24年前の今日、チェルノブイリ原発事故が起こりました

今から24年前の今日、チェルノブイリ原発事故が起こりました。
いま、日本では、原発を増やそうとしています。しかし、多くの日本人は、原発に近い地域ほど白血病やガンの発症率が高いことを知りません。そして、マスメディアの多くもこのことをあまり報道しません。

ドイツ連邦政府が行なった調査で、1980年かから2003年の間に、5歳以下で小児ガンと小児白血病を発症した子どもについて、ドイツ国内の22基の原発を含む16の原発の立地点から子供たちの居住地までの距離と発症の相関関係が調査されました。約6300人の子どもたちのデーターから得られた結果は、原発から5km以内に住む子どもが小児ガン・小児白血病ともに他の地域と比べて高い発病率を示していました。小児がんで1.61倍、小児白血病で2.19倍という有意な結果で、統計的に高い発症率であることが明らかになりました。

 ドイツ連邦政府の行なったこの研究は、原発の立地周辺で5歳以下の子どもが白血病にかかるリスクは、原発と居住地の距離が近いほど増加することをはじめて科学的に立証したものとなりました。

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 チェルノブイリ原発事故が起こった1986年から4年後の1990年から原発事故の被害にあった人たちの医療支援に関わるようになり、現地を何度も訪問し、被害に苦しむ子どもたちを見てきた者として、放射能の怖さを多くの人に知ってほしいと思う気持ちは年々強くなっています。3年前に、その思いを伝えるために「豪快な号外」という新聞を3000万部も発行しました。そこに書いた記事を再掲します。

豪快な号外・言いだしっぺのひとりごと 
               中村隆市(株式会社ウインドファーム代表)

 この豪快な号外をつくろうと思ったきっかけを話したいと思います。
 チェルノブイリ原発事故で最も被害を受けたベラルーシ共和国の医療支援に1990年から関わり、現地に医薬品や医療機器を届ける中で、ナターシャという女性と出会いました。事故から10年、息子さんが白血病と甲状腺がんを患って亡くなり、一昨年は娘さんが胃がんで亡くなりました。

今、ナターシャは娘が残した幼い孫の世話をしながら「孫がいつまで元気でいてくれるだろうか、体調の悪い私がいつまで孫の世話をできるだろうか」と心配しています。放射能による健康被害で特に怖いのは、細胞分裂が活発な子どもほど大きな被害を受けるため、親よりも子どもが先に亡くなることが多いことと被害が長く続くことです。

 そんな被害の実態を見続けてきた者として、青森県六ヶ所村の核燃料再処理工場のことが一般に知られていないことを危惧しています。11月に本格稼動が始まると、原発が1年間に放出する放射能をわずか1日で放出します。その結果、農産物や海産物が汚染されることを青森県も認めており、1年間で米が90ベクレル、魚が300ベクレル放射能で汚染されると予測しています。

 食料自給率が40%の日本を支えてきた東北や北海道の食べ物が汚染されたら日本はどうなるのでしょう。こんな重大なことを多くの日本人が知らないまま11月からの本格稼動が始まろうとしています。この問題を皆が知った上で「本当に再処理工場を稼動させるかどうか」を国民皆で考えたい、というのが私がこの号外を作りたいと思った一つのきっかけです。

 ドイツでは85年に再処理工場を建設しましたが、安全性の問題から稼働を中止し、工場跡地に太陽電池工場をつくりました。私たちが選挙で環境重視の議員を選べば、自然エネルギーを大胆に推進することができます。

 温暖化も放射能汚染もない世界をつくりましょう。私たち一人一人には、大きな力が宿っています。皆の力を合わせて、いのちを大切にする社会をつくりたい。そんな願いを込めてこの号外をつくりました。

原子力発電がとまる日 脱原発化を選んだ、ドイツからのメッセージ

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