2012/05/24

福島大学の教員有志、内部被ばくを考えるシンポジウム開催

シンポジウム:福島大の教員有志、内部被ばくを考える /福島
(毎日新聞 2012年05月24日 地方版)

 福島大の教員有志で作る「放射線副読本研究会」は23日、福島市の同大で、内部被ばくについて考えるシンポジウムを開いた。研究会は、震災後に国が作った放射線教育の副読本に、福島第1原発事故についての記述が無いことに疑問を抱いた教員17人で構成。「大学当局が安全性に楽観的だ」として、空間線量が下がり、警戒感が薄れつつある学生に注意を呼びかけた。

 琉球大の矢ケ崎克馬名誉教授や同大教員が順次講演した。内部被ばくについて矢ケ崎名誉教授は「体内に取り込んだ放射性物質のアルファ線は、局所的に強い影響を与える可能性がある」と指摘、マスク着用や食品に注意する必要性を説いた。行政政策学類の塩谷弘康教授は震災後の大学側の危機管理体制に疑問を投げかけた。昨年5月の授業の再開まで「内部被ばくを考慮することなく、モニタリング以外の防護策を取らずに再開を急いだのは学生の安全軽視ではないか」と指摘した。

 行政政策学類2年の鹿又暁さん(20)は「食事や空気中のちりで内部被ばくするリスクを考えていなかった。マスクを着用するようにしたい」と話した。【深津誠】


WHOが被ばく線量推計、福島2カ所で最大50ミリシーベルト
(2012年5月24日 朝日新聞)

 [ジュネーブ 23日 ロイター]世界保健機関(WHO)は23日、東京電力福島第1原子力発電所の事故を受けて、住民の被ばく線量を推定した報告書を発表した。

 専門家らによると、全身の被ばく線量が最も高かったのは、福島県浪江町と飯舘村の2カ所で10─50ミリシーベルト。このほかの同県全域では1─10ミリシーベルト、日本のほぼ全域では0.1─1ミリシーベルトだった。

 WHOによると、全身被ばく線量が100ミリシーベルトを超える場合、がんのリスクが高まるという。

 一方、幼児の甲状腺の被ばく線量は、浪江町で100─200ミリシーベルトだった。

 報告書は、日本政府が震災後から昨年9月までに公表した、大気や土壌、水や食物に含まれる放射性物質の濃度を基に作成された。


★上記記事に対する中村のコメント

※コメント1
上記「WHOによると、全身被ばく線量が100ミリシーベルトを超える場合、がんのリスクが高まる」というのは、WHO独自の見解であり、国際的な常識は違っている。

(1)ノーベル平和賞の「社会的責任を果たすための医師団」が警告
(2011/04/16 風の便り)から抜粋

◆米国科学アカデミーによれば、安全な放射能の線量というものはない。過去数十年にわたる研究から、放射線はどんなに少ない線量でも、個々人の発がんリスクを高めることがはっきりと示されている。

◆日本で危機が続く中、人に発がんの危険が生じるのは最低100ミリシーベルト(mSv)被曝したときだという報道が様々なメディアでますます多くなされるようになっている。これまでの研究で確立された知見に照らしてみると、この主張は誤りであることがわかる。100 mSv の線量を受けたときの発がんリスクは100人に1人、10 mSv では1000人に1人、そして1 mSV でも1万人に1人である。


(2)低線量被曝でも発がんリスク
―米科学アカデミーが「放射線に、安全な量はない」と結論―

(2005/8/22 原子力資料情報室)から抜粋

 米国科学アカデミーは、「放射線被曝には、これ以下なら安全」といえる量はないという内容のBEIR-VII(Biological Effects of Ionizing Radiation-VII、電離放射線の生物学的影響に関する第7報告)を発表した(http://books.nap.edu/catalog/11340.html)。報告書は、放射線被曝は低線量でも発がんリスクがあり、放射線業務従事者の線量限度である5年間で100ミリシーベルトの被曝でも約1%の人が放射線に起因するがんになる、とまとめている。

 また、BEIR委員でもあり、仏リヨンにある国際がん研究機関所属のE.カーディスらが中心になってまとめた15カ国の原子力施設労働者の調査が、「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」誌2005年6月29日号に掲載された。この調査でも、線量限度以下の低線量被曝で、がん死のリスクが高まることが明らかになった。

全文


※コメント2
放射能の被害に関するWHOの見解が「異常に過小評価されている」のは何故か?
その答えのヒントが以下の2つの動画で話されている。

(1)真実はどこに?―WHOとIAEA 放射能汚染を巡って
(2012/05/24 風の便り)

(2)IAEA(国際原子力機関)とWHO(世界保健機関)疑惑の協定
(2011/09/17 風の便り)

「チェルノブイリ・百万人の犠牲者」
http://www.universalsubtitles.org/ja/videos/zzyKyq4iiV3r/info/chernobyl-a-million-casualties/

「書き起こし」から関連部分を抜粋します

司会のカール・グロスマンです。
来る4月26日でチェルノブイリの原発事故からまる25年になります。
今日は ちょうど出版された大事な本「チェルノブイリ:大惨事の人と環境に与える影響」について取り上げていきます。

この本は公開された医学的データに基づき事故の起きた1986年から2004年までに98万5千人が亡くなったとしています。死者数はさらに増え続けています。

スタジオにはジャネット・シャーマン博士をお迎えしています。ジャネット博士はこの本の編者でもあります。著者はアレクセイ・ヤブロコフ博士とベラルーシ出身のバシリー・ネステレンコ博士そしてアレクセイ・ネステレンコ博士です。

Q,チェルノブイリ原発事故の死者は100万人ということですが死因は何でしょう?

癌、心臓病、脳障害や甲状腺ガンなど死因はさまざまでした。
何より多くの子供達が死にました。胎内死亡、又は生後の先天性障害です。

Q,科学者たちが98万5千という死者数を特定した方法は?

これは公開されている医学的データを基にしています。原子力を規制・奨励する国際機関である国際原子力機関(IAEA)はチェルノブイリの死者数を約4千人とホームページで発表しています。

Q,これは本に発表されている98万5千人と大きく異なるのはなぜでしょう?

IAEAが発表したチェルノブイリフォーラムという調査書は350の論文に基づき英文で公開されている資料でしたが、ヤブロコフ博士とネステレンコ博士たちは5千以上の論文を基にしています。

それは英文の論文に限りませんでした。また実際に現場にいた人達の声を基にしています。現場にいたのは医師、科学者、獣医師、保健師など地域の人々の病状を見ていた人たちです。

Q,この本によりますと、世界保健機関(WHO)でさえチェルノブイリの真実を語っていないと批判していますね。WHOはIAEAと協定を結んでおり発表することができないとのことですが、それについて説明していただけますか?

1959年に結ばれた協定は、それ以来変わっていません。
一方がもう一方の承諾を得ることなしに調査書を発表することを禁じています。WHOはIAEAの許可なしには調査書を発表できないのです。

IAEAは、世界中の原子力の規制だけではなく原子力の促進を行う機関でもありますからね。当然、WHOに「原子力は健康に有害だ」と言われては困るわけです。こうした協定を終結すべきです。協定は破棄されるべきです。

国際原子力機関(IAEA)と世界保健機関(WHO)の間の協定

第I条 協力と協議

1. 国際原子力機関と世界保健機関は、国際連合憲章で確立された全般的枠組みの中で、両機関それぞれの憲章に明記されている目的の効果的な達成を促すために、相互に緊密な協力の下に行動し、共通の関心事について定期的に協議することに合意する。

2. 世界保健機関憲章と国際原子力機関憲章、および国際連合との協定、またそれに関係する書簡の交換にもとづいて、また両機関それぞれの連携責任を勘案し、世界保健機関は、とくに、国際原子力機関が全世界の原子力平和利用の研究開発と実用化を促進、支援および調整する一義的責任を負うことを認める。ただし、これは研究を含むあらゆる面での国際的な保健活動を促進、開発および支援に携わる世界保健機関の権利を毀損するものではない。

3. いずれかの機関が、他方の機関が重大な関心を持つか、持つ可能性のある計画または活動を企画するさいには、常に、前者は後者と協議し、相互合意にもとづく調整を図らなければならない。

第II条 相互代表

1. 世界保健機関の代表者は、国際原子力機関の総会に招請され、同総会およびその下位機関(各種委員会等)で行われる審議のうち、世界保健機関が関心をもつ議題について参加するものとする(ただし投票権は持たない)。

2. 国際原子力機関の代表者は、世界保健機関の総会に招請され、同総会およびその下位機関(各種委員会等)で行われる審議のうち、国際原子力機関が関心をもつ議題について参加するものとする(ただし投票権は持たない)。

3. 世界保健機関の代表者は、必要に応じて国際原子力機関理事会に招請され、同理事会およびその各種委員会で行われる審議のうち、世界保健機関が関心をもつ議題について参加するものとする(ただし投票権は持たない)。

4. 国際原子力機関の代表者は、必要に応じて世界保健機関理事会に招請され、同理事会およびその各種委員会で行われる審議のうち、世界保健機関が関心をもつ議題について参加するものとする(ただし投票権は持たない)。

5. 国際原子力機関と世界保健機関それぞれの主催により招集するその他の会合で、他方の機関が関心をもつ事項を協議する際には、相互代表について合意にもとづき適宜取り決めを行うものとする。

第III条 情報と文書の交換

1. 国際原子力機関と世界保健機関は、提供を受けた機密情報の保護のために、何らかの制限を適用する必要があると判断する場合があり得ることを認める。このため両機関は、本協定内のいかなる規定も、その情報を保有する側が、そのような情報を提供した加盟国等の信頼を損ねたり、自らの機関の業務の正常な遂行を阻害する可能性があると判断するような情報の提供を求めていると解釈されてはならないことに合意する。

2. 機密資料の保護のためにこのような取り決めが必要になる場合があり得るとの前提の下で、国際原子力機関事務局と世界保健機関事務局は、双方が関心をもつ可能性のある活動計画や事業計画について充分な情報を相互に提供するものとする。

3. 世界保健機関事務局長と国際原子力機関事務局長、またはその代表者は、いずれかの側から要請があった場合には、相手が関心を持つ可能性のあるそのような特殊情報をいずれかの側が提供することについての協議の場を設けるものとする。

第IV条 議案の提案

こうした予備協議を必要に応じて行った後に、世界保健機関はその総会議案または理事会議案に国際原子力機関が提案した項目を含めなければならない。同様に、国際原子力機関はその総会議案または理事会議案に世界保健機関が提案した項目を含めなければならない。いずれかの側が他方による検討を求めて提出する項目には、説明の覚書を添付しなければならない。

第V条 事務局間の協力

国際原子力機関事務局と世界保健機関事務局は、両機関の事務局長の間で適宜合意される協定にもとづき緊密な業務関係を維持しなければならない。とくに、双方にとって重大な関心のある問題については、適宜合同委員会を招集して検討するものとする。

第VI条 技術上ならびに運営上の協力

1. 国際原子力機関と世界保健機関は、職員と資源の最も効率的な利用と、競合または重複する施設や業務の設置・運営を避ける適切な方法について適宜協議することに合意する。

2. 国際原子力機関と世界保健機関は、国際連合が人事に関する協力を目的として行うあらゆる一般的取り決めの枠内で、両機関が講じる措置に以下のものが含まれることに合意する。

a. それぞれの機関の職員の採用に際して競合を避ける措置、および
b. それぞれの機関の業務を最大限に活用するために適宜一時的または恒常的な職員の交換を促進し、以て関係職員の年功、年金等の権利保護のための必要な規定を定める措置。

第VII条 統計業務

統計の分野では、最大限の協力を行い、情報源となる各国政府その他の機関にかかる負担を最小化することが望ましいことに鑑み、国際原子力機関と世界保健機関は、国際連合が統計に係る協力を目的として行っている一般的取り決めを勘案しつつ、統計の収集、編纂ならびに公表をめぐる両機関の間での無用な重複を避け、統計分野における情報、資源および技術職員の有効活用と、共通の関心事項を扱うすべての統計計画について、相互に協議し合うものとする。

第VIII条 特別業務の財源

いずれかの機関から他方に対して行われた支援要請への応諾が、その要請に応える機関の多額の出費をともなうか、その可能性がある場合は、そのような出費をもっとも公平に負担する方法を決めるために協議を行うものとする。

第IX条 地域事務局および支局

世界保健機関と国際原子力機関は、できる限り、いずれかの機関がすでに設置しているか、将来設置する可能性のある地域事務局および支局の施設、職員および共通の業務を他方の機関が利用することに関する協力準備に入るために、合同の協議を行うことに合意する。

第X条 協定の実施

国際原子力機関事務局長と世界保健機関事務局長は、本協定の実施のために、両機関の業務経験に照らして望ましいと思われる取り決めを行うことができる。

第XI条 国際連合への通知と保管・記録

1. 各機関と国際連合との協定にもとづき、国際原子力機関と世界保健機関は、ただちに国際連合に対して本協定の規定を伝える。

2. 本協定の発効後、本協定はただちに国際連合事務局長に提出され、国際連合の既存の規定にもとづいて保管・記録される。

第XII条 改定と失効

1. 本協定は、世界保健機関と国際原子力機関のいずれかの側からの要請により両機関間の合意により改正することができる。

2. 改正の対象について合意が得られない場合、任意の年の6月30日までにいずれかの側が他方に対して通知を行うことにより、その年の12月31日を以て本協定を失効させることができる。

第XIII条 発効

本協定は、国際原子力機関総会と世界保健機関総会で承認されることにより発効する。

B. 議定書

本協定は、1958年10月1日に国際原子力機関総会で、1959年5月28日に世界保健機関総会でそれぞれ承認され、第XIII条の規定にもとづき1959年5月28日に発効した。

以上を証するため、国際原子力機関事務局長と世界保健機関事務局長は、本協定の英文と仏文による等しく真正なる定本2部に署名した。

国際原子力機関を代表して:(署名)スターリング・コール 1959年7月13日
世界保健機関を代表して:(署名)M. G. キャンドーの代理としてP. ドロール 1959年7月24日

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仮訳:真下俊樹(日本消費者連盟)

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