2010/10/10

原発延命にドイツ国内猛反発 ベルリンで大規模デモ

原発延命にドイツ国内猛反発 ベルリンで大規模デモ

 【ベルリン=松井健】ドイツのメルケル政権が原子力発電所の運転を平均で12年間延長する方針を決めたことに対して、国内で反発が強まる一方だ。野党や環境保護団体に加え、太陽光や風力発電に投資してきた事業者や自治体など各方面から批判が続出。野党優勢の連邦参議院(上院)での審議を避けようとする政権のもくろみにも疑問が出ており、原発政策の大転換は順調ではない。

 18日には首都ベルリン中心部で大規模な反対デモがあった。約3万7千人(警察発表)の参加者は「原子力はもうたくさんだ!」「原発?いえ結構です」などと書いた旗や使用済み核燃料を模した空き缶を手に、首相府や連邦議会議事堂などの周辺を「人間の鎖」で取り囲んだ。

 メルケル政権は5日、2020年ごろまでに原発を全廃する方針を転換。再生可能エネルギーが発電の主力を占めるまでの「橋渡し」として運転を延長し、延長の恩恵を受ける電力業界には「原発燃料税」を新たに課税するなどのエネルギー構想を決めた。

 これに対し、原発全廃を決めたシュレーダー政権時の与党だった社会民主党(SPD)や緑の党などは強く反発。原発の安全性への疑問や使用済み燃料の処理の問題が解決されていない点などを改めて指摘する一方、運転延長で大幅な利益を得るなど電力業界に有利な決定だとして「政府は電力企業に買収された」と攻撃している。

また、原発廃止を前提に再生可能エネルギーに投資してきた風力発電などの事業者や電気事業を営む自治体からも、原発の延命で大規模な電力企業の競争力が強まって損失を被るとともに、再生可能エネルギーへの転換の勢いが失われるとの懸念がある。原発燃料税の課税で連邦の税収は上がる一方、その課税によって利益が減る電力会社からの法人税や営業税の地方の取り分が減るとされ、SPDなど野党が政権を握る州だけでなく与党政権の地方からも今回のエネルギー構想には異論が出ている。

 メルケル政権与党は現在、16の州政府の代表から構成される連邦参議院の過半数を失っている。州の利害に密接にかかわる連邦法の制定には参議院の同意が必要だが、メルケル政権は今回の運転延長について同意は必要ないとの立場をとっている。これに対しても野党や野党主導の州は「憲法違反」と反発し、政府が参議院を迂回(うかい)した場合には憲法裁判所への提訴を公言している。

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