<イラク>新生児の異常急増 04年以降 

大量破壊兵器を持っているという「無実の罪」で米軍などに攻撃されたイラクのファルージャで「障害児」の出生割合が急激に増加している。
91~00年では1.72%
01~03年では10.5%
04~06年では30.3%
07年以降では 54.3%

<イラク>新生児の異常急増 04年以降
(2012年12月3日 毎日新聞)

 【ロンドン小倉孝保】イラク中部ファルージャで米軍による激しい軍事作戦が行われた04年以降、障害児の出生割合が急激に高まっている可能性があることがわかった。イラクや米国の研究者らが国際医療科学誌に論文を発表した。爆弾などに含まれた毒性金属が母体を通して新生児体内に蓄積された可能性を指摘している。

 論文は「シュプリンガー」の9月16日号に米ミシガン大の環境毒素学者、サバビエアスファハニ氏やバスラ医科大のサバック講師ら6人が連名で発表した。イラクの戦争被害については南部バスラなどで劣化ウラン弾の影響が疑われる事例が報告されているが、ファルージャでの出生異常に関する科学的報告は初めてとみられる。

 2010年にファルージャ総合病院に出産や産後治療に訪れた計56家族を対象に1991年から2010年までの20年間について、夫婦のほか双方の親や兄弟など親族も含めた出産状況を聞き取ってまとめた。

 その結果、91年から20年間に生まれた新生児は計202人。91~00年では新生児58人のうち障害があったのは1人(1.72%)、01~03年では19人のうち2人(10.5%)だったのに対し、攻撃が激化した04~06年では33人のうち10人(30.3%)、07年以降は92人のうち50人(54.3%)に障害があった。「04年以降」の障害児出生割合(48%)は「03年以前」(3.89%)の約12倍。主な障害は心臓疾患、神経系疾患などだった。

 また、新生児と両親の毛髪を分析した結果、障害を持つ新生児は障害のない新生児に比べ鉛含有量が5倍、水銀含有量が6倍だった。ウラン含有量に差はなかった。親の毛髪の鉛、水銀の含有量にも大きな差はなかった。

 障害児出生割合が高まった原因として、米軍が使用した爆弾などの毒性金属が水や食料から母体を通して新生児の体内に入った可能性を指摘している。爆弾や銃弾には、水銀や鉛などの毒性金属が含有されているという。

 ただ、ファルージャ総合病院で過去の出生記録が発見できず聞き取りで出生状況をまとめたため、過去にさかのぼるほど記憶違いが大きくなる可能性や、障害を持つ新生児の出生をより強く記憶している可能性もある。

 サバビエアスファハニ氏は毎日新聞に「論文は、ファルージャの人々が毒性金属に汚染され、出生異常割合が驚異的に高まっているていることを示した。障害児出生は今後も増える可能性があり広範囲な環境調査を急ぐべきだ」と述べた。米国防総省広報担当者は「ファルージャなどで米軍の武器に含まれる金属と障害児出生増加を関連付ける公式報告はない。我々は戦闘地域での人々の健康には常に最大の関心を持っている」と話している。



*日本も米兵を輸送するなどして、米軍をサポートする形でイラク戦争に加担した。開戦前にブッシュ大統領やチェイニー副大統領が「イラクは大量破壊兵器を保有している」とメディアを通して繰り返し広言していたため、開戦後に大量破壊兵器が発見されなかったことでこの戦争の『大義』が失われた。

日本には、憲法9条があったため、直接、戦闘に参加することはなかった。しかし、その憲法を自民党の安倍総裁や維新の会の石原代表は改定しようと考えている。

安倍総裁、憲法改正を争点化の考え 次期衆院選
(2012年9月30日 朝日新聞)から抜粋

 自民党の安倍晋三総裁は30日、京都府綾部市で講演し、憲法改正について「(改正発議に)反対と思っているような横柄な国会議員には次の選挙で退場してもらいたい」と語り、次期衆院選で憲法改正を争点化する考えを示した。

 安倍氏は、各社世論調査で過半数が憲法改正すべきだと答えていると指摘。憲法96条で発議要件が国会議員の3分の2以上となっていることについて、「たった3分の1ちょっとの国会議員が反対すれば(憲法改正が)できないのはおかしい」と述べ、96条の要件を2分の1に緩和するべきだとの考えを強調した。

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