2012/07/30

脱原発の飯田候補は、「原発を争点にしない戦術」に負けた?

山口県知事選 「脱原発」を掲げた飯田候補は、山本候補の「原発問題を争点にしない戦術」に負けた?

「飯田氏に上関原発計画の是非が争点化されると、山本氏は計画凍結を訴えて防戦」(毎日新聞) 当選後に山本氏は上関原発の凍結を表明したが、政府の新たなエネルギー政策の行方を見守る姿勢で、計画再開にも含みを残した。(共同通信)

◆上関原発建設77%反対 出口調査
(2012年7月30日 西日本新聞朝刊)から抜粋

共同通信社が実施した山口県知事選の出口調査で、中国電力が進める上関原発計画への賛否を尋ねたところ「新規建設しない方がよい」が77.9%と圧倒的多数で「新規建設した方がよい」は15.9%にとどまった。

建設反対の回答のうち、計画凍結を主張した山本繁太郎氏の支持が42.0%、白紙撤回を掲げたNPO法人所長飯田哲也氏は42.6%と拮抗した。建設賛成では、山本氏が69.4%を集め、他候補を圧倒した。

投票の際に原発問題を重視したかどうか質問したところ、62.4%が「重視した」と回答、「重視しなかった」の34.4%を大きく上回り、関心の高さをうかがわせた。

重視した人のうち46.6%が飯田氏に投票したが、山本氏も41.5%を集めた。重視しなかった人は55.0%が山本氏に投票した。

山口県知事に山本氏当選 上関原発の凍結表明
2012/07/30 02:02 【共同通信】

 任期満了に伴う山口県知事選は29日投票、即日開票の結果、無所属新人の元国土交通審議官山本繁太郎氏(63)=自民、公明推薦=が、NPO法人所長飯田哲也氏(53)ら無所属3新人を破り初当選した。

 中国電力が進める上関原発建設計画(同県上関町)への対応などが主な争点だった。原発計画の白紙撤回を唱えた飯田氏も善戦。山本氏は当選が決まった同日夜、山口市で記者団に「県民の安全安心を第一に考えて対処する」と述べ、凍結方針をあらためて示した。政府の新たなエネルギー政策の行方を見守る姿勢で、計画再開にも含みを残した。

山口知事選:自公推薦の山本氏当選 脱原発の飯田氏ら破る
(毎日新聞 2012年07月29日 23時54分)

 山口県知事選は29日投開票され、元国土交通審議官の山本繁太郎氏(63)=自民、公明推薦=が、脱原発を掲げる「環境エネルギー政策研究所」所長の飯田哲也氏(53)ら3氏を破り、初当選を果たした。投票率は45.32%(前回37.21%)。

 選挙戦では、飯田氏が山本氏を追い上げた。中国電力(広島市)が同県上関町に予定する上関原発計画の是非が大きな争点だったため、国の原発行政への批判が有権者の間に広がっていることを示唆した。更に、飯田氏が大阪維新の会の橋下徹・大阪市長のブレーンを務めていたことから、既成政党批判も広がっていると言えそうだ。

 衆院山口2区の自民党候補から転身した山本氏は、3月に出馬表明し、中央とのパイプを生かした公共事業誘致や産業力の強化を訴えた。告示前1カ月弱の飯田氏の出馬表明で、上関原発計画の是非が争点化されると、山本氏は計画凍結を訴えて防戦。自公両党や100以上の業界団体の組織力をフルに生かして勝利した。

 投票日直前の23日には、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが米軍岩国基地(同県岩国市)に強行陸揚げされ、陣営では既成政党批判が一気に高まることが懸念された。しかし、今期限りでの引退を表明し、山本氏を後継指名した二井関成知事が陸揚げについて国に抗議。自民党も、石原伸晃幹事長ら「大物」を続々山口入りさせて組織固めをして引き締め、最終的に逃げ切る形となった。

 一方、飯田氏は脱既成政党、原発計画撤回を掲げて、山本氏を猛追した。政党や団体に支援を求めず、ボランティア中心の「草の根」選挙を展開。出身地の周南市の票を堅くまとめた。福島原発事故以降、有権者の間に浸透している原発への抵抗感も飯田氏を後押ししたが、出足の遅れなどから届かなかった。

 民主党衆院議員を辞職した高邑勉氏(38)、医師で元県課長の三輪茂之氏(53)は、山本、飯田両氏の間で埋没する形となった。【尾村洋介、佐野格】


【脱原発 保守地盤揺らす】 山口県知事選
(2012年7月30日 西日本新聞朝刊)から抜粋

目を赤く腫らしていたが、最後まで笑顔は絶やさなかった。
「保守王国と言われる山口で、全く政党の支援を受けず、ここまで追い詰めるよい戦いができた。この成果を必ず明日につなげていきたい」。
29日夜、山口県知事選で敗戦の弁を語るNPO法人所長の飯田哲也氏の顔には達成感がにじんだ。

「脱原発」を掲げて自民、公明が推す元国土交通審議官山本繁太郎氏に挑み、善戦した。訴えは「既成政党離れ」の追い風を受け、保守王国を揺さぶった。

◆既成政党離れの風  飯田氏 「追い詰めた」

「奇跡が起こる余地はあります」。6月、立候補を迷う飯田氏は選挙プランナーの男性からこう助言された。根拠は世論調査。飯田氏は県内で知名度が高まれば支持率も伸びる可能性が高い。最後は「動物的な勘」で出馬に踏み切った。

6月下旬、数十人単位のミニ集会を各地で始めると、すぐに雰囲気が変わり始めた。「やっと選択肢ができた」「絶対変えて」。会場で次々と声をかけられた。97歳の女性は「初めて投票したい人に出会った」と手を握り締めた。集まったボランティアスタッフは延べ約1千人。資金カンパは2千万円を超えた。

持論の「脱原発」も、中国電力が計画する上関原発建設の「白紙撤回」だけでなく、自然エネルギーによる地域活性化策まで踏み込んだ。

期待した投票率。前回より上がりはしたが、奇跡が起こるほどではなかった。「それでも」と飯田氏は言う。「しがらみのない人たちに支えられた選挙。それがここまで広がりを持った。新しい足場はできた」

「本来は、もっと票差を広げるべきなのだが・・・」。初当選を決めた山本氏の万歳三唱後、自民県連幹部は複雑な表情を見せた。

「原発問題だけが県政ではない」「エネルギーの専門家に県政を任せられるか」。山本陣営は連日、「反飯田」のキャンペーンを展開。原発問題に争点を絞らせない戦術をとった。

狙い通りに進んだはずが圧勝できなかった。「脱原発票だけでなく既成政党離れが進んでいるのは間違いない。党が信頼回復できるのか、今が正念場だ」。幹部は表情を曇らせた。

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