2012/05/28

多くの人に知ってほしい【ふくしま集団疎開裁判】

多くの人に知ってほしい裁判の内容

1
「ふくしま集団疎開裁判」の概要
2012年2月26日

第1、 申立の結論について
(1)、原告(14人の小中学生)が求めたこと
郡山市に対し、14人の原告が空間放射線量が年間1mSv以下の安全な環境の地域で教育を受けられるように避難すること

(2)、被告(郡山市)が求めたこと
原告の申立を却下する。

第2、申立の理由について

1、外部被ばく

(1)、原告の主張
ア、 原告らが通う7つの学校は、「郡山合同庁舎」の空間線量の値から推計した結果
●昨年3 月12日~8月31日の空間線量の積算値は7.8~17.16mSv
●昨年3 月12日以来1年間の空間線量の積算値は12.7~24mSv
●裁判の審理終結日(昨年10月末)から年間1mSv以上
イ、チェルノブイリ事故で旧ソ連とロシア等3国が定めた住民避難基準を郡山市に当てはめると、原告らが通う学校周辺は、昨年10月末の時点で、全て移住義務地域に該当(別紙の汚染マップ)。

(2)、被告の主張(答弁)
 すべて不知(積極的に争うことはしない、しかし相手の主張を認める積りもないという態度のこと)。

(3)、被告の反論
第1の反論:平成23年6月と7月に実施した、原告が通う学校で積算線量計で
測定した結果によれば、空間線量は毎時0.08~0.2μSv
第2の反論:学校滞在中の年間推定被ばく線量について
学校滞在時間を1日8時間、年間200日と仮定した年間推定被ばく線量は、
0.08μSv×8時間×200日=0.13mSv
0.2μSv ×8時間×200日=0.32mSv  いずれも1mSv 以下。

(4)、原告の再反論
第1の反論に対し:積算線量計を携帯したのは子どもでなく、教職員。子どもが校庭で過ごす時、「教職員」はコンクリートの校舎内で過ごすことが多いのが実態であり、測定結果は子どもの被曝線量にひとしくない。
第2の反論に対し:木造家屋の低減係数を原子力安全委員会により木造家屋0.9 とし、登校日は登下校に1時間を要し、帰宅後は自宅から出ないものと仮定し、休日は1日に3時間を戸外で過ごし、その他の時間は自宅ですごすものと仮定すると、年間の被曝量は2.5~6.3mSV。1mSv をはるかに超える。

2、内部被ばく

(1)、原告の主張
ア、原告らが住む郡山市の子どもたちは、今後、チェルノブイリ事故により、郡山市と汚染度が同程度の地域で発生した次の健康被害が予想されること(琉球大学名誉教授矢ヶ崎克馬氏の意見書)。
 通常であれば、甲状腺のがん等は10 万人当たり数名しか子どもには出ないのに、
(ア)、5~6 年後から甲状腺疾病と甲状腺腫の双方が急増し、9 年後の1995 年には子ども10 人に1 人の割合で甲状腺疾病が現れた。
(イ)、甲状腺がんは甲状腺疾病の10%強の割合で発病、9 年後は1000 人中13 人程度となった。

イ、ゴメリ医科大学学長のバンダジェフスキーが、チェルノブイリ事故後に死亡した人を解剖して臓器ごとにセシウム137 を測定した結果、子供たちの心臓病多発の原因がセシウム137 の心臓への高濃度蓄積によるものであることを指摘し、原告らが住む郡山市の子どもたちも内部被ばくにより、今後、同様の心臓病多発が予想されること(医師の松井英介氏の意見書)。
(2)、被告の主張(答弁)
すべて不知。

3、まとめ

(1)、原告の主張
被曝による被害は最先端の科学でも未解明な部分が多く、他方で健康障害が発生してからでは取り返しがつかない。このような予見不可能性と回復不可能性を有する事故については、「疑わしきは保護する」という予防原則が採用される必要がある。未来を担う子どもの場合、この原則が無条件に妥当する。
原告らの空間線量は3.11以来年間12.7~24mSvであり、チェルノブイリ避難基準に照らしても、またチュルノブイリ事故による健康障害との対比からも、被告には原告らを避難させる義務があることは明らか。

(2)、被告の主張
ア、原告は被曝が危険だと思うなら自ら転校すればよい。郡山市は転校を妨げていない。
原告に転校する自由がある以上、郡山市は原告の権利の侵害者に当たらない。
イ、郡山市は福島原発事故の被害者ではあっても加害者ではない。加害者は東京電力である。従って、原告の権利を侵害したのも東京電力であって郡山市ではない。

(3)、原告の反論
 郡山市には子どもを安全な環境で教育するという憲法上の責務がある。原告に転校の自由があるからといって、郡山市がその義務を免れるものではない。たとえ郡山市が福島原発事故の被害者だとしても、郡山市がその義務を免れるものではない。

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