2012/05/24

福島大学の教員有志、内部被ばくを考えるシンポジウム開催

シンポジウム:福島大の教員有志、内部被ばくを考える /福島
(毎日新聞 2012年05月24日 地方版)

 福島大の教員有志で作る「放射線副読本研究会」は23日、福島市の同大で、内部被ばくについて考えるシンポジウムを開いた。研究会は、震災後に国が作った放射線教育の副読本に、福島第1原発事故についての記述が無いことに疑問を抱いた教員17人で構成。「大学当局が安全性に楽観的だ」として、空間線量が下がり、警戒感が薄れつつある学生に注意を呼びかけた。

 琉球大の矢ケ崎克馬名誉教授や同大教員が順次講演した。内部被ばくについて矢ケ崎名誉教授は「体内に取り込んだ放射性物質のアルファ線は、局所的に強い影響を与える可能性がある」と指摘、マスク着用や食品に注意する必要性を説いた。行政政策学類の塩谷弘康教授は震災後の大学側の危機管理体制に疑問を投げかけた。昨年5月の授業の再開まで「内部被ばくを考慮することなく、モニタリング以外の防護策を取らずに再開を急いだのは学生の安全軽視ではないか」と指摘した。

 行政政策学類2年の鹿又暁さん(20)は「食事や空気中のちりで内部被ばくするリスクを考えていなかった。マスクを着用するようにしたい」と話した。【深津誠】


WHOが被ばく線量推計、福島2カ所で最大50ミリシーベルト
(2012年5月24日 朝日新聞)

 [ジュネーブ 23日 ロイター]世界保健機関(WHO)は23日、東京電力福島第1原子力発電所の事故を受けて、住民の被ばく線量を推定した報告書を発表した。

 専門家らによると、全身の被ばく線量が最も高かったのは、福島県浪江町と飯舘村の2カ所で10─50ミリシーベルト。このほかの同県全域では1─10ミリシーベルト、日本のほぼ全域では0.1─1ミリシーベルトだった。

 WHOによると、全身被ばく線量が100ミリシーベルトを超える場合、がんのリスクが高まるという。

 一方、幼児の甲状腺の被ばく線量は、浪江町で100─200ミリシーベルトだった。

 報告書は、日本政府が震災後から昨年9月までに公表した、大気や土壌、水や食物に含まれる放射性物質の濃度を基に作成された。


★上記記事に対する中村のコメント

※コメント1
上記「WHOによると、全身被ばく線量が100ミリシーベルトを超える場合、がんのリスクが高まる」というのは、WHO独自の見解であり、国際的な常識は違っている。

(1)ノーベル平和賞の「社会的責任を果たすための医師団」が警告
(2011/04/16 風の便り)から抜粋

◆米国科学アカデミーによれば、安全な放射能の線量というものはない。過去数十年にわたる研究から、放射線はどんなに少ない線量でも、個々人の発がんリスクを高めることがはっきりと示されている。

◆日本で危機が続く中、人に発がんの危険が生じるのは最低100ミリシーベルト(mSv)被曝したときだという報道が様々なメディアでますます多くなされるようになっている。これまでの研究で確立された知見に照らしてみると、この主張は誤りであることがわかる。100 mSv の線量を受けたときの発がんリスクは100人に1人、10 mSv では1000人に1人、そして1 mSV でも1万人に1人である。


(2)低線量被曝でも発がんリスク
―米科学アカデミーが「放射線に、安全な量はない」と結論―

(2005/8/22 原子力資料情報室)から抜粋

 米国科学アカデミーは、「放射線被曝には、これ以下なら安全」といえる量はないという内容のBEIR-VII(Biological Effects of Ionizing Radiation-VII、電離放射線の生物学的影響に関する第7報告)を発表した(http://books.nap.edu/catalog/11340.html)。報告書は、放射線被曝は低線量でも発がんリスクがあり、放射線業務従事者の線量限度である5年間で100ミリシーベルトの被曝でも約1%の人が放射線に起因するがんになる、とまとめている。

 また、BEIR委員でもあり、仏リヨンにある国際がん研究機関所属のE.カーディスらが中心になってまとめた15カ国の原子力施設労働者の調査が、「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」誌2005年6月29日号に掲載された。この調査でも、線量限度以下の低線量被曝で、がん死のリスクが高まることが明らかになった。

全文


※コメント2
放射能の被害に関するWHOの見解が「異常に過小評価されている」のは何故か?
その答えのヒントが以下の2つの動画で話されている。

(1)真実はどこに?―WHOとIAEA 放射能汚染を巡って
(2012/05/24 風の便り)

(2)IAEA(国際原子力機関)とWHO(世界保健機関)疑惑の協定
(2011/09/17 風の便り)

「チェルノブイリ・百万人の犠牲者」
http://www.universalsubtitles.org/ja/videos/zzyKyq4iiV3r/info/chernobyl-a-million-casualties/

「書き起こし」から関連部分を抜粋します

司会のカール・グロスマンです。
来る4月26日でチェルノブイリの原発事故からまる25年になります。
今日は ちょうど出版された大事な本「チェルノブイリ:大惨事の人と環境に与える影響」について取り上げていきます。

この本は公開された医学的データに基づき事故の起きた1986年から2004年までに98万5千人が亡くなったとしています。死者数はさらに増え続けています。

スタジオにはジャネット・シャーマン博士をお迎えしています。ジャネット博士はこの本の編者でもあります。著者はアレクセイ・ヤブロコフ博士とベラルーシ出身のバシリー・ネステレンコ博士そしてアレクセイ・ネステレンコ博士です。

Q,チェルノブイリ原発事故の死者は100万人ということですが死因は何でしょう?

癌、心臓病、脳障害や甲状腺ガンなど死因はさまざまでした。
何より多くの子供達が死にました。胎内死亡、又は生後の先天性障害です。

Q,科学者たちが98万5千という死者数を特定した方法は?

これは公開されている医学的データを基にしています。原子力を規制・奨励する国際機関である国際原子力機関(IAEA)はチェルノブイリの死者数を約4千人とホームページで発表しています。

Q,これは本に発表されている98万5千人と大きく異なるのはなぜでしょう?

IAEAが発表したチェルノブイリフォーラムという調査書は350の論文に基づき英文で公開されている資料でしたが、ヤブロコフ博士とネステレンコ博士たちは5千以上の論文を基にしています。

それは英文の論文に限りませんでした。また実際に現場にいた人達の声を基にしています。現場にいたのは医師、科学者、獣医師、保健師など地域の人々の病状を見ていた人たちです。

Q,この本によりますと、世界保健機関(WHO)でさえチェルノブイリの真実を語っていないと批判していますね。WHOはIAEAと協定を結んでおり発表することができないとのことですが、それについて説明していただけますか?

1959年に結ばれた協定は、それ以来変わっていません。
一方がもう一方の承諾を得ることなしに調査書を発表することを禁じています。WHOはIAEAの許可なしには調査書を発表できないのです。

IAEAは、世界中の原子力の規制だけではなく原子力の促進を行う機関でもありますからね。当然、WHOに「原子力は健康に有害だ」と言われては困るわけです。こうした協定を終結すべきです。協定は破棄されるべきです。

国際原子力機関(IAEA)と世界保健機関(WHO)の間の協定

第I条 協力と協議

1. 国際原子力機関と世界保健機関は、国際連合憲章で確立された全般的枠組みの中で、両機関それぞれの憲章に明記されている目的の効果的な達成を促すために、相互に緊密な協力の下に行動し、共通の関心事について定期的に協議することに合意する。

2. 世界保健機関憲章と国際原子力機関憲章、および国際連合との協定、またそれに関係する書簡の交換にもとづいて、また両機関それぞれの連携責任を勘案し、世界保健機関は、とくに、国際原子力機関が全世界の原子力平和利用の研究開発と実用化を促進、支援および調整する一義的責任を負うことを認める。ただし、これは研究を含むあらゆる面での国際的な保健活動を促進、開発および支援に携わる世界保健機関の権利を毀損するものではない。

3. いずれかの機関が、他方の機関が重大な関心を持つか、持つ可能性のある計画または活動を企画するさいには、常に、前者は後者と協議し、相互合意にもとづく調整を図らなければならない。

第II条 相互代表

1. 世界保健機関の代表者は、国際原子力機関の総会に招請され、同総会およびその下位機関(各種委員会等)で行われる審議のうち、世界保健機関が関心をもつ議題について参加するものとする(ただし投票権は持たない)。

2. 国際原子力機関の代表者は、世界保健機関の総会に招請され、同総会およびその下位機関(各種委員会等)で行われる審議のうち、国際原子力機関が関心をもつ議題について参加するものとする(ただし投票権は持たない)。

3. 世界保健機関の代表者は、必要に応じて国際原子力機関理事会に招請され、同理事会およびその各種委員会で行われる審議のうち、世界保健機関が関心をもつ議題について参加するものとする(ただし投票権は持たない)。

4. 国際原子力機関の代表者は、必要に応じて世界保健機関理事会に招請され、同理事会およびその各種委員会で行われる審議のうち、世界保健機関が関心をもつ議題について参加するものとする(ただし投票権は持たない)。

5. 国際原子力機関と世界保健機関それぞれの主催により招集するその他の会合で、他方の機関が関心をもつ事項を協議する際には、相互代表について合意にもとづき適宜取り決めを行うものとする。

第III条 情報と文書の交換

1. 国際原子力機関と世界保健機関は、提供を受けた機密情報の保護のために、何らかの制限を適用する必要があると判断する場合があり得ることを認める。このため両機関は、本協定内のいかなる規定も、その情報を保有する側が、そのような情報を提供した加盟国等の信頼を損ねたり、自らの機関の業務の正常な遂行を阻害する可能性があると判断するような情報の提供を求めていると解釈されてはならないことに合意する。

2. 機密資料の保護のためにこのような取り決めが必要になる場合があり得るとの前提の下で、国際原子力機関事務局と世界保健機関事務局は、双方が関心をもつ可能性のある活動計画や事業計画について充分な情報を相互に提供するものとする。

3. 世界保健機関事務局長と国際原子力機関事務局長、またはその代表者は、いずれかの側から要請があった場合には、相手が関心を持つ可能性のあるそのような特殊情報をいずれかの側が提供することについての協議の場を設けるものとする。

第IV条 議案の提案

こうした予備協議を必要に応じて行った後に、世界保健機関はその総会議案または理事会議案に国際原子力機関が提案した項目を含めなければならない。同様に、国際原子力機関はその総会議案または理事会議案に世界保健機関が提案した項目を含めなければならない。いずれかの側が他方による検討を求めて提出する項目には、説明の覚書を添付しなければならない。

第V条 事務局間の協力

国際原子力機関事務局と世界保健機関事務局は、両機関の事務局長の間で適宜合意される協定にもとづき緊密な業務関係を維持しなければならない。とくに、双方にとって重大な関心のある問題については、適宜合同委員会を招集して検討するものとする。

第VI条 技術上ならびに運営上の協力

1. 国際原子力機関と世界保健機関は、職員と資源の最も効率的な利用と、競合または重複する施設や業務の設置・運営を避ける適切な方法について適宜協議することに合意する。

2. 国際原子力機関と世界保健機関は、国際連合が人事に関する協力を目的として行うあらゆる一般的取り決めの枠内で、両機関が講じる措置に以下のものが含まれることに合意する。

a. それぞれの機関の職員の採用に際して競合を避ける措置、および
b. それぞれの機関の業務を最大限に活用するために適宜一時的または恒常的な職員の交換を促進し、以て関係職員の年功、年金等の権利保護のための必要な規定を定める措置。

第VII条 統計業務

統計の分野では、最大限の協力を行い、情報源となる各国政府その他の機関にかかる負担を最小化することが望ましいことに鑑み、国際原子力機関と世界保健機関は、国際連合が統計に係る協力を目的として行っている一般的取り決めを勘案しつつ、統計の収集、編纂ならびに公表をめぐる両機関の間での無用な重複を避け、統計分野における情報、資源および技術職員の有効活用と、共通の関心事項を扱うすべての統計計画について、相互に協議し合うものとする。

第VIII条 特別業務の財源

いずれかの機関から他方に対して行われた支援要請への応諾が、その要請に応える機関の多額の出費をともなうか、その可能性がある場合は、そのような出費をもっとも公平に負担する方法を決めるために協議を行うものとする。

第IX条 地域事務局および支局

世界保健機関と国際原子力機関は、できる限り、いずれかの機関がすでに設置しているか、将来設置する可能性のある地域事務局および支局の施設、職員および共通の業務を他方の機関が利用することに関する協力準備に入るために、合同の協議を行うことに合意する。

第X条 協定の実施

国際原子力機関事務局長と世界保健機関事務局長は、本協定の実施のために、両機関の業務経験に照らして望ましいと思われる取り決めを行うことができる。

第XI条 国際連合への通知と保管・記録

1. 各機関と国際連合との協定にもとづき、国際原子力機関と世界保健機関は、ただちに国際連合に対して本協定の規定を伝える。

2. 本協定の発効後、本協定はただちに国際連合事務局長に提出され、国際連合の既存の規定にもとづいて保管・記録される。

第XII条 改定と失効

1. 本協定は、世界保健機関と国際原子力機関のいずれかの側からの要請により両機関間の合意により改正することができる。

2. 改正の対象について合意が得られない場合、任意の年の6月30日までにいずれかの側が他方に対して通知を行うことにより、その年の12月31日を以て本協定を失効させることができる。

第XIII条 発効

本協定は、国際原子力機関総会と世界保健機関総会で承認されることにより発効する。

B. 議定書

本協定は、1958年10月1日に国際原子力機関総会で、1959年5月28日に世界保健機関総会でそれぞれ承認され、第XIII条の規定にもとづき1959年5月28日に発効した。

以上を証するため、国際原子力機関事務局長と世界保健機関事務局長は、本協定の英文と仏文による等しく真正なる定本2部に署名した。

国際原子力機関を代表して:(署名)スターリング・コール 1959年7月13日
世界保健機関を代表して:(署名)M. G. キャンドーの代理としてP. ドロール 1959年7月24日

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仮訳:真下俊樹(日本消費者連盟)

真実はどこに?―WHOとIAEA 放射能汚染を巡って

多くの人に見てほしい動画
『真実はどこに?- WHOとIAEA 放射能汚染を巡って』
(原題:Controverses nucleaires)

WHO世界保健機関とIAEA国際原子力機関が共同で開催した、2001年キエフ国際会議の模様を捉えた、とても貴重なドキュメンタリーです。特に福島の原発事故以来、私たちも避けて通れなくなった内部被曝の実態や、その証拠がどのように隠されてきたかを目の当たりにすることが出来ます。

ウラディミール・チェルトコフ(Wladimir Tchertkoff)監督、エマヌエラ・アンドレオリ、ロ マーノ・カヴァッゾニ助監督作品 フェルダ・フィルム、2004年、51分

日本語版制作 Echo Echanges France、りんご野
字幕翻訳 藤原かすみ、藤本智子、辻俊子、コリン・コバヤシ
字幕・ナレーション制作 岩城知子  ナレーション 東陽子

ガレキ焼却は、被災地でも 広域でも 止めましょう

宮城県仙台市の方から以下のメールが届きました。
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 放射性物質に限らず化学物質やアスベストなども大量に含んだ「がれき」を遠くに運んでしかも焼却するのには反対です。しかし、宮城県内で、毎日24時間、燃やされ続けてるのも受け入れがたいことです。

 宮城県の津波被災地域各地では、いま、仮設焼却炉が完成し、順次、フル稼働し始めています。仙台は、県内では例外的に、がれきの分別・リサイクルが早く進み、仮設焼却炉も昨年末から稼働しており、仙台のがれき約150万トンを順調に処理しています(リサイクルしていいのかという大きな問題もありますが)。そして、まず、並行して石巻地区のがれき(木屑を中心に)10万トンを受け入れ、早ければ7月から焼却の予定です。このままでは、どんどん宮城県各地のがれきを仙台が処理する流れではないかと思います。

 仙台の3ヶ所の仮設焼却炉のうち、最大の処理能力(一日300トン)は、若林区荒浜の焼却炉。私の自宅から10キロ離れていません。がれきの広域処理阻止、ではなく、焼却阻止、を言わないと、自分たちの上に、再び降って来る放射性物質が増えるだけなのです。

 地震、津波、原発事故とトリプルで被災した宮城県。私たち自身は、なかなか、がれき処理、ゴミ処理まで声をあげる余裕がありません。

 なぜ、「どうやって処理するか」ではなく「どこで処理するか」に焦点がずれてしまったのだろうと思います。どんな施設でどんなふうに燃やされ、灰が処理されているのか。そもそも燃やしていいのか。

 一緒に考えて頂けたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。
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このブログでも何度か書きましたが、ガレキ焼却は、被災地でも広域でもやめるべきです。焼却しない「がれき処理方法」がいろいろ提案されていて、そのどれもが、今の焼却よりも多くの国民の支持が得られる内容だと思います。

ガレキ焼却は中止して、「処理方法」についての国民的議論が広がることを願っています。


◆災害廃棄物で防波・防潮堤防を!(青山貞一)
(2012年3月22日 独立系メディア E-wave Tokyo)から抜粋

 この政策提言は、欧州諸外国における実例をもとに、日本の廃棄物処理法、沿岸法など現行法とも齟齬がない形で構築が可能であり、費用対効果にも優れた方法であると考えている。

 しかし、東日本大震災の瓦礫の処理に関連し、日本政府(環境省)は、私たちが30年間批判してきた燃やして埋めるやり方を瓦礫に適用しようとしている。

 日本固有の「燃やして埋める方式」は、汚染を大気、水、土に広げるだけで、本質的な問題解決にならないことは間違いない。ましてや低レベルとはいえ放射性物質を含む場合は論外である。これについては諸外国も注目している。

 以下に私たちが提案する防波堤型の瓦礫処理の概念図を以下に示す。

全文


いのちを守る森づくり 〜東日本大震災復興〜


震災がれきを活用、東北に「森の防波堤」を 横国大の宮脇氏に聞く
(2012/2/1 日本経済新聞)から抜粋

 東日本大震災で被災した東北地方の海岸線に「森の防波堤」をつくろう。国内外での植樹活動で知られる植物生態学者、宮脇昭・横浜国立大学名誉教授は森づくりの長い経験に基づくユニークな復興計画を提唱する。森を育てる土台には処分に困っているがれきが使えるという。

 ――震災がれきを活用した「森の防波堤」とは。

 「震災で生じたがれきのほとんどは、家屋などに使われていた廃木材やコンクリートだ。これらはもともと自然が生み出したエコロジカルな『地球資源』だ。捨てたり焼いたりしないで有効に活用すべきだ」

 「海岸部に穴を掘り、がれきと土を混ぜ、かまぼこ状のほっこりしたマウンド(土塁)を築く。そこに、その土地の本来の樹種である潜在自然植生の木を選んで苗を植えていけば、10~20年で防災・環境保全林が海岸に沿って生まれる。この森では個々の樹木は世代交代しても、森全体として9000年は長持ちする持続可能な生態系になる」

 「将来再び巨大な津波が襲来しても、森は津波のエネルギーを吸収する。東北地方の潜在自然植生であるタブノキやカシ、シイ類などは根が真っすぐに深く地下に入る直根性・深根性の木であるため容易に倒れず波砕効果を持つ。背後の市街地の被害を和らげ、引き波に対してはフェンスとなって海に流される人命を救うこともできる」

 ――がれきを使うことに問題はないのですか。

 「がれきを使うことにこそ意味がある。根が浅いマツなどと違って常緑広葉樹は根が深く地中に入る。根は息をしており,生育には土壌の通気性が大事だ。土とがれきを混ぜることで通気性のよい土になる。木材など有機性の廃棄物はゆっくり分解し樹木の養分となる。木の根はセメントのかたまりなどをしっかり抱いて深く安定した根を張る。毒性のあるものやプラスチックなどは事前に取り除いておく」

 「がれきを利用した復興の事例はたくさんある。第2次世界大戦後の復興でドイツやオランダでは公園づくりにがれきを利用した。身近な例では横浜の山下公園は関東大震災のがれきを埋め立てて復興のシンボルにした」

――潜在自然植生の森なら、丈夫で長持ちするということですか。

 「世界各地で植樹活動をしてきたが、世界は日本をじっと見つめている。大災害からどのように立ち直るのか、日本人の力を見定めようとしている。日本人は6000年にわたって守り続けてきた鎮守の森の知恵を生かし、9000年はもつ本物の命の森をつくり、二度と津波で多くの人命が失われないようにしなければならない。世界にも例がない先見的な試みをやってのけたときに、世界の人たちは『さすが日本人』と言うに違いない」

 「現代最高の技術力による備えが自然の力でもろくも崩れることを知った。ギネスブックに載った巨大な防波堤が壊れ、そこを乗り越えた海水が猛烈な勢いで市街地に押し寄せた。地球規模の自然の営みの中で、近代科学の知識はわずかに点と線を押さえているのにすぎない。本物の自然が備える能力を見方につけて、数百年~1000年に1度の自然災害に備えていくことが必要だ」


がれき使って「津波堤防」構想…宮城・岩沼
愛と希望の復興


多くの人に見てほしい 【がれき問題の重要な動画】

 2012年5月17日、東京都千代田区永田町にある参議院議員会館の102号会議室で、「今、一度考える災害がれき広域処理」と題し、青山貞一氏 (環境総合研究所顧問、元-東京都市大学・同大学院教授、環境行政改革フォー ラム代表幹事)に講演を頂いた。

・・・
日本はがれき処理でも「焼却主義」の大愚
青山貞一 元東京都市大学教授
(2012年2月19日、4月17日(拡充)独立系メディア E―waveTokyo)から抜粋

日本の異常な焼却主義
  
 がれき広域処理で全国を回っていて分かったことは、私たちがこの20年近く問題にしてきた、世界に類例がないごみを燃やして埋める日本のごみ処理、すなわちゴミ焼却主義・埋立主義がいかに、日本の国土、大気、水を汚染しているかにある。

 世界の先進国や途上国であってもそれらの国々が、いかにゴミを出さない、そして燃やさない、さらに埋め立てない政策に向かっているなか、日本は国(環境省)主導で膨大な廃棄物を燃やして埋める政策が未だまかり通っている。

 当然のこととして、ゴミを燃やして埋めれば、大気、水、土壌がさまざまな汚染物質、有害物質で汚染されることになる。

 この1年、3.11の被災地の現地を9回つぶさに見て歩き、調査してきた上で言えることは、国の上記の焼却主義・埋立主義という無策の弊害が顕著にでていることだ。

 このまま全国各地で災害廃棄物を焼却すれば、日本全体が放射性物質だけでなく、さまざまな汚染、非意図性有害物質で汚染されることになる。

 もとより、政府が決めた償却可能な災害瓦礫の圧倒的多くは一般廃棄物どころか所沢でかつで燃やしていた 建設廃材以上にプラスチック、金属などさまざまなものが付着している。宮城県北部の気仙沼などでは石油タンク流出に伴い海外では発ガン物質のトップになっているPAH(多環芳香族炭化水素)のもととなる油性分も付着している。

「3.11」が過去の震災・津波と明らかに異なるのは、災害廃棄物(以下単に瓦礫)の量と質のすさまじい多様さにある。

 瓦礫にはコンクリート片、木材等の建材、プラスチック類、金属類、生ごみ(魚類、水産加工物等)、油類など、まさに現代経済社会を反映する多種多様なものが含まれている。

加えて問題解決を困難としているのは、福島原発事故により周辺に拡散した大量の放射性物質が瓦礫、下水汚泥、浄水発生土、通常の焼却炉の焼却残渣(主灰、飛灰など)に高濃度に濃縮され含まれていることである。

 さらに、保管されていた農薬類、PCBを含む化学物質、重油・石油・ガソリンなどの燃料・油類が津波で流出し、海水と共に瓦礫に付着ししみ込んでいる。また古い建築物が破壊され、そこからアスベストが流出している可能性も高い。川や海の底質から高濃度の砒素が検出されているという調査報告もある。

◆日本は世界一のゴミ焼却大国

 もともと日本は人口で約2.5倍、面積で約25倍の米国よりも廃棄物の焼却量が多く、先進諸国のなかで飛び抜けた「焼却主義」をとってきた国である。こうした多種多様な汚染物質が渾然一体となった災害廃棄物を通常の一般廃棄物と同様に全国各地の基礎自治体で焼却処理そして処分することには極めて問題が多い。

◆がれき(災害廃棄物)の焼却・埋立は禍根を残す!

 もとより、廃棄物の焼却は、焼却しない場合と比べて非意図的な有害化学物質が多数生成される。この研究分野の国際的第一人者である宮田秀明大阪工大教授(元摂南大学薬学部教授)によれば、プラスチックを含む廃棄物を焼却すれば、「短時間で1種類の化合物から千種類もの非意図的物質が生成される」と述べている。

 同様のことをゴミ弁護会長の梶山正三弁護士(理学博士)も東京都日の出町広域最終処分場に関して東京地裁八王子支部で開かれた行政訴訟の公判で述べている。

 このようにさまざまな物質が付着、混ざった災害廃棄物を被災地から各地の市町村の焼却炉で安易に焼却処理することは、セシウム137などの放射性物質のみならずダイオキシン類などの有機塩素系化合物、多環芳香族炭化水素類(PAH)、水銀など重金属類、また、がん発生との因果関係が明確となっているアスベストなどを未汚染地しかも人口の超密集地域に広め新たな問題を作り出すことになりかねない。

◆まったく不透明な立法過程と憲法違反の官僚立法

 にもかかわらず環境省は2011年5月以降、非公開の「災害廃棄物安全評価検討会」を重ね、途中からは議事録も公開せず、さらに最新の情報開示では環境省は議事録もつくっていないと情報開示請求をしている鷹取敦氏に通知している。

 環境総合研究所の鷹取敦調査部長による一連の論考を見て欲しい。科学的根拠がない、あるいは乏しいことを無理矢理強行しようとするから国の検討会を非公開にし、議事録を出さず、あげくの果ては録音をせず、議事録をつくっていないなどと鷹取氏の正規の開示請求に「堂々」と回答してきているのである。

 まさに設置、委員選任などまったく正当性がない検討会が、非公開できわめて重要な事項を審理し、その結果を細野大臣らが国民や基礎自治体に押しつけるという、民主主義国家であるまじき対応、態度である。

 この検討会はどうみても非科学的なことを国民や住民に押しつける、いわば政治家がすることをしているのである。こんな環境省に原子力規制庁を設置しても到底国民の理解など得られるはずもない。


重要な記事です。ぜひ、全文をお読み下さい。


がれき受け入れ提言に対する徳島県の回答から抜粋
(2012-03-15 徳島県 目安箱)
60歳 男性
タイトル:放射線が怖い? いいえ本当に怖いのは無知から来る恐怖

 東北がんばれ!!それってただ言葉だけだったのか?東北の瓦礫は今だ5%しか処理されていない。東京、山形県を除く日本全国の道府県そして市民が瓦礫搬入を拒んでいるからだ。ただ放射能が怖いと言う無知から来る身勝手な言い分で、マスコミの垂れ流した風評を真に受けて、自分から勉強もせず大きな声で醜い感情を露わにして反対している人々よ、恥を知れ!!
 徳島県の市民は、自分だけ良ければいいって言う人間ばっかりなのか。声を大にして正義を叫ぶ人間はいないのか? 情け無い君たち東京を見習え。

 【環境整備課からの回答】から抜粋
 貴重なご意見ありがとうございます。せっかくの機会でございますので、徳島県としての見解を述べさせていただきます。
 
 徳島県や県内のいくつかの市町村は,協力できる部分は協力したいという思いで,国に対し協力する姿勢を表明しておりました。しかしながら,現行の法体制で想定していなかった放射能を帯びた震災がれきも発生していることから,その処理について,国においては1kgあたり8000ベクレルまでは全国において埋立処分できるといたしました。
(なお,徳島県においては,放射能を帯びた震災がれきは,国の責任で,国において処理すべきであると政策提言しております。)

 放射性物質については、封じ込め、拡散させないことが原則であり、その観点から、東日本大震災前は、IAEAの国際的な基準に基づき、放射性セシウム濃度が1kgあたり100ベクレルを超える場合は、特別な管理下に置かれ、低レベル放射性廃棄物処分場に封じ込めてきました。(クリアランス制度)

 ところが、国においては、東日本大震災後、当初、福島県内限定の基準として出された8,000ベクレル(従来の基準の80倍)を、その十分な説明も根拠の明示もないまま、広域処理の基準にも転用いたしました。
(したがって、現在、原子力発電所の事業所内から出た廃棄物は、100ベクレルを超えれば、低レベル放射性廃棄物処分場で厳格に管理されているのに、事業所の外では、8000ベクレルまで、東京都をはじめとする東日本では埋立処分されております。

 ひとつ、お考えいただきたいのは、この8000ベクレルという水準は国際的には低レベル放射性廃棄物として、厳格に管理されているということです。

 例えばフランスやドイツでは、低レベル放射性廃棄物処分場は、国内に1カ所だけであり、しかも鉱山の跡地など、放射性セシウム等が水に溶出して外部にでないように、地下水と接触しないように、注意深く保管されています

 また、群馬県伊勢崎市の処分場では1キロ当たり1800ベクレルという国の基準より、大幅に低い焼却灰を埋め立てていたにもかかわらず、大雨により放射性セシウムが水に溶け出し、排水基準を超えたという報道がございました。

 徳島県としては、県民の安心・安全を何より重視しなければならないことから、一度、生活環境上に流出すれば、大きな影響のある放射性物質を含むがれきについて、十分な検討もなく受け入れることは難しいと考えております。


関連記事◆東北でも広域でも、ガレキを焼却することが大問題◆

【放射能に汚染された森を必死に消火する国】と【ガレキを焼却する国】
(2012/05/21 風の便り)から抜粋

福島原発事故の前年2010年に起きたロシアの森林火災で、ロシアの非常事態省は、チェルノブイリ原発事故で汚染された森林の「放射性物質の拡散防止」のため消火に全力を挙げた。今、日本の環境省は、全国に「放射性物質の拡散」を進め、ガレキの焼却に全力を挙げている。

しかもガレキには、放射性物質のみならずダイオキシン類などの有機塩素系化合物、多環芳香族炭化水素類(PAH)、水銀など重金属類、また、がん発生との因果関係が明確となっているアスベストなどが含まれている可能性が高いが、その調査も環境省は行っていない。

ロシア、放射能汚染地消火に全力 森林火災拡大で非常事態省
(2010/08/06 共同通信)

 【モスクワ共同】記録的猛暑による森林火災が拡大しているロシアで、1986年に旧ソ連ウクライナ共和国で起きたチェルノブイリ原発事故による放射性物質で汚染された西部ブリャンスク州でも6日までに森林火災が発生。汚染物質の拡散防止のため非常事態省が消火に全力を挙げている。

 タス通信によると、ショイグ非常事態相は5日、原発事故による汚染がひどかったウクライナ国境のブリャンスク州西部ノボズイプコフ地区で森林火災が拡大すると、汚染物質が再び大気中に拡散し汚染地域が拡大する恐れがあると指摘。延焼を食い止めなければならないと強調した。

ガレキ焼却は、被災地でも広域でもやめるべきです。

宮城県仙台市の方から以下のメールが届きました。
とても重要な内容なので、ご本人の了承を得て転載します。

————————
 放射性物質に限らず化学物質やアスベストなども大量に含んだ「がれき」を遠くに運んでしかも焼却するのには反対です。しかし、宮城県内で、毎日24時間、燃やされ続けてるのも受け入れがたいことです。

 宮城県の津波被災地域各地では、いま、仮設焼却炉が完成し、順次、フル稼働し始めています。仙台は、県内では例外的に、がれきの分別・リサイクルが早く進み、仮設焼却炉も昨年末から稼働しており、仙台のがれき約150万トンを順調に処理しています(リサイクルしていいのかという大きな問題もありますが)。そして、まず、並行して石巻地区のがれき(木屑を中心に)10万トンを受け入れ、早ければ7月から焼却の予定です。このままでは、どんどん宮城県各地のがれきを仙台が処理する流れではないかと思います。

 仙台の3ヶ所の仮設焼却炉のうち、最大の処理能力(一日300トン)は、若林区荒浜の焼却炉。私の自宅から10キロ離れていません。がれきの広域処理阻止、ではなく、焼却阻止、を言わないと、自分たちの上に、再び降って来る放射性物質が増えるだけなのです。

 地震、津波、原発事故とトリプルで被災した宮城県。私たち自身は、なかなか、がれき処理、ゴミ処理まで声をあげる余裕がありません。

 なぜ、「どうやって処理するか」ではなく「どこで処理するか」に焦点がずれてしまったのだろうと思います。どんな施設でどんなふうに燃やされ、灰が処理されているのか。そもそも燃やしていいのか。

 一緒に考えて頂けたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。
————————

このブログでも何度か書きましたが、ガレキ焼却は、被災地でも広域でもやめるべきです。焼却しない「がれき処理方法」がいろいろ提案されていて、そのどれもが、今の焼却よりも多くの国民の支持が得られる内容だと思います。

ガレキ焼却は中止して、「処理方法」についての国民的議論が広がることを願っています。


◆災害廃棄物で防波・防潮堤防を!(青山貞一)
(2012年3月22日 独立系メディア E-wave Tokyo)から抜粋

 この政策提言は、欧州諸外国における実例をもとに、日本の廃棄物処理法、沿岸法など現行法とも齟齬がない形で構築が可能であり、費用対効果にも優れた方法であると考えている。

 しかし、東日本大震災の瓦礫の処理に関連し、日本政府(環境省)は、私たちが30年間批判してきた燃やして埋めるやり方を瓦礫に適用しようとしている。

 日本固有の「燃やして埋める方式」は、汚染を大気、水、土に広げるだけで、本質的な問題解決にならないことは間違いない。ましてや低レベルとはいえ放射性物質を含む場合は論外である。これについては諸外国も注目している。

 以下に私たちが提案する防波堤型の瓦礫処理の概念図を以下に示す。

全文


震災がれきを活用、東北に「森の防波堤」を 横国大の宮脇氏に聞く
(2012/2/1 日本経済新聞)

 東日本大震災で被災した東北地方の海岸線に「森の防波堤」をつくろう。国内外での植樹活動で知られる植物生態学者、宮脇昭・横浜国立大学名誉教授は森づくりの長い経験に基づくユニークな復興計画を提唱する。森を育てる土台には処分に困っているがれきが使えるという。

 ――震災がれきを活用した「森の防波堤」とは。

 「震災で生じたがれきのほとんどは、家屋などに使われていた廃木材やコンクリートだ。これらはもともと自然が生み出したエコロジカルな『地球資源』だ。捨てたり焼いたりしないで有効に活用すべきだ」

 「海岸部に穴を掘り、がれきと土を混ぜ、かまぼこ状のほっこりしたマウンド(土塁)を築く。そこに、その土地の本来の樹種である潜在自然植生の木を選んで苗を植えていけば、10~20年で防災・環境保全林が海岸に沿って生まれる。この森では個々の樹木は世代交代しても、森全体として9000年は長持ちする持続可能な生態系になる」

 「将来再び巨大な津波が襲来しても、森は津波のエネルギーを吸収する。東北地方の潜在自然植生であるタブノキやカシ、シイ類などは根が真っすぐに深く地下に入る直根性・深根性の木であるため容易に倒れず波砕効果を持つ。背後の市街地の被害を和らげ、引き波に対してはフェンスとなって海に流される人命を救うこともできる」

 ――タブノキなどは常緑広葉樹ですが、東北地方の海岸で育つのですか。

 「人の手が加わらない自然の森を形づくる樹種を潜在自然植生と呼ぶ。岩手県釜石の北までタブノキなどの常緑広葉樹が自生できる環境だ。日本人が農耕生活を始める以前には常緑広葉樹の森があった。私たちの祖先が定住生活を始め耕作地をたくさん必要にするようになったため古来の森を伐採した。また古い森を伐採した後にスギやヒノキなどを植林したりもした」

 「しかし賢明であったのは、土地本来の森を全部なくしてしまわずに一部を残してきたことだ。各地に残る鎮守の森こそ日本の潜在自然植生を残した森だ。タブやカシ、シイを主木とし、ヤブツバキやシロダモ、ヤツデなど様々な樹種が混在して育つ多様性の高い森だ。東北の海岸線に南北300~400キロ、幅30~100メートルほどの鎮守の森を再生できれば、緑の防波堤となるだけでなく、鎮魂の場にもなり、後世の人々が緑を満喫できる自然公園にもなる」

 ――がれきを使うことに問題はないのですか。

 「がれきを使うことにこそ意味がある。根が浅いマツなどと違って常緑広葉樹は根が深く地中に入る。根は息をしており,生育には土壌の通気性が大事だ。土とがれきを混ぜることで通気性のよい土になる。木材など有機性の廃棄物はゆっくり分解し樹木の養分となる。木の根はセメントのかたまりなどをしっかり抱いて深く安定した根を張る。毒性のあるものやプラスチックなどは事前に取り除いておく」

 「津波で海岸の松林が流された例が多く報告されている。マツは根が浅くひとたまりもない。倒木が流されて家を破壊した。震災後に現地を調べてまわったが、鎮守の森が波を食い止めた例がいくつかある。マツは日当たりのよい場所で早く育つが、自然のままに500年も放置されれば松林はやがて常緑広葉樹の森に変わっていく。白砂青松の松林を愛し利用してきた人間の営みによって、日本の海岸では長年、松林が人為的に維持されてきたが、津波への備えにはならないことがはっきりした」

 「がれきを利用した復興の事例はたくさんある。第2次世界大戦後の復興でドイツやオランダでは公園づくりにがれきを利用した。身近な例では横浜の山下公園は関東大震災のがれきを埋め立てて復興のシンボルにした」

 ――潜在自然植生の森なら、丈夫で長持ちするということですか。

 「世界各地で植樹活動をしてきたが、世界は日本をじっと見つめている。大災害からどのように立ち直るのか、日本人の力を見定めようとしている。日本人は6000年にわたって守り続けてきた鎮守の森の知恵を生かし、9000年はもつ本物の命の森をつくり、二度と津波で多くの人命が失われないようにしなければならない。世界にも例がない先見的な試みをやってのけたときに、世界の人たちは『さすが日本人』と言うに違いない」

 「現代最高の技術力による備えが自然の力でもろくも崩れることを知った。ギネスブックに載った巨大な防波堤が壊れ、そこを乗り越えた海水が猛烈な勢いで市街地に押し寄せた。地球規模の自然の営みの中で、近代科学の知識はわずかに点と線を押さえているのにすぎない。本物の自然が備える能力を見方につけて、数百年~1000年に1度の自然災害に備えていくことが必要だ」

 ■取材を終えて
 宮脇さんを「4000万本の木を植えた人」と呼ぶ人もいる。日本国内各地や中国、インドネシア、ブラジル、アフリカなどで植樹による森林の回復に力を尽くしてきた。その手法はインタビューの中でも再三言及された「潜在自然植生」という考え方に基づく。本来その土地で持続的に育つ樹種を選び出し多数の樹種を群生させることによって、人の手入れがなくても長期に存続する森を目指す。
 国内では三菱商事や新日本製鉄、横浜ゴム、トヨタ自動車などの企業が工場や自社の土地の緑化に「宮脇方式」を採用している。また東日本大震災後は、千葉県浦安市の松崎秀樹市長が宮脇さんを招き、その指導の下で海岸線に「緑の防波堤」づくりを始めている。


がれき使って「津波堤防」構想…宮城・岩沼
愛と希望の復興

2012/05/23

多くの人に見てほしい 【がれき問題の重要な動画】

がれき問題の重要な動画です。ぜひ多くの人に見てほしい動画です。

青山貞一環境総合研究所顧問「北九州市が検討会に出している資料を見ると岩手からのガレキが28ベクレル/kgと書いてあります。28ベクレルなんていうのは、非科学的もいいところで、私の簡単な計算でも最低100、多ければ1000を超す値がでます。これは、実際に私が現地に行って計ったデータを基にしてます。

これを見て下さい。(文部科学省、米国エネルギー省の航空機モニタリングの汚染数値で色分けした地図)宮城でも岩手でも(青い色レベルの汚染がある。28ベクレルといった)決してバカ低いわけではなく、当然、それなりの値があります」

・・・
 青山貞一です。 以下は、5月17日に参議院議員会館102号会議室で行った
「今、もう一度考える災害がれき広域処理」をテーマにした緊急議員学習会の全容です。使ったパワーポイントをすべて埋め込んでいるので、ほぼ全部の内容が画面で確認できます。

◆青山貞一:今、もう一度考える災害がれき広域処理(参院議員会館)

 2012年5月17日、東京都千代田区永田町にある参議院議員会館の102号会議室で、「今、一度考える災害がれき広域処理」と題し、青山貞一氏 (環境総合研究所顧問、元-東京都市大学・同大学院教授、環境行政改革フォー ラム代表幹事)に講演を頂いた。

・・・
関連記事◆東北でも広域でも、ガレキを焼却することが大問題◆

【放射能に汚染された森を必死に消火する国】と【ガレキを焼却する国】
(2012/05/21 風の便り)から抜粋

福島原発事故の前年2010年に起きたロシアの森林火災で、ロシアの非常事態省は、チェルノブイリ原発事故で汚染された森林の「放射性物質の拡散防止」のため消火に全力を挙げた。今、日本の環境省は、全国に「放射性物質の拡散」を進め、ガレキの焼却に全力を挙げている。

しかもガレキには、放射性物質のみならずダイオキシン類などの有機塩素系化合物、多環芳香族炭化水素類(PAH)、水銀など重金属類、また、がん発生との因果関係が明確となっているアスベストなどが含まれている可能性が高いが、その調査も環境省は行っていない。

ロシア、放射能汚染地消火に全力 森林火災拡大で非常事態省
(2010/08/06 共同通信)

 【モスクワ共同】記録的猛暑による森林火災が拡大しているロシアで、1986年に旧ソ連ウクライナ共和国で起きたチェルノブイリ原発事故による放射性物質で汚染された西部ブリャンスク州でも6日までに森林火災が発生。汚染物質の拡散防止のため非常事態省が消火に全力を挙げている。

 タス通信によると、ショイグ非常事態相は5日、原発事故による汚染がひどかったウクライナ国境のブリャンスク州西部ノボズイプコフ地区で森林火災が拡大すると、汚染物質が再び大気中に拡散し汚染地域が拡大する恐れがあると指摘。延焼を食い止めなければならないと強調した。


日本はがれき処理でも「焼却主義」の大愚
青山貞一 元東京都市大学教授
(独立系メディア E―wave Tokyo)から抜粋

日本の異常な焼却主義
  
 がれき広域処理で全国を回っていて分かったことは、私たちがこの20年近く問題にしてきた、世界に類例がないごみを燃やして埋める日本のごみ処理、すなわちゴミ焼却主義・埋立主義がいかに、日本の国土、大気、水を汚染しているかにある。

 世界の先進国や途上国であってもそれらの国々が、いかにゴミを出さない、そして燃やさない、さらに埋め立てない政策に向かっているなか、日本は国(環境省)主導で膨大な廃棄物を燃やして埋める政策が未だまかり通っている。

 当然のこととして、ゴミを燃やして埋めれば、大気、水、土壌がさまざまな汚染物質、有害物質で汚染されることになる。

 この1年、3.11の被災地の現地を9回つぶさに見て歩き、調査してきた上で言えることは、国の上記の焼却主義・埋立主義という無策の弊害が顕著にでていることだ。

 このまま全国各地で災害廃棄物を焼却すれば、日本全体が放射性物質だけでなく、さまざまな汚染、非意図性有害物質で汚染されることになる。

 もとより、政府が決めた償却可能な災害瓦礫の圧倒的多くは一般廃棄物どころか所沢でかつで燃やしていた 建設廃材以上にプラスチック、金属などさまざまなものが付着している。宮城県北部の気仙沼などでは石油タンク流出に伴い海外では発ガン物質のトップになっているPAH(多環芳香族炭化水素)のもととなる油性分も付着している。

「3.11」が過去の震災・津波と明らかに異なるのは、災害廃棄物(以下単に瓦礫)の量と質のすさまじい多様さにある。

 瓦礫にはコンクリート片、木材等の建材、プラスチック類、金属類、生ごみ(魚類、水産加工物等)、油類など、まさに現代経済社会を反映する多種多様なものが含まれている。

加えて問題解決を困難としているのは、福島原発事故により周辺に拡散した大量の放射性物質が瓦礫、下水汚泥、浄水発生土、通常の焼却炉の焼却残渣(主灰、飛灰など)に高濃度に濃縮され含まれていることである。

 さらに、保管されていた農薬類、PCBを含む化学物質、重油・石油・ガソリンなどの燃料・油類が津波で流出し、海水と共に瓦礫に付着ししみ込んでいる。また古い建築物が破壊され、そこからアスベストが流出している可能性も高い。川や海の底質から高濃度の砒素が検出されているという調査報告もある。

◆日本は世界一のゴミ焼却大国

 もともと日本は人口で約2.5倍、面積で約25倍の米国よりも廃棄物の焼却量が多く、先進諸国のなかで飛び抜けた「焼却主義」をとってきた国である。こうした多種多様な汚染物質が渾然一体となった災害廃棄物を通常の一般廃棄物と同様に全国各地の基礎自治体で焼却処理そして処分することには極めて問題が多い。

◆がれき(災害廃棄物)の焼却・埋立は禍根を残す!

 もとより、廃棄物の焼却は、焼却しない場合と比べて非意図的な有害化学物質が多数生成される。この研究分野の国際的第一人者である宮田秀明大阪工大教授(元摂南大学薬学部教授)によれば、プラスチックを含む廃棄物を焼却すれば、「短時間で1種類の化合物から千種類もの非意図的物質が生成される」と述べている。

 同様のことをゴミ弁護会長の梶山正三弁護士(理学博士)も東京都日の出町広域最終処分場に関して東京地裁八王子支部で開かれた行政訴訟の公判で述べている。

 このようにさまざまな物質が付着、混ざった災害廃棄物を被災地から各地の市町村の焼却炉で安易に焼却処理することは、セシウム137などの放射性物質のみならずダイオキシン類などの有機塩素系化合物、多環芳香族炭化水素類(PAH)、水銀など重金属類、また、がん発生との因果関係が明確となっているアスベストなどを未汚染地しかも人口の超密集地域に広め新たな問題を作り出すことになりかねない。

◆まったく不透明な立法過程と憲法違反の官僚立法

 にもかかわらず環境省は2011年5月以降、非公開の「災害廃棄物安全評価検討会」を重ね、途中からは議事録も公開せず、さらに最新の情報開示では環境省は議事録もつくっていないと情報開示請求をしている鷹取敦氏に通知している。

 環境総合研究所の鷹取敦調査部長による一連の論考を見て欲しい。科学的根拠がない、あるいは乏しいことを無理矢理強行しようとするから国の検討会を非公開にし、議事録を出さず、あげくの果ては録音をせず、議事録をつくっていないなどと鷹取氏の正規の開示請求に「堂々」と回答してきているのである。

 まさに設置、委員選任などまったく正当性がない検討会が、非公開できわめて重要な事項を審理し、その結果を細野大臣らが国民や基礎自治体に押しつけるという、民主主義国家であるまじき対応、態度である。

 この検討会はどうみても非科学的なことを国民や住民に押しつける、いわば政治家がすることをしているのである。こんな環境省に原子力規制庁を設置しても到底国民の理解など得られるはずもない。


重要な記事です。ぜひ、全文をお読み下さい。


がれき受け入れ提言に対する徳島県の回答から抜粋
(2012-03-15 徳島県 目安箱)
60歳 男性
タイトル:放射線が怖い? いいえ本当に怖いのは無知から来る恐怖

 東北がんばれ!!それってただ言葉だけだったのか?東北の瓦礫は今だ5%しか処理されていない。東京、山形県を除く日本全国の道府県そして市民が瓦礫搬入を拒んでいるからだ。ただ放射能が怖いと言う無知から来る身勝手な言い分で、マスコミの垂れ流した風評を真に受けて、自分から勉強もせず大きな声で醜い感情を露わにして反対している人々よ、恥を知れ!!
 徳島県の市民は、自分だけ良ければいいって言う人間ばっかりなのか。声を大にして正義を叫ぶ人間はいないのか? 情け無い君たち東京を見習え。

 【環境整備課からの回答】から抜粋
 貴重なご意見ありがとうございます。せっかくの機会でございますので、徳島県としての見解を述べさせていただきます。
 
 徳島県や県内のいくつかの市町村は,協力できる部分は協力したいという思いで,国に対し協力する姿勢を表明しておりました。しかしながら,現行の法体制で想定していなかった放射能を帯びた震災がれきも発生していることから,その処理について,国においては1kgあたり8000ベクレルまでは全国において埋立処分できるといたしました。
(なお,徳島県においては,放射能を帯びた震災がれきは,国の責任で,国において処理すべきであると政策提言しております。)

 放射性物質については、封じ込め、拡散させないことが原則であり、その観点から、東日本大震災前は、IAEAの国際的な基準に基づき、放射性セシウム濃度が1kgあたり100ベクレルを超える場合は、特別な管理下に置かれ、低レベル放射性廃棄物処分場に封じ込めてきました。(クリアランス制度)

 ところが、国においては、東日本大震災後、当初、福島県内限定の基準として出された8,000ベクレル(従来の基準の80倍)を、その十分な説明も根拠の明示もないまま、広域処理の基準にも転用いたしました。
(したがって、現在、原子力発電所の事業所内から出た廃棄物は、100ベクレルを超えれば、低レベル放射性廃棄物処分場で厳格に管理されているのに、事業所の外では、8000ベクレルまで、東京都をはじめとする東日本では埋立処分されております。

 ひとつ、お考えいただきたいのは、この8000ベクレルという水準は国際的には低レベル放射性廃棄物として、厳格に管理されているということです。

 例えばフランスやドイツでは、低レベル放射性廃棄物処分場は、国内に1カ所だけであり、しかも鉱山の跡地など、放射性セシウム等が水に溶出して外部にでないように、地下水と接触しないように、注意深く保管されています

 また、群馬県伊勢崎市の処分場では1キロ当たり1800ベクレルという国の基準より、大幅に低い焼却灰を埋め立てていたにもかかわらず、大雨により放射性セシウムが水に溶け出し、排水基準を超えたという報道がございました。

 徳島県としては、県民の安心・安全を何より重視しなければならないことから、一度、生活環境上に流出すれば、大きな影響のある放射性物質を含むがれきについて、十分な検討もなく受け入れることは難しいと考えております。

2012/05/21

宮城県、がれき広域処理が必要な量 3分の1に修正

宮城 がれき推計量を大幅減に
(5月21日 4時57分 NHK)

震災で発生したがれきの推計量について、宮城県ではこれまでよりも大幅に少なくなることが分かり、がれきの「広域処理」が必要な量を当初の3分の1のおよそ110万トンに修正する方針を固めました。
これに伴って宮城県は、まだ受け入れを決めていない自治体の協力が必要かどうか検討し直すことにしています。

宮城県では、震災で23年分の処理量に当たる1820万トンのがれきが県内で発生したと推計し、このうち344万トンは被災地以外で処理してもらう「広域処理」が必要だとしてきました。
ところが、最も発生量が多い石巻市周辺のがれきの量が大幅に減るなどして、推計量はこれまでよりおよそ400万トン少なくなることが分かりました。

理由について宮城県は、多くのがれきが海に流れ出たことや、家を修復して住む人が多く、解体する家屋の数が予想よりも少なくなったためではないかとしています。このため宮城県は、広域処理が必要ながれきの量を当初の344万トンから3分の1のおよそ110万トンに修正する方針を固めました。

宮城県では、東京都や山形市などすでに受け入れを始めたり、北九州市など受け入れを固めたりしている自治体には引き続き広域処理を依頼するものの、まだ決めていない自治体には新たに協力が必要かどうか検討し直すことにしています。

【放射能に汚染された森を必死に消火する国】と【ガレキを焼却する国】

福島原発事故の前年2010年に起きたロシアの森林火災で、ロシアの非常事態省は、チェルノブイリ原発事故で汚染された森林の「放射性物質の拡散防止」のため消火に全力を挙げた。今、日本の環境省は、全国に「放射性物質の拡散」を進め、ガレキの焼却に全力を挙げている。

しかもガレキには、放射性物質のみならずダイオキシン類などの有機塩素系化合物、多環芳香族炭化水素類(PAH)、水銀など重金属類、また、がん発生との因果関係が明確となっているアスベストなどが含まれている可能性が高いが、その調査も環境省は行っていない。

ロシア、放射能汚染地消火に全力 森林火災拡大で非常事態省
(2010/08/06 共同通信)

 【モスクワ共同】記録的猛暑による森林火災が拡大しているロシアで、1986年に旧ソ連ウクライナ共和国で起きたチェルノブイリ原発事故による放射性物質で汚染された西部ブリャンスク州でも6日までに森林火災が発生。汚染物質の拡散防止のため非常事態省が消火に全力を挙げている。

 同国保健社会発展省によると、ロシアで森林火災に巻き込まれ死亡した人は、6日までに52人に達した。

 タス通信によると、ショイグ非常事態相は5日、原発事故による汚染がひどかったウクライナ国境のブリャンスク州西部ノボズイプコフ地区で森林火災が拡大すると、汚染物質が再び大気中に拡散し汚染地域が拡大する恐れがあると指摘。延焼を食い止めなければならないと強調した。

 既に2カ所で森林火災が起きたが、短時間で消し止めたという。

 インタファクス通信によると、世界自然保護基金(WWF)ロシア支部の専門家は6日、同様の危険は近隣のリペツク、カルーガ、トゥーラの各州にもあると指摘した。
2010/08/06 23:31 【共同通信】


日本はがれき処理でも「焼却主義」の大愚
青山貞一 元東京都市大学教授
(独立系メディア E―wave Tokyo)から抜粋

日本の異常な焼却主義
  
 がれき広域処理で全国を回っていて分かったことは、私たちがこの20年近く問題にしてきた、世界に類例がないごみを燃やして埋める日本のごみ処理、すなわちゴミ焼却主義・埋立主義がいかに、日本の国土、大気、水を汚染しているかにある。

 世界の先進国や途上国であってもそれらの国々が、いかにゴミを出さない、そして燃やさない、さらに埋め立てない政策に向かっているなか、日本は国(環境省)主導で膨大な廃棄物を燃やして埋める政策が未だまかり通っている。

 当然のこととして、ゴミを燃やして埋めれば、大気、水、土壌がさまざまな汚染物質、有害物質で汚染されることになる。

 この1年、3.11の被災地の現地を9回つぶさに見て歩き、調査してきた上で言えることは、国の上記の焼却主義・埋立主義という無策の弊害が顕著にでていることだ。

 このまま全国各地で災害廃棄物を焼却すれば、日本全体が放射性物質だけでなく、さまざまな汚染、非意図性有害物質で汚染されることになる。

 もとより、政府が決めた償却可能な災害瓦礫の圧倒的多くは一般廃棄物どころか所沢でかつで燃やしていた 建設廃材以上にプラスチック、金属などさまざまなものが付着している。宮城県北部の気仙沼などでは石油タンク流出に伴い海外では発ガン物質のトップになっているPAH(多環芳香族炭化水素)のもととなる油性分も付着している。

「3.11」が過去の震災・津波と明らかに異なるのは、災害廃棄物(以下単に瓦礫)の量と質のすさまじい多様さにある。

 瓦礫にはコンクリート片、木材等の建材、プラスチック類、金属類、生ごみ(魚類、水産加工物等)、油類など、まさに現代経済社会を反映する多種多様なものが含まれている。

加えて問題解決を困難としているのは、福島原発事故により周辺に拡散した大量の放射性物質が瓦礫、下水汚泥、浄水発生土、通常の焼却炉の焼却残渣(主灰、飛灰など)に高濃度に濃縮され含まれていることである。

 さらに、保管されていた農薬類、PCBを含む化学物質、重油・石油・ガソリンなどの燃料・油類が津波で流出し、海水と共に瓦礫に付着ししみ込んでいる。また古い建築物が破壊され、そこからアスベストが流出している可能性も高い。川や海の底質から高濃度の砒素が検出されているという調査報告もある。

◆日本は世界一のゴミ焼却大国

 もともと日本は人口で約2.5倍、面積で約25倍の米国よりも廃棄物の焼却量が多く、先進諸国のなかで飛び抜けた「焼却主義」をとってきた国である。こうした多種多様な汚染物質が渾然一体となった災害廃棄物を通常の一般廃棄物と同様に全国各地の基礎自治体で焼却処理そして処分することには極めて問題が多い。

◆がれき(災害廃棄物)の焼却・埋立は禍根を残す!

 もとより、廃棄物の焼却は、焼却しない場合と比べて非意図的な有害化学物質が多数生成される。この研究分野の国際的第一人者である宮田秀明大阪工大教授(元摂南大学薬学部教授)によれば、プラスチックを含む廃棄物を焼却すれば、「短時間で1種類の化合物から千種類もの非意図的物質が生成される」と述べている。

 同様のことをゴミ弁護会長の梶山正三弁護士(理学博士)も東京都日の出町広域最終処分場に関して東京地裁八王子支部で開かれた行政訴訟の公判で述べている。

 このようにさまざまな物質が付着、混ざった災害廃棄物を被災地から各地の市町村の焼却炉で安易に焼却処理することは、セシウム137などの放射性物質のみならずダイオキシン類などの有機塩素系化合物、多環芳香族炭化水素類(PAH)、水銀など重金属類、また、がん発生との因果関係が明確となっているアスベストなどを未汚染地しかも人口の超密集地域に広め新たな問題を作り出すことになりかねない。

◆まったく不透明な立法過程と憲法違反の官僚立法

 にもかかわらず環境省は2011年5月以降、非公開の「災害廃棄物安全評価検討会」を重ね、途中からは議事録も公開せず、さらに最新の情報開示では環境省は議事録もつくっていないと情報開示請求をしている鷹取敦氏に通知している。

 環境総合研究所の鷹取敦調査部長による一連の論考を見て欲しい。科学的根拠がない、あるいは乏しいことを無理矢理強行しようとするから国の検討会を非公開にし、議事録を出さず、あげくの果ては録音をせず、議事録をつくっていないなどと鷹取氏の正規の開示請求に「堂々」と回答してきているのである。

 まさに設置、委員選任などまったく正当性がない検討会が、非公開できわめて重要な事項を審理し、その結果を細野大臣らが国民や基礎自治体に押しつけるという、民主主義国家であるまじき対応、態度である。

 この検討会はどうみても非科学的なことを国民や住民に押しつける、いわば政治家がすることをしているのである。こんな環境省に原子力規制庁を設置しても到底国民の理解など得られるはずもない。


重要な記事です。ぜひ、全文をお読み下さい。

2012/05/20

原発再稼働なくても、太陽光発電で原発10基分増やせる

「原発を再稼働させる必要はない」トーマス・コーベリエル(自然エネルギー財団理事長)
(2012年05月17日 WEBRONZA)

太陽光発電3ヶ月導入で原発10基分相当

原発を再稼働させる必要はありません。日本は原発なしでも大丈夫だと私は理解しています。平年並の夏であればもちろんのこと、追加の発電設備が必要になる猛暑になったとしても、電力需要は自然エネルギー、特に太陽光発電の急速な普及によって満たすことができます。

猛暑によって10基の原発を再稼働させることが必要になったとしても、ドイツが昨年12月の1ヶ月間で達成した導入量と同じペースで太陽光発電を導入すれば、3ヶ月で原発10基分を達成できます。

ドイツは1ヶ月(4週間)で3GWの太陽光発電を導入しました。日本でも同じペースで3ヶ月導入すると9GWの導入が可能で、これは原発約10基分に相当し、またピーク時の電力需要に対応します。

全文

『ガレキ阻止!北九州1万人アクション』みんなで止めよう北九州!

明日21日、私も友人たちと参加する予定です。

【超緊急全国拡散】『瓦礫阻止!北九州1万人アクション』みんなで止めよう北九州!

瓦礫トラックは19日に宮城県を出発。
今まさに、放射性物質を載せたトラックが本州の高速道路を走行中。
22日、北九州市内の日明(ひあがり)積立基地ストックヤードに搬入され、
23日、試験焼却の予定。許せない!!みんな北九州に集まれ!

【超緊急】『ガレキ阻止!北九州1万人アクション』全国初!市民による瓦礫検討会
5月21日(月) 北九州国際会議場 22会議室にて 12:30~記者会見 
参加費無料 ご予約不要 託児なし

   青木泰(環境ジャーナリスト)
   木下黄太(放射能防御プロジェクト)
   山本太郎(オペレーションコドモタチ)
   豊島耕一(佐賀大学教授)
     他

http://hinanohanasi.blogspot.jp/
13:00からの第1部・第一回市民検討会終了後、急遽予定変更で15時頃より会場から北九州市役所までデモ行進を行います! 
1万人規模の反対運動にしましょう!情報拡散をお願い致します!

2012/05/18

原発の再稼動決定を「判断する時期は近い」という野田首相

昨夜のNHK「ニュースウオッチ9」に生出演した野田首相は、大飯原発の運転再開を「判断する時期は近い」と発言した。福島の人はこう言っている。「フクシマはまだ終わっていないし、政府はその深刻な被害をまったく理解していない。そして、次のフクシマを生むかのようなことを平気で進めている。理不尽です」

日本は、福島原発事故によって世界に迷惑をかけた。今も事故は収束せず、迷惑をかけ続けている。一番の被害を受けているのは、福島の子どもたちであり、今も日々放射線を浴び続けている。その対策も進んでいない。そうした状況の中で、事故原因の究明もされていないのに、大飯原発再稼動の決定を「判断する時期は近い」という野田総理大臣。

世界が日本の動向を見守る中、子どもたちが大人の生き様を注視している中で、これほど倫理観のない、人間性が欠如した言動に対し、私たち日本の市民はどう対応するのか、ということが問われている。

首相 大飯原発運転再開“近く判断”
(5月17日 23時14分 NHK)から抜粋

野田総理大臣は、NHKの「ニュースウオッチ9」に出演し、関西電力大飯原子力発電所の運転再開の決定について、「判断する時期は近い」と述べました。

この中で、野田総理大臣は、福井県にある関西電力大飯原子力発電所の運転再開の決定について、「最後は私のリーダーシップのもとで、関係4閣僚で意思決定をしたい。もうそろそろ、その判断の時期は近い。その判断をした暁には、安全性、必要性、万全を期す態勢を私を先頭に作っていく」と述べました。


特集ワイド:これだけは見過ごせない 原発再稼働の問題点とは
(2012年04月24日 毎日新聞)

 ◇「対策先送り」「命の軽視」

 政府が大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に突き進んでいる。今は「地元同意」のとりつけに懸命だが、原発のシビアアクシデント(過酷事故)防止策に問題はないのか−−聞いて回ると、関係者から「真剣に取り組んだ結果とは思えない」との声まで飛び出した。原発再稼働の問題点、これだけは見過ごせない。【戸田栄】

 再稼働への憤りは、どこあろう与党内部でも渦巻いている。「小中学生でもおかしいと思うでしょう。それで、やむにやまれず待ったをかけているんです」。民主党の原発事故収束対策プロジェクトチーム(PT)座長、荒井聡元国家戦略担当相は、そう語気を強める。

 同PTは再稼働にあたっての5条件を政府に突きつけた=別表。荒井座長が真っ先に批判の矛先を向けたのは、まだ原子力規制庁が発足していないことだ。「3・11後にずっと原発の安全性の議論をしてきて、日本の原子力政策は欠陥だらけと分かりました。その原因は、安全神話の中に身を置いた原子力ムラの一部の人たちだけで政策を主導してきたことです。枝野(幸男経済産業相)さんは本来、脱原発よりもっと厳しい立場だったんですよ。それが原子力安全行政も電力需給もと1人でやると、十分な安全対策もないのに再稼働もやむなしとなってしまう」

 再稼働の前提条件としては、同PTのほか、橋下徹・大阪市長、松井一郎・大阪府知事が8条件、嘉田由紀子・滋賀県知事と山田啓二・京都府知事が7条件を示した。共通するのが、原子力規制庁の発足。14日に枝野経産相の協力要請を受けたおおい町長も、早期設置を求めた。

 原子力規制庁は、4月から環境省の外局として設置される予定だったが、野党から位置づけに異論が出て発足が遅れている。荒井座長はそもそも政府の姿勢を疑問視する。

 「普通なら、政府側や担当官が野党に日参して法案成立に努力するが、そんな様子が見られない。原子力安全・保安院が経産省にあるうちに、再稼働の道をつけたいとの思惑がどこかにあるんじゃないかと勘繰りたくもなります」

 さらに最重要として挙げたのが、政府の原発事故調査・検証委員会や国会の事故調査委員会の結論を待つことだ。「なにが事故の原因かをはっきりさせなきゃいけないのは、当たり前ですよ。(政府見解で)一番恥ずべきことは、津波だ、津波だと、全部を津波のせいにしていること。最初に鉄塔が倒れ、外部電源を喪失した。その耐震性だって問題なんじゃないですか」。当の国会事故調でも、元日本学術会議会長の黒川清委員長が、政府の再稼働の判断基準について「暫定的な原因究明に基づいている。必要な対策が先送りされ、想定を超える災害に対応できていないことも明らか」と批判している。

  ■

 考えたくはないが、万が一の備えは欠かせない。その筆頭が、事故収束作業の拠点となる免震重要棟だ。福島第1原発で、同棟が10年7月から運用開始されていたのは、「不幸中の幸い」とされている。ところが、大飯原発3、4号機など関西電力の原発にこの施設はない。また、原子炉内の圧力を下げるため、弁を開くベントを余儀なくされた場合、放射性物質の大気中への流出を防ぐフィルター付きベントの設置もない。ともに3年後の設置を目指す。リスクコミュニケーションの専門家で、原子力安全委員会原子力施設等防災専門部会の委員を務めた土屋智子さんは「住民を守ることを真っ先に考えなくてはいけないのに、何も動いていない」と表情を曇らせる。

 土屋さんは、99年の茨城県東海村のJCO事故以来、住民の避難などについて研究してきた。「非常時の指令所(オフサイトセンター)は、発電所以上にしっかりしたものがほしい。ところが、東日本大震災では福島どころか、茨城でもオフサイトセンターは被害を受けて使えなかった。おおい町では海抜2メートルの海辺にあり、津波で使用不能の場合は福井県の敦賀、美浜、高浜の別のセンターで対応するとしていますが、広域地震ではいっぺんに被災する可能性がある」と指摘する。

 このほか、緊急時の住民連絡体制の再整備、避難路の再検討などもできていない。細かい課題も山ほどある。例えば、被ばくが懸念される際には安定ヨウ素剤が配布されるが、乳幼児への投薬が難しかったという問題が今回、明らかになった。錠剤だったため被災時に水に溶かして正確な量を飲ませることができなかったのだ。

 同部会では今年3月、課題と対応策の議論の結果を「中間とりまとめ」とした。しかし、その対応策を決定するはずの原子力規制庁は設置されておらず、現在、「とりまとめ」がどう扱われているのかは委員にも連絡がないという。思わず「は?」と声が出そうになった。

  ■

 こんな状況では、そもそも脱原発を目指す人々が猛反対するのも当然だ。原子力資料情報室の西尾漠共同代表も「規制庁の発足と事故原因の究明」最優先課題に挙げる。

 「原子力安全委員会も原子力安全・保安院も、まったく国民から信頼されていない。だから、規制庁をつくると国が考えたわけでしょう。原因をしっかり突き止めなくてはならないのも当然。なんで、再稼働をこんなに急ぐのか。かえって不信を大きくするだけです」。加えて西尾共同代表は、誰もが福島原発事故を最大の想定としていることに注意を促す。「それ以上の惨事があり得るのですよ。甘くみてはいけません」

 経産省前では、再稼働に反対する市民らのハンガーストライキが行われている。座り込みをしている市民グループ「経産省前テントひろば」の淵上太郎代表は「規制庁発足と事故原因究明ぐらいは最低のこと。経済にかこつけて命を軽く見ていることが許せない。それがわからないほど、国民はバカじゃないですよ」と話した。

 やはりテント村で出会った「原発いらない福島の女たち」世話人の椎名千恵子さんの憤りに満ちた目が忘れられない。

 「フクシマはまだ終わっていないし、政府はその深刻な被害をまったく理解していない。そして、次のフクシマを生むかのようなことを平気で進めている。理不尽です」

 再稼働を焦る国の姿は、フクシマをすっかり忘れているようにも見える。


大飯原発近くの斜面が崩落の恐れ 関電解析、14年度に工事へ
(2012/05/14 20:31 共同通信)から抜粋

 経済産業省原子力安全・保安院は14日に開いた原発の耐震性を検討する専門家会議で、関西電力大飯原発1、2号機(福井県)の近くにある斜面が地震で崩落する可能性を否定できないとする関電の解析結果を明らかにした。関電は崩落防止のため、表面の一部を削り取る工事を2014年度に始めるという。

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