではありません。チェルノブイリに関して言えば、疫学的に癌発病率の増加など様々な研究がなされています。歴史を無視する人たちがそれを繰り返してしまうのです。こういう話を軽視するのは、ほとんどが原子力産業の人たちです。多額の利権が絡んでますから。

司会:日本政府は9ヶ月で事態を収拾できるとしていますよね。冷却をさせて放射能の漏出を止める。あなたはそれが可能だと思いますか?

バスビー教授:すみません。イアフォンに問題があるみたい。

司会:日本政府がスペシャルカバーをかけたり、冷却を成功させたり、放射能の漏出を止めるなどして9ヶ月で事態の収拾をはかるとしていますが、あなたはそれが現実的だと思いますか?

バスビー教授:たぶん無理でしょう。そのカバーをかけたとしても、地下から放射性物質は漏れて海水に流れでるし、石棺も無理ですし。

司会:最後に、海水への漏出の事がでてきたのでそれについて。チェルノブイリは陸地にあって、福島第一は海に面している。これは汚染が日本を離れて広範囲に広がるという観点からどのような意味をもつのでしょう?

バスビー教授:もうすでにアメリカでは放射性物質が検出されてますよ。ウランもプルトニウムもハワイやマリアナ諸島のエアーフィルターから数値がでています。さらに汚染された海水も海岸に届きますね。だからこれはとても深刻な問題だと言っているのです。しかし日本政府や原子力産業によって一連の事は軽視されています。とっても深刻なことなんですよ。この為に多くの人たちが病気にかかって亡くなってしまうのですから。

司会:バスビー教授、興味深いお話しをどうもありがとう。

<訳:中鬼>

http://onihutari.blog60.fc2.com/blog-entry-45.html


クリスバズビー報告抄訳

放射能の危険に関する欧州委員会 ( the European Committee on Radiation Risk, ECRR ) の学術部局長、クリス・バズビー博士が発表(3/30)した福島原発事故の影響に関する報告書から結論と勧告の部分を和訳します。

1.ECRR の危険評価モデル(危険率モデル)を、福島原発惨事から半径100キロメートルの範囲に住む3百万人に適用した。こうしたひとびとが一年間同じところに留まると仮定した場合、この方法で予測される癌増加数は今後50年で約20万人、そのうち10万人に今後10年で診断が出ることとなる。即座に退避した場合、増加数は著しく減少する。事故原発から100~200キロメートルの範囲に暮らす7百万人について予測される癌増加数は、今後50年で22万人を若干超えるものとなり、今後10年でそのうち約10万人に症状が出る、とみられる。この予測は、ECRR の危険評価モデル、ならびにチェルノブイリ事故後のスェーデンにおける癌危険率に関する調査結果に基く。

2.国際放射線防護委員会 ( ICRP ) のモデルを用いた場合、半径100キロメートル範囲に住む人間の癌増加数は2838となる。従って、最終的な癌増加数が ECRR と ICRP の危険評価モデルの優劣を決める新たな試験となろう。

3.日本の文部科学省が公表したガンマ線量に基く計算値を使い、認知されている科学的な方法により、計測地点の地表汚染を逆算することができる。その結果が示すのは、国際原子力機関 ( IAEA ) の報告は汚染レヴェルを著しく過小評価していることである。

4.放射性同位体による土壌汚染の計測を早急に行い、注意を喚起してゆくことが求められる。

5.福島原発から100キロメートル圏内北西地域の住民は即座に退避し、この地域を危険区域(立ち入り禁止)とすることが求められる。

6.ICRP の危険評価モデルを使うことはやめて、すべての政治判断を「放射能の危険に関する欧州委員会」の勧告に従って下すべきである。

これは「2009レスボス宣言」に署名した、放射線の危険に関する著名な専門家の出した結論である。

7.故意に情報を一般市民から隠した者に対する捜査と法的制裁を行うべきである。

8.報道においてこの事故が健康に与える影響を矮小化して伝えた者に対する捜査と法的制裁を行うべきである。

Chris Busby, “The health outcome of the Fukushima catastrophe: Initial analysis from risk model of the European Committee on Radiation Risk ECRR.” http://www.

fairewinds.com/sites/default/files/fukuhealthrept.pdf ( 2 April, 2011)


ECRRについての解説から抜粋

ECRR ( 放射線リスク欧州委員会 ) は、ICRP ( 国際放射線防護委員会 )の放射線被害評価モデルの批判などから、生まれた組織です。ICRP のモデル(線形閾値なしモデルと呼ばれる)は外部被曝に関する資料に基いてつくられたもので、たとえ少量でも体に取りこんでしまった放射性物質の長期間にわたる影響をみてゆくこと、予測することができません。

その欠陥に対する指摘は、広島と長崎で原爆投下後から現在まで健康被害に苦しんでいる方々、英国の水爆工場、再処理工場の所在地ウィンズケール(現セラフィールド)周辺に広がる白血病その他の被害、そしてチェルノブイリ惨事の影響についての研究で裏付けられると同時に、アブラム・ペトカウ ( Abram Petkau ) による(外部被曝とは異なる)低線量被曝のメカニズムの発見が根拠となっています。

ECRR の初代委員長はアリス・スチュアート ( Alice Stewart ) でしたが、胎児の診断にレントゲン写真を使わなくなったことは彼女の研究が発端となっています。また、福島原発事故を受けて発表された ECRR の勧告書には、放射線の健康被害に関して重要な研究を提供し続けているロザリー・バーテル (Rosalie Bertell ) の名も記されています。ふたりともノーベル賞より価値があるとも言われるライト・ライヴリフッド賞を受賞しています。

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