元原発作業員 放射線量が高い現場で働かせた関電工を告発

元原発作業員 関電工を告発
(11月1日 NHKニュース)

東京電力福島第一原子力発電所で、事故直後に対応に当たった元作業員が、放射線量が高い現場と知りながら作業を続けるよう指示されたと主張して、作業を請け負った関電工を労働安全衛生法違反の疑いで労働基準監督署に刑事告発しました。

告発したのは、福島第一原発で去年3月から4月にかけて作業に当たった福島県いわき市に住む46歳の元作業員の男性です。

1日会見した男性や代理人の弁護士によりますと、男性は、東京に本社がある関電工の下請け企業の社員として、事故直後の去年3月24日、関電工の社員ら5人と共に、福島第一原発の3号機の原子炉タービン建屋で、地下に電源ケーブルを敷く作業に当たったということです。

建屋の地下には水たまりがあり、同じ場所にいた東京電力の作業員は、空間の放射線量が1時間あたり400ミリシーベルトと計測されたため作業をせずに撤退しましたが、男性らは関電工の作業員から一緒に作業を続けるよう指示されたと主張しています。

男性は地下で働くことを拒否し、主に1階で1時間ほど作業しましたが、およそ11ミリシーベルト被ばくしたということです。このため、男性は、放射線量が高い現場と知りながら作業を続けるよう指示されたと主張して、関電工を労働安全衛生法違反の疑いで労働基準監督署に刑事告発しました。

また、作業を発注した東京電力についても、作業員の安全を確保する必要な措置を怠ったとして労働基準監督署に是正を指導するよう求めました。男性は「福島第一原発で働く作業員が、私のように危険な目に遭うことなく安全に仕事ができるよう改善してほしい」と話しています。

今回の告発について、関電工は「作業が終わったあとで、東京電力の作業グループから空間の放射線量が高いことを知らされ、一緒に撤退したと認識しており、作業を行った時点では線量が高いとは認識していなかった。労働基準監督署の調査には真摯に対応したい」と話しています。

また、東京電力は「詳細が分からないのでコメントできないが、引き続き安全対策を徹底したい」と話しています。


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