【福島第1原発の汚染水】トリチウム40兆ベクレル

世界一の原発大国アメリカの3つの原発が集中しているイリノイ州の原発から排出される汚水には放射性トリチウムが含まれていますが、政府は国際基準以下なので影響はないとしてきました。しかし近くの町では、子どもたちがガンなどの難病で亡くなっていました。原発周辺の地域だけが脳腫瘍や白血病が30%以上増加。中でも小児ガンは、およそ2倍に増えていました。

【福島第1原発の汚染水】トリチウム40兆ベクレル
/規制委「土の壁」越え流出指摘/対策怠り大量流出に
(2013/08/03 19:20 共同通信)

トリチウム40兆ベクレル流出か(2013年8月記事)

 福島第1原発の汚染水が海に流出している問題で、東京電力は2日、2011年5月から今年7月にかけ、汚染水に含まれて流出した放射性物質のトリチウムの量が20兆~40兆ベクレルに上るとの試算を明らかにした。この日、原子力規制委員会の汚染水対策を検討する作業部会に報告した。

 東電は「保安規定に定められた年間の放出基準値と同程度だが、 安全確認ができていない状態での流出なので好ましくない」との見解を示した。保安規定上のトリチウムの放出基準値は年間22兆ベクレル。第1原発からの事故前の放出量は年間数兆ベクレルで、今回の試算値は10倍程度に相当する。

 規制委は、東電が流出対策として護岸で進めている「土の壁」を汚染水が乗り越え、海に出ていると指摘。護岸付近に水を集めるための溝を掘って、流出前に地下水をくみ上げるよう指示した。

 東電は放射性セシウムや、体内に蓄積しやすく健康影響が懸念される放射性ストロンチウムについては「土壌中での動きが複雑で試算が難しい」としており、今回は水と性質が似ているトリチウムで試算した。今後、専門家の意見も踏まえセシウムなどの流出総量を試算するとともに、原発周辺海域での魚介類への影響調査を始める。

 東電によると、海への漏えいが始まった時期が分からないため、事故後に汚染水流出対策工事を実施した11年5月以降に漏えいがあったと仮定。陸側の地下水に含まれるトリチウム濃度と、原発近くの海水に含まれる濃度を基に、地下水の流量や日数などから流出総量を試算した。

 陸側の濃度を基にした試算では流出量は40兆ベクレル、海水を基にすると20兆ベクレルだった。事故直後の11年4~5月に海に流出したり、東電が放出したりした汚染水は含まれていない。

 ▼「土の壁」越え流出指摘 規制委、対策の加速要求

 原子力規制委員会の更田豊志委員は2日、東京電力福島第1原発の汚染水流出対策として岸壁沿いで工事を進めている「土の壁」に関し「地下水位の上がり方や海水のトリチウム濃度の変化から、すでに地下水が壁を乗り越え、海に流れ出ているとみるべきだ」と指摘し、東電に対策を急ぐよう求めた。規制委の汚染水対策を検討する作業部会で述べた。

 東電によると、地中の浅い部分では薬液で土を固めることが難しく、土の壁は地中約1・8メートルより深い部分にしか設置されていない。付近の観測用井戸の水位が上昇しており、東電も壁を乗り越えて放射性物質を含んだ水が海に流出する可能性を認めていた。

 東電は護岸付近に溝を掘り、たまった地下水をくみ上げて水量を減らすことなどを検討。くみ上げた水はいったん建屋に戻し、今後、壁の上部の隙間もコンクリートなどでふさぐとしているが、規制委は速やかな実施を促した。東電の松本純(まつもと・じゅん)原子力・立地本部部長は「土の壁と並行して工事ができるかなどを検討し、対策を加速化したい」と述べた。

 規制委側は、7月20日ごろから土の壁外側の護岸付近で、海水表層に含まれるトリチウム濃度が上昇していると指摘。井戸の水位の上昇時期と一致しているとして「地下水が壁の上端に達し、海側にあふれ始めた」と推定した。ただ東電は「今のデータだけで明確にあふれ出したとは評価できない」と説明した。

 このほか作業部会では、地下水の流れや汚染状態をより正確に把握するための調査手法の改善や、土の壁の工事が進む1~2号機付近以外の流出防止策を急ぐよう求める意見も相次いだ。

 ▼対策怠り大量流出に

 原子力資料情報室の沢井正子(さわい・まさこ)さんの話 福島第1原発の放射性物質除去装置は原子炉から出たトリチウムを取り除けない。東電はなおさら汚染水を流出させないようにすべきだったのに対策を怠った。原子力規制委員会もきちんと対応せず大量流出につながった。トリチウムは海で水と同じように移動する。人体などへの影響は分からない部分がある。東電の流出量の試算は正しいか不明で、現時点で生態系や人体に影響がないとは言えない。事故は収束しておらず、ここできちんと対策を取らせないと今後も垂れ流しになる。

福島民友:トリチウム400兆ベクレル流出か

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