2017/01/22

世界富豪トップ8人の資産が、貧困層36億人分と同じ

「フェアトレード」といわれる仕事を30年やってきて、この30年間で最もショックを受けた報告があります。それは、2016年のデータを集計したもので「世界で最も裕福な8人の資産の合計」と「世界の経済的に恵まれない36億7500万人(世界人口の半分)の資産の合計」がほぼ同じだったという報告です。今の為替レートで見ると、36億人の資産は1人平均約1万3000円で、8人の平均資産は約6兆円。実に4.6億倍にもなります。「貧富の格差が過去にない極限状況」に達しています。

こうした巨大な格差は、日本にも広がっています。
アベノミクスによって日本の富裕層上位40人の資産は1.9倍に増えましたが、逆に貯蓄ゼロ世帯は427万世帯も増加し、1788万世帯(全世帯の35.5%)が貯蓄ゼロとなっています。富裕層上位40人の資産14兆5000億円は、経済的に恵まれない6300万人(日本の人口の半分)の資産に相当します。

格差が広がるの中で、日本は特に、一人親家庭の貧困率が高くなり(54.6%でOECDにデータがある34か国中でワースト1位)、食べものに飢えた子どもたちも増えています。(そうしたことから市民による「子ども食堂」が急増していますが資金不足が課題です)

かつてない経済格差の拡大は、富裕層をより裕福にし、貧困層をより貧困にし増やしています。これ以上お金は必要ない人の所にお金が集まり、必要な人たちには届きません。世界の過半数の人々が、このことで苦しんでいます。

富裕層トップ8人の資産、36億人分と同額 NGO試算
(2017年1月16日 朝日新聞)から抜粋

 国際NGO「オックスファム」は16日、2016年に世界で最も裕福な8人の資産の合計が、世界の人口のうち、経済的に恵まれない下から半分(約36億人)の資産の合計とほぼ同じだったとする報告書を発表した。経済格差の背景に労働者の賃金の低迷や大企業や富裕層による課税逃れなどがあるとして、経済のあり方に抜本的な変化が必要だと訴えている。

 スイス金融大手クレディ・スイスの調査データと、米経済誌フォーブスの長者番付を比較して試算した。下位半分の資産は、上位8人の資産の合計約4260億ドル(約48兆6千億円)に相当するという。

 報告書は1988年から2011年の間に下位10%の所得は年平均3ドルも増えていないのに対し、上位1%の所得は182倍になり、格差が広がっていると指摘している。経営陣に比べて労働者の賃金が上がっていないことや、大企業などがタックスヘイブン(租税回避地)を使って納税を回避することで発展途上国を中心に税収が減り、下位の層に影響を与えていることが背景にあるとしている。

 オックスファムは富裕層などへの課税強化などを呼びかけ、国内総生産(GDP)の成長を政策目標に掲げるのは誤りで、経済規模でなく、富の分配を反映した指標の採用が必要だとも指摘した。

世界で最も豊かな8人が世界の貧しい半分の36億人に匹敵する資産を所有
(2017年1月16日 OXFAM JAPAN)から抜粋

格差問題に関する最新の報告書「99%のための経済(An Economy for the 99%)」では、富める者と貧しい者の間の格差は、これまで考えられていたよりも大きく、世界で最も豊かな8人が世界の貧しい半分の36億人に匹敵する資産を所有していると発表しました。

納めるべき税金はなるべく回避する。支払うべき賃金はなるべく抑える。カネの力で政治を動かし、経済のルールを自分たちの都合のよいように書き換える。こうした方針を取る大企業や大富豪が、格差の拡大を加速させています。経済によってごく少数の幸運な人々だけではなく、すべての人々が恩恵を受けるためには、その仕組みとあり方に根本的な変革が必要です。

世界は今、99%のための経済を必要としています。経済を私たちの手に取り戻し、「ヒューマン・エコノミー(人間らしい経済)」を実現しなければなりません。

各国政府は、労働者に適正な賃金が支払われるよう保障し、租税回避を阻止するだけでなく、競って法人税減税を推し進めるようなことをやめるために協力、協調しなければなりません。そして、株主の利益だけでなく、従業員の利益と社会への貢献を考える企業への支援を惜しんではなりません。

※詳細はコチラ

最富裕8人と36億人の総資産が同じ 6年前388人から8人に

◆世界富豪トップ8人の資産、貧困層36億人分と同じ=慈善団体
(2017年01月16日 BBC NEWS JAPAN)から抜粋

国際NGOのオックスファムは15日、世界で最も富裕な8人が、最も貧困な36億人分と同じ資産を所有しているとの推計を発表した。

オックスファムのライト氏は、経済格差が政治の2極化を加速させていると指摘し、その例として米大統領選でのドナルド・トランプ氏の勝利や、英国の欧州連合(EU)離脱を決めた国民投票を挙げた。同氏は、「人々は怒っており、別の選択肢を求めている。どんなに一所懸命働いても自分たちの国の成長の分け前を得られないために、取り残されたと感じている」と語った。

*****引用はここまで*****

江戸時代の医師であり、哲学者でもあった三浦梅園は「経済には、独り占めの経済(乾没)と分かち合いの経済(経世済民)の二種類がある」と言いました。

経済の語源である「経世済民」の「経世」は世の中を治め「済民」は民を救うという意味です。「世の中を平和にして人々を幸せにする」ことが、経済の本来の役割だというのです。そして、梅園がこうなってはいけないと言っていたもう一つの経済が「独り占めの経済」であり、いずれは乾いて没する「乾没」です。現代は、まさに「乾没の経済」がどんどん強まっており、近代資本主義250年の歴史の中で、最も経済格差が広がっています。

「自分の利益」「自社の利益」を何よりも優先する人々や企業は、多くの人々が貧困で苦しんでいても、自然環境が破壊され汚染されても、心を痛めません。より利益を多くするためなら法律まで変えて、反対するものを抑え込んでいきます。

日本と世界が、そして、地球の生態系が「乾いて没する」前に、私たちは、政治、経済、社会を変える必要があります。

【「子どもたちに美しい自然を残したい」という村長が逮捕された】より

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