2014/03/20

「原発被災者の警告」を刻む

「原発被災者の警告」を刻む
(2014年3月16日 西日本新聞)

西日本:「原発被災者の警告」を刻む

先日、東京電力福島第一原発事故で全町避難を余儀なくされている福島県富岡町を取材した。鉄柵の向こうの立ち入り禁止区域に自宅がある男性の言葉が忘れられない。
「原発は怖えよ。あの地震でも家は平気だったのに、放射線量が高すぎてもう住めねぇ。こったらことが起きたのに、なして国は原発の再稼動さ急ぐの」

彼は私の記者腕章を見て言葉を継いだ。「もう一度、今度は西日本で原発事故が起きねぇと日本人は分かんねぇのかな。本当に人ごとではねぇんだぞ」

震災3年を前にした10日、安倍晋三首相は「原子力規制委員会が世界一厳しい基準にのっとって審査を進め、安全と判断した段階で再稼動を進めていく」と再稼動に前向きな姿勢を重ねて示した。九州電力川内原発(鹿児島県)が第一号となる可能性が高まっている。

ただ、規制委は基準をクリアしているかどうかを検証する機関であり、安全を保障する機関ではない。

規制委は規制基準と並んで、「地域防災計画」を車の両輪と位置づけ、住民の避難先や移動方法などを具体的に定めた避難計画の策定を自治体に求めている。だが、計画は再稼動の是非を判断する条件に入っておらず、実効性をチェックする仕組みもない。

原発周辺の学校や病院、福祉施設などの避難計画の策定はまだほとんど手付かずだ。川内原発と玄海原発(佐賀県)の30キロ圏内に暮らす避難対象者は、それぞれ22万人と25万5千人。全員が避難するには川内で2日弱、玄海で1日半以上かかるという試算もある。

「九州も気をつけたほうがいい。人ごとと思わんで備えてね」。2004年の新潟県中越地震を取材した際、被災地のお年寄りが私に言った。5ヵ月後、福岡沖地震が起き、4歳の息子に覆いかぶさりながら新潟の警告を思い出した。

万が一の過酷事故が起きた時、原発は地域に壊滅的被害をもたらす。再稼動が現実味を帯びる今、私たち一人一人が福島の被災者の無念をわが身に置き換えて想像し、立ち止まり、その是非を考えたい。
(坂本信博)


川内原発の「再稼働反対」で集会 鹿児島、6千人が参加
(2014年3月16日22時29分 朝日新聞デジタル)

川内原発再稼働計画2014年03月17日東京新聞・鹿児島市で6000人の反対集会

 原子力規制委員会の優先審査により、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)が今夏にも再稼働する見通しになったことを受け、脱原発を訴える市民集会が16日、鹿児島市であった。「再稼働は絶対に許されない」「原発のない地球で暮らしたい」と声を上げながら、参加者は市中心部をデモ行進した。「反原発・かごしまネット」などでつくる実行委が呼びかけ、約6千人(主催者発表)が参加。県内での反原発集会としては過去最大規模となった。

 集会で壇上に立った福島の原発事故の被災者、木幡ますみさん(58)は「3年たったが福島の状況は変わっていない。再稼働させないで」と呼びかけた。(小池寛木)

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