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2012/01/29

東電幹部 「値上げで1兆円稼げる。資本注入など必要ない」

電力会社・崩れる牙城:強気の東電、「改革」迷走 「選挙なら下野」民主政権の足元見透かす
(毎日新聞 2012年1月29日 東京朝刊)

 ◇幹部「値上げで1兆円稼げる。資本注入など必要ない」

 東京電力が17日に発表した企業向け電気料金の「不意打ち値上げ」。3月の東電改革決定を見据え、「東電国有化」を巡る政府との水面下の攻防が激化する中、吹き始めた「衆院解散風」をにらんだ思惑も交錯する。

     ◇

 「どこかの時点で腹を割って議論しなければ前に進みませんよ」。値上げ発表の4カ月ほど前、仙谷由人官房副長官(当時)は西沢俊夫社長に告げ、東電説得に乗り出した。

 仙谷氏は東電改革の政権側のキーマンと目されている。政府を離れ、民主党政調会長代行となったいまも、ひそかに東電の勝俣恒久会長に接触。公的資本注入後の東電の将来像について意見を交わしてきた。

 東電は福島第1原発の事故で原発を稼働できなくなり、火力発電の燃料費増加で経営環境は厳しさを増す。経営破綻に追い込まれれば、電力の安定供給や原発事故被害者への賠償が滞る。政府が描くのは、1兆円規模の公的資本を注入し、議決権の3分の2を取得して経営権を握る「実質国有化」だ。

 東電改革の素案には電気料金値上げや原発再稼働で収益を改善することも盛り込まれているが、「国民の理解」が大前提だ。民主党関係者は「東電には死んだふりをしてもらう」と政権主導の改革を目指す。

 ところが、東電はシナリオ通りには動かなかった。勝俣会長は政府関係者に「政府が議決権の3分の2を持つのだけは勘弁してほしい。50%以下でお願いします」と譲らず、年末年始をはさんだ交渉は難航する。

 議決権の3分の2を政府に与えれば人事権まで明け渡すことになる。公的資本受け入れは不可避とみる首脳陣の中にも「屈辱的な事態だけは避けたい」という組織防衛の意識は強い。

 東電幹部の間では資本注入にすら否定的な声がなおくすぶる。「料金値上げを実施すれば1兆円は稼げる計算になる。そうすれば政府からの資本注入など必要ない」。勝俣会長は年明け以降、「料金値上げは必要だ」と政府側に繰り返し、政府関係者は「建前論が先行して話が前に進まない」と焦燥感を募らす。

 「民主党に好きなようにやられるなら東電の方からひっくり返せばいい」。東電幹部は最近、接触を重ねる自民党政権下の閣僚経験者らに言われた。賠償責任を負わずにすむ「会社更生法の申請」の打診だった。

 別の幹部は漏らす。「選挙になれば民主党は下野するだろう。そんな政権に経営権を委ねるわけにはいかない」。消費増税問題を抱え、支持率低下にあえぐ野田政権の足元を見透かすように強気の姿勢をみせる。

 ◇発送電分離も失速

 「東電は置かれた立場をわかっていない」。原子力損害賠償支援機構幹部はいら立ちを隠さない。1兆円規模の公的資本注入方針は固まりながらも、東電改革が迷走するのは、政府内にも温度差があるためだ。

 「国が経営権を握ることでリスクも生じる」。政府内には料金値上げや原発再稼働に慎重な枝野幸男経済産業相に対し、原発事故が再発した場合に国の責任になることや、値上げなどをせずに東電の経営改善が進まない場合の国民負担増を懸念する財務省などに経営権を握ることへの慎重論があるという。

 「東電国有化」への政府の動きがまとまりを欠く中、改革の目玉のはずの発電部門と送電部門を切り離す「発送電分離」も勢いを失いつつある。「国民から抜本的な改革を求められている」。東電改革の陣頭指揮をとる枝野経産相は昨年12月、こう強調した。電力業界では「送電部門を資本関係のない別会社にする『所有分離』まで踏み込まなければ現状と変わらない」(電気事業連合会幹部)というのが定説。政府内の改革急進派は「所有分離」を有力視した。

 現在の制度では送電部門の会計を発電部門と分ける「会計分離」を採用。経産省内には「東電という会社をこの世から消すための発送電分離が必要だ」として、東電の送電部門以外を売却する「解体案」も検討された。

 しかし、現在、政府内で検討されているのは、送電部門の運用を電力会社から独立して設置する公的機関に委ねる「機能分離」案。政府内の検討の結果、「民間資産を強制的に切り分けるのは、私有財産権の侵害になる」(経産省幹部)として「所有分離」への慎重論が浮上。残る選択肢の送電部門を分社化して東電の傘下に置く「法的分離」では「一体運営の延長」との異論が続出、消去法的に機能分離が有力となった。独立性をどこまで貫けるかが焦点だが、政府内では公的機関に電力会社から出向させることも案として浮上。東電の影響下に置く形態になれば、改革は骨抜きになる可能性も残る。

 「福島の賠償を優先させるためにも、発送電分離は先送りだ」。今月上旬、交渉を担当する政府関係者は東電幹部にこう告げた。衆院解散・総選挙が視野に入る中、「制度改革は賠償問題が落ち着いた後に時間をかけてやる」(政府関係者)と、先送りムードが高まっている。

 「消費税しか頭にない今の政権に発送電分離をやり遂げる強い意志も力もない」。発送電分離に積極的な経産省幹部はあきらめ顔だ。東電改革は出口の見えない迷路に入りつつある。【斉藤信宏、三沢耕平、野原大輔】

毎日新聞 2012年1月29日 東京朝刊

2012/01/28

独放射線防護協会 「混ぜて薄めた」放射能汚染食品は健康を害する

*放射線防護においては、特定の措置を取らないで済ませたいが為に、あらゆる種類の汚染された食品やゴミを汚染されていないものと混ぜて「安全である」として通用させることを禁止する国際的な合意がある。日本の官庁は現時点において、食品の範囲、また地震と津波の被災地から出た瓦礫の範囲で、この希釈禁止に抵触している。

 ドイツ放射線防護協会によるフクシマ事故に関する報道発表
(2011-11-30 Eisbergの日記)

放射線防護協会

Dr. セバスティアン・プフルークバイル

2011年11月27日 ベルリンにて

報道発表

放射線防護協会:

放射線防護の原則は福島の原子炉災害の後も軽んじられてはならない。

放射線防護協会は問う:

住民は、核エネルギー利用の結果として出る死者や病人を何人容認するつもりだろうか?

放射線防護においては、特定の措置を取らないで済ませたいが為に、あらゆる種類の汚染された食品やゴミを汚染されていないものと混ぜて「安全である」として通用させることを禁止する国際的な合意があります。日本の官庁は現時点において、食品の範囲、また地震と津波の被災地から出た瓦礫の範囲で、この希釈禁止に抵触しています。ドイツ放射線防護協会は、この「希釈政策」を停止するよう、緊急に勧告するものであります。さもなければ、日本の全国民が、忍び足で迫ってくる汚染という形で、第二のフクシマに晒されることになるでしょう。空間的に明確な境界を定め、きちんと作られ監視された廃棄物置き場を作らないと、防護は難しくなります。「混ぜて薄めた」食品についてもそれは同じことが言えます。現在のまま汚染された物や食品を取り扱っていくと、国民の健康に害を及ぼすことになるでしょう。

焼却や灰の海岸の埋め立てなどへの利用により、汚染物は日本の全県へ流通され始めていますが、放射線防護の観点からすれば、これは惨禍であります。そうすることにより、ごみ焼却施設の煙突から、あるいは海に廃棄された汚染灰から、材料に含まれている放射性核種は順当に環境へと運び出されてしまいます。放射線防護協会は、この点に関する計画を中止することを、早急に勧告します。

チェルノブイリ以降、ドイツでは数々の調査によって、胎児や幼児が放射線に対し、これまで考えられていた以上に大変感受性が強い、という事が示されています。チェルノブイリ以降のヨーロッパでは、乳児死亡率、先天的奇形、女児の死産の領域で大変重要な変化が起こっています。つまり、低?中程度の線量で何十万人もの幼児が影響を受けているのです。ドイツの原子力発電所周辺に住む幼児たちの癌・白血病の検査も、ほんの少しの線量増加でさえ、子供たちの健康にダメージを与えることを強く示しています。放射線防護協会は、少なくとも汚染地の妊婦や子供の居る家庭を、これまでの場合よりももっと遠くへ移住できるよう支援することを、早急に勧告します。協会としては、子供たちに20ミリシーベルト(年間)までの線量を認めることを、悲劇的で間違った決定だと見ています。

日本で現在通用している食物中の放射線核種の暫定規制値は、商業や農業の損失を保護するものですが、しかし国民の放射線被害については保護してくれないのです。この閾値は、著しい数の死に至る癌疾患、あるいは死には至らない癌疾患が増え、その他にも多種多様な健康被害が起こるのを日本政府が受容していることを示している、と放射線防護協会は声を大にして指摘したい。いかなる政府もこのようなやり方で、国民の健康を踏みにじってはならないのです。

放射線防護協会は、核エネルギー使用の利点と引き換えに、社会がどれほどの数の死者や病人を許容するつもりがあるのかと言うことについて、全国民の間で公の議論が不可欠と考えています。この論議は、日本だけに必要なものではありません。それ以外の原子力ロビーと政治の世界でも、その議論はこれまで阻止されてきたのです。

放射線防護協会は、日本の市民の皆さんに懇望します。できる限りの専門知識を早急に身につけてください。皆さん、どうか食品の暫定規制値を大幅に下げるよう、そして食品検査を徹底させるように要求してください。既に日本の多くの都市に組織されている独立した検査機関を支援してください。

放射線防護協会は、日本の科学者たちに懇望します。どうか日本の市民の側に立ってください。そして、放射線とは何か、それがどんなダメージ引き起こすかを、市民の皆さんに説明してください。

放射線防護協会

会長

Dr. セバスティアン・プフルークバイル

(翻訳者 blaumeise.leinetal)

ピースボートで世界を一周して 脱原発世界会議に参加

ときどき私も「水先案内人」として乗っている ピースボート
ミュージシャンの友人が乗り、若い人たちと共に船旅をしてきました。

その船旅の映像が編集され、脱原発世界会議で上映されました。

2011年夏、ピースボートで世界一周・・・そして、脱原発世界会議に参加

オーストラリア国営放送 「日本政府は 自国民より 米軍を優先」

オーストラリア国営放送「日本政府は自国民より米軍を優先」
(2012年1月22日 すべては気づき)から抜粋

豪州国営ABC放送 日本政府が放射線の危険性において国民を裏切る

Japan ‘betrayed citizens’ over radiation danger
(Updated January 20, 2012 06:30:47 )

(訳は、管理人の感覚で訳しています。原文は上記リンクにて)

日本政府は、国内における発表の一週間以上も前に、米軍に福島からの放射能の拡散情報を渡すという自国民に対する裏切り行為の非難を受けている。

福島原発に近いために見捨てられた日本のある地域の町長は、政府の行為は殺人と同様だとAMに告げた。(AM=ABC Mediaの略?)

放射性物質拡散予想図の担当をしていた日本の文部科学省の職員は、米軍に伝えるのと同時に、危険性を国民に知らせるべきだったかもしれない、とAMに対して認めた。

フクシマのメルトダウンの数時間後、今までに見たことのない汚染物質が日本の風景を覆い始めた。

漏れ始めた原発から数kmだけ離れた浪江町の人々が避難のために集まった。

東京から何も情報が来ない状況で、町長の馬場 有氏は原発から北に離れた場所に町の人々を誘導することを決断した。

彼はその時に何も知らなかったが、避難をした方向というのがまさに放射性物質が広がった方向だった

「私たちは何も情報がなかったので、知らずに放射能汚染レベルが高い地域へと避難をしてしまった。だから私は人々の健康をとても心配している」とAMに語った。

私は心に痛みを感じるとともに、政府の非道な行為に憤慨をしている

アメリカ人が知らされていたのにも関わらず、浪江町の人々とすべての日本国民は、確実な見解を政府から知らされなかった。

福島原発を津波が襲ったちょうど3日後、日本の文部科学省はコンピューターによる放射性物質拡散予測を米軍に手渡していた。

文部科学省の渡辺格氏は、政府がこのような措置を取ったのは、原子力災害におけるアメリカからの支援を確実なものにするためだとしている。

しかしながら彼は同じデータを国民にも共有するべきだったと認めている。

政府の事故調査委員会によると、放射性物質拡散予測情報は国民にも開示することができたはずだ」と彼は言った。

文部科学省は原子力災害調査特別委員会にデータを人々に開示するように伝えるべきだった。でも私たちはそのことを考えなかった。今は認識をしている。」

殺人行為

現在は家を失ってしまった馬場氏は、今までになかった放射性物質の軽減の目的において、日本の関係官庁が情報を開示せずに浪江町を見捨てたことを非難している。

よい言葉ではないけど、自分は今でもこれは殺人行為だと思っている
と彼は言った。

人々の尊厳と命に関わることだったという時に、彼らは何を考えていたのか?彼らが私たちの存在について考えていたとはとても思えない

日本の文部科学省が、放射性物質拡散から幅広い指標の実証することにおいて、福島原発から漏れた放射性物質量についての正確な情報を集めることに苦労したのは事実ではある。

渡辺氏はデータがどうであれ、開示可能であるものは国民に開示をするべきだったと認めている。

「もしそのデータが国民に知られていたら人々は高汚染地域を避けることもできたという批判も私たちは認識している。なので私たちはそのシステムをより効率的に利用するために、このことから学ぶつもりだ」と彼は言った。

浪江町の2万人の人々はおそらく多くの人数とはみなされていないのだろう―家を失くし彼らの子どもたちにおける健康にたくさんの恐怖を味わっているというのに。

人々を保護し警告を発するために作られたシステムは、明らかにその役割を果たすことができなかった。

(転載ここまで)

2012/01/27

年1ミリ以上「集団疎開を」=広島被爆の医師ら、政府に提言

年1ミリ以上「集団疎開を」=広島被爆の医師ら、政府に提言―東京
(2012/01/27-20:37 時事ドットコム)

 東京電力福島第1原発事故を受け、学者や医師らが設立した「市民と科学者の内部被曝(ひばく)問題研究会」が27日、東京都内で記者会見し、政府に対し、年間1ミリシーベルト以上の被ばくが見込まれる地域の子どもを集団疎開させたり、妊産婦や病人を安全な地域に移したりすることを求める提言を発表した。

 提言は、原発を推進してきた学者ら「原子力ムラ」以外のメンバーで委員会をつくり、事故原因を究明することなども求めている

 研究会のメンバーで、広島への原爆投下で被爆した肥田舜太郎医師は「日本人は放射線の被害を教わっていない。もっと勉強し、放射線と縁を切らなければいけない」と訴えた。米国の水爆実験で被ばくした「第五福竜丸」元乗組員の大石又七さんは「(日本は)全然進歩していない。原発を導入した人たちの責任が問われなくて良いのか」と憤りをあらわにした。(2012/01/27-20:37)

「日本一危険な玄海原発」 原子炉劣化の目安である試験片を廃棄

「玄海原発1号炉は日本一危険な原子炉」という指摘を無視し続けている「日本一危険な九州電力」

「玄海原発1号炉は日本一危険な原子炉」 井野博満・東大名誉教授
              ↓
「日本一危険な原子炉」玄海原発1号炉 炉内試験片 測定せず
              ↓
九電玄海原発、試験片を廃棄か 原子炉劣化の目安
(2012年1月24日2時8分 朝日新聞)

 九州電力玄海原発1号機の老朽化をめぐり、経済産業省原子力安全・保安院は23日、専門家が審議する意見聴取会を東京都内で開いた。九電の担当者は「原子炉の健全性に問題はない」と説明したが、専門家からデータ不足や分析手法の甘さを指摘する声が続出。原子炉から取り出した試験片の一部を九電が保管しておらず、廃棄した可能性があることも明らかになった。

 運転開始から36年3カ月たつ玄海1号機では、原子炉圧力容器の劣化の目安になる「脆性(ぜいせい)遷移温度」の急上昇が2009年に発覚。核燃料から出る放射線が当たり続けることで鋼がもろくなる現象が予測以上に進み、事故時に原子炉が壊れやすくなっているおそれが指摘されている。原因は不明。原発老朽化問題の中でも喫緊の課題とされ、この日の会合で初めて本格的に議論された。

 九電の担当者は、電子顕微鏡などを使った原子レベルの分析や不純物の組成データなどを示し、「1993年と2009年に取り出した試験片を詳しく調べたが特別な異常はなかった」とした。だが、専門家から「もっと詳しいデータを出してほしい」「本当に適切で公平な判断がされているのか」と追及され、76年と80年の試験片が残っていないことを明かした。担当者は「当時は詳しい分析手法がなく、貴重だという意識がなかった」と話した。

 審議は、九電が提出する追加データを踏まえて次回も続ける。会合後、渡辺英雄・九州大准教授(材料科学)は「電力会社だけでは原因究明は無理。全国の専門家で試験片を研究できるようにしてほしい」と語った。(安田朋起)

この国と原発:抜け出せない構図 政官業学結ぶ原子力マネー

この国と原発:第4部・抜け出せない構図 政官業学結ぶ原子力マネー(その1)
(毎日新聞 2012年1月22日 東京朝刊)

 日本の原子力開発は、政・官・業・学が密接に連携して進められてきた。源泉となっているのは、世界的にも突出した巨額の原子力関係予算だ。長年にわたって、原発立地対策や核燃料サイクルをはじめとする研究開発に潤沢な資金を提供し、電力会社や原子力関連企業、大学の活動を支えてきた。一方、「政」には電力会社や労働組合側からの献金が流れ込む。「原発推進体制」を構成する4者の間の「原子力マネー」の流れをまとめた。

 ◆12年度予算案

 ◇事故前と変わらず

 政府は12年度予算案に、原子力関係分として4188億円を盛り込んでいる。原子力政策見直しの結果が出ていないという事情はあるものの、11年度(4236億円)に比べ1・1%減と、東京電力福島第1原発事故を経てもほとんど変わっていない=図<上>。従来の研究開発費は圧縮されたが、原発の安全や事故対策名目で研究費が増額されたためだ。

 研究開発費は前年度比13・5%の減。中でも、昨年11月に行われた提言型政策仕分けで「存続の是非を含め抜本的に見直すべきだ」とされた「もんじゅ」を中心とする高速増殖炉サイクル研究関連予算は25・4%減となった。だが、それでも300億円が計上された。

 一方、安全・事故対策予算は前年度比2・6倍と大幅増の783億円。重大事故を防ぐ研究や、最長40年かかるとされる廃炉のための技術開発費用などが盛り込まれた。4月に環境省の外局として新設される原子力安全庁(仮称)の予算は504億円だ。

 12年度の原子力関係予算について、NPO法人「原子力資料情報室」の西尾漠・共同代表は「高速増殖炉の予算減で『今までいかに無駄遣いしてきたか』は浮き上がった。しかし、野田政権が原子力政策を変えていこうという姿勢は見えてこない」と話す。

 原子力関係予算は最終的にどこに流れるのか。例の一つが、経済産業省資源エネルギー庁の「使用済燃料再処理事業高度化補助金」だ。

 使用済み核燃料の再処理時に出る高レベル放射性廃液をガラスに固める「ガラス溶融炉」の新型を開発するため、日本原燃(青森県六ケ所村)に事業費の半額を補助するもので、09?11年度で約70億円が交付された。

 日本原燃によると、既存のガラス溶融炉は設計寿命が5年。二つある炉のうち、既に試験を始めている炉はあと2年で寿命を迎える。再処理工場は2兆1930億円をかけて建設中だが、廃液に含まれる金属の影響で溶けたガラスがうまく流れずに詰まるトラブルが相次いでおり、新型炉に置き換えるべく技術開発を進めているという。

 この補助金は10年度を例に取ると、まず経産省が日本原燃に15億4700万円を交付する。

 日本原燃はさらに、プラントメーカーのIHI、日揮、独立行政法人・日本原子力研究開発機構に計14億1200万円で開発を外注。また、東京工業大や、電力業界が設立した電力中央研究所など五つの大学・団体には計1億100万円で基礎データの収集などを委託している。いずれも随意契約で、原子力予算が政府系研究機関、大学、プラントメーカーなど、関係者にまんべんなく配分されている形だ。

 意外だが、原子力関係予算が太陽光発電関連に使われるケースもある。

 エネ庁が09?11年度に計68億6000万円を計上した「分散型新エネルギー大量導入促進系統安定対策事業費補助金」は、沖縄電力を含む10電力会社が対象。電力各社が全国300カ所に太陽光パネルや日射量計を設置して、出力の変動などのデータを収集する。

 なぜ原子力関係予算で太陽光発電なのか。同庁は「再生可能エネルギーが大量に電力系統に接続されると、余剰電力発生などで系統安定上の問題が生じる可能性がある」と懸念する。この施策は「原子力の推進・電力基盤の高度化」という項目に分類されており、施策目的は「原子力は供給安定性と経済性に優れた準国産エネルギー。中長期的な基幹エネルギーとして原発を推進する」。あくまでも原発を基幹とする政策の中に太陽光を位置づけようとしている。

 ◆主要国のエネルギー開発費

 ◇日本の「偏重」突出

 原発を持つ主要国のエネルギー研究開発予算を比較すると、日本の突出した「原子力偏重」が鮮明になる。

 国際エネルギー機関(IEA、28カ国加盟)の統計によると、日本は10年度、エネルギー研究開発に総額3550億円(10年平均レートで米ドルから円に換算、以下同)を計上した。うち69%にあたる2481億円は原子力関連が占める。大半は文部科学省所管の高速増殖原型炉「もんじゅ」や核燃料サイクル関連に投じられ、残りは経済産業省が新型原子炉開発の補助金などに支出している。

 一方、総額4200億円で日本とほぼ同規模の米国では10年度、原子力は18%(782億円)に過ぎない。最も多いのは省エネルギーの1226億円(29%)で、再生可能エネルギーが1153億円(27%)と続く。電力の75%を原発でまかなうフランスは09年度、534億円を原子力開発に投じたが、それでも全体の44%だ。

 予算額全体に占める原子力の割合の推移をみても、多くの国では70?80年代に比べ大幅に減少している。一方、日本は75年度56%、85年度77%、95年度75%、05年度65%と、ほぼ横ばい。米国が10年度に再生可能エネルギーへの支出を大幅に増やすなど、年によって予算配分を変える国が多い中、日本は予算の硬直性も際立っている。

 日本の原子力研究開発予算の原資のほとんどは、電気料金に上乗せして徴収する電源開発促進税だ。原子力に偏重した予算配分が長年続いてきた原因について、昨年11月に衆院で行われた「国会版事業仕分け」で、参考人の元経産官僚、古賀茂明氏は「原子力を何が何でも造るというのが自民党の政策だった。その政策に公益法人や関連企業、役所と族議員による利権構造がくっつき、一度できると壊せない」と述べている。

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この国と原発:第4部・抜け出せない構図 政官業学結ぶ原子力マネー(その2止)

 ◆電力業界の政治献金

 ◇経営陣は自民、労組は民主へ

 経営陣は自民へ、労働組合側は民主へ。電力業界は労使双方が2大政党に資金を提供し続けてきた。原発を持つ電力9社やその子会社の経営陣らは09?10年に、個人献金の形で自民党側へ約8000万円を提供したとみられる。電力各社の労組と労組を母体とする政治団体計21団体が、09?10年に民主党の総支部や党所属国会議員へ提供した資金も少なくとも6876万円に上る。

 電力9社は74年以降、「公益事業を行う企業にふさわしくない」として企業献金廃止を掲げる一方で、自民党を中心とする国会議員のパーティー券購入を続けてきた。さらに役員や幹部、OB、子会社役員が、自民党の政治資金団体「国民政治協会」に個人献金をしてきた。

 電力会社の名簿と氏名が一致する個人献金を国民政治協会の政治資金収支報告書から拾うと、09年分約4500万円、10年分約3500万円に達する。同姓同名の別人分が交じっている可能性はあるものの、拾い上げた献金は会社の役職のランクに応じた定額になっており、そろって12月に行われるなど組織性をうかがわせる。

 各社は「献金は個人の意思で行われた」と会社の関与を否定している。一方、自民党関係者によると、電力各社の対象者には、振り込みで献金するよう依頼してきたという。ただ、「必ずしも幹部全員に応じてもらっているわけではない」ともいう。

 10年の東京電力の場合、勝俣恒久会長と清水正孝社長(当時)は30万円だった。役員は社外取締役・社外監査役を除く21人全員の氏名が収支報告書にあった。執行役員は5万円、本社の部長や子会社役員は3万円、本社の部長代理クラスや支社長の一部も1万円を献金していたとみられる。東電とその子会社で、名簿と氏名が一致する献金者は300人を超え、総額は約1000万円だった。

 10年分を見ると、中部電力関係者が約500万円、四国電力関係者も約400万円の献金をしていたとみられる。

 電力各社の労組とその上部団体である電力総連、労組を母体とする政治団体は、民主党国会議員や党総支部に献金したり、パーティー券を購入するなどした。総額は少なくとも09年に3591万円、10年3285万円。資金提供を受けた民主党国会議員は2年間で少なくとも30人に上る。

 10年分でみると、電力総連の政治団体「電力総連政治活動委員会」が、東電労組出身の組織内議員、小林正夫参院議員(比例)の同年の選挙支援に計2650万円を拠出した。同政治活動委員会など電力総連関連の13政治団体が、民主党原子力政策・立地政策プロジェクトチーム座長だった川端達夫総務相関連の政治団体のパーティー券を166万円分購入。川端氏は電力総連と同じ旧民社系の東レ労組出身で、事務所は「長い付き合いで頼んだ」と説明した。

 「中部電力労組政治連盟」は、岡田克也副総理のパーティー券を09年、10年ともに26万円分購入した。

 電力総連の内田厚事務局長は「数万円のパーティー券購入で政策を左右できない。(議員側からの依頼を受け)応分の役割を果たした」と話している。

 ◆外郭39団体

 ◇補助金3600億円、天下り60人

 原子力発電に関連する事業を実施している国と自治体の外郭団体39団体に対し、年間約3600億円の補助金などが支払われていることが毎日新聞のまとめで分かった。延べ60人の元官僚が団体の役員として天下っており、原子力関係予算の一部が「官」の内部で再配分されている実態が浮かぶ。

 今回まとめたのは、39団体の09年度決算データ。うち28団体に国と自治体から拠出された補助金、交付金、委託料は合わせて約3669億円に達し、ほとんどは国からだった。国からの収入が最も多かったのは、「もんじゅ」を運営するなど多数の原子力関連研究を展開する日本原子力研究開発機構で、約2004億円。39団体には原子力関連事業が主要事業ではない団体なども含まれる。

 国家公務員の天下りは20団体、60人に上り、経済産業省原子力安全・保安院や旧科学技術庁の出身者が、役員報酬のある団体の会長や理事に就いているケースが多かった。複数の団体の役員を「掛け持ち」している元官僚もいる。原子力安全委員会の元委員が役員に迎えられているケースもあった。

 都道府県が所管する外郭団体の多くは、原子力発電の安全性を地元にアピールする広報事業を実施している。福島第1原発事故で警戒区域に指定されている福島県大熊町にある「福島県原子力広報協会」には、県と原発周辺の6市町から委託料として年間約1億円が支払われていたが、現在は休眠状態となっている。

 ◆関連研究へ巨額資金

 ◇大学の「依存」鮮明に

 大学の原子力関連研究は、国や原子力関連企業から受け取る巨額の研究資金に強く依存している。毎日新聞の集計では、11国立大学の関連研究に対し、06?10年度の5年間に、少なくとも104億8764万円の資金が提供された。

 ほとんどを占める受託研究で目立つのは、文部科学省からの資金提供が高額であることだ。高速増殖原型炉「もんじゅ」開発をはじめ、「軽水冷却スーパー高速炉に関する研究開発」(2億1781万円、東京大、09年度)▽「原子力システム高効率化に向けた高耐食性スーパーODS鋼の開発」(2億1244万円、京都大、同)??など億単位が目立ち、期間が数年にわたるケースもある。

 一方、企業からの受託研究は、「放射性廃棄物地層処分等のための基盤技術の研究開発」(西松建設→東大、105万円、10年度)など、数十万円から数百万円規模がほとんど。「原発推進」の国策の下、毎年巨額が計上される原子力研究開発予算が、大学の研究を支えている構図がくっきりと浮かぶ。

 共同研究の相手は日本原子力研究開発機構や、電力業界が設立した電力中央研究所などの研究機関が目立つ。

 奨学寄付金の多くは1件あたり数十万円から100万円前後。受け取った寄付金は大学が管理するが、ほとんどは研究者個人あてで、使途にも制限がないことが多い。

 東京工業大の有冨正憲教授は5年間に、使用済み核燃料の輸送などに使う容器「キャスク」の設計・製造会社「オー・シー・エル」などから1885万円の寄付を受け取った。学会出席の旅費や7人いる研究員の人件費、学生への学費援助などに使ったという。有冨氏は「共同研究費や受託研究費と違い、残金を翌年度に持ち越せるので、途切れることなく人件費や学費援助を支払えるのがメリット」と話す。

 東工大出身の研究者は「研究者の評価は1年に何本の論文を出したかで決まる。いい論文を出すには、金をかけて実験をしなければいけない」と言う。

 班目春樹・原子力安全委員長(東大教授)も委員長就任前、06?09年度の4年間で原子炉メーカーの三菱重工業から計400万円の寄付を受けている。

 最も多く奨学寄付金を支出したのは、原子力関連企業を中心とした任意団体「関西原子力懇談会」(5155万円)。京大など関西の大学を中心に寄付した。同会によると、09年度以降は公募制で、研究者が提出した研究計画を選考して1件に年間50万円を支出したが、「協賛企業名や資金は明らかにできない」(広報担当者)という。

 2位は三菱重工業の2957万円。大学に資金を提供する理由について、「研究成果が当社の技術開発につなげられる。また、我が国の原子力産業の技術力の向上につながると考えられる」(広報・IR部)と回答した。

 しかし、国や企業から資金を提供してもらえるのは、原発推進の側に身を置いている研究者だけだ。原発批判の論客として知られる京大原子炉実験所の小出裕章、今中哲二の両助教には06?10年度、「原子力マネー」の提供はゼロ。両氏への唯一の外部資金は今中氏が10年度に広島市から受託した「広島原爆による黒い雨放射能に関する研究」(42万円)だった。

 一方、大学の情報公開の問題点も浮かび上がった。今回の集計は情報公開請求で開示された資料に基づいたが、大学によって公開度にばらつきがある。特に九州大は、受託研究が全て非公開で、共同研究も受け取った金額を明らかにしない。寄付を受けた研究者名も示さず不透明さが際立つ。大阪大は契約の相手や研究テーマが黒塗りで判別不能の共同研究と受託研究が計2億8134万円に上る。東北大は10月に行った情報公開請求に対し、いまだに公開していない。

毎日新聞 2012年1月22日 東京朝刊

原発の核燃料取り出しに1兆円 東電、廃炉へ資金計画

原発の核燃料取り出しに1兆円 東電、廃炉へ資金計画
(2012/01/26 19:14 共同通信)

 東京電力と原子力損害賠償支援機構が、福島第1原発の廃炉工程のうち、原子炉から溶けた核燃料の取り出しを始める2021年度までだけで総額1兆円超を投じる資金計画を策定したことが26日、分かった。廃炉費用が経営を圧迫し続けることが確実となり、東電は経営破綻を避けるため政府に公的資金1兆円の資本注入を申請する方向で最終調整に入った。

 溶けた燃料の搬出を終えるにはさらに10~15年が必要。最長40年とされる廃炉完了までの期間にかかる費用が兆円単位で膨らみ続けることは避けられない見通しだ。
2012/01/26 19:14 【共同通信】


もっと知りたい ニュースの「言葉」
原子力損害賠償支援機構(2011年7月22日)原発事故の賠償額が巨額に上った場合に必要な資金を確保するため、政府と原発を持つ電力会社などが出資して設立する法人。東京電力福島第1原発事故の賠償支援の枠組みの柱となる。機構は国からの交付国債や政府保証付きの金融機関の融資のほか、東電や他の電力会社などの負担金を活用し、賠償金支払いのための資金援助を行う。事故を起こした東電が拠出する特別負担金は電気料金に転嫁できない。

資本注入(2009年1月24日)経営難や資本不足に陥った企業に対して、国が税金などの公的資金を使って、その企業の株式を購入する手法で出資すること。民間企業による第三者割当増資などと区別される。日本では1990年代初めのバブル崩壊後、大手銀行や地方銀行などの金融機関に対して総額約12兆円の資本注入を実施。世界的な金融危機に対応して2008年末には改正金融機能強化法が施行され、新たに12兆円の枠が設定された。米国では最大7000億ドルの公的資金枠が、銀行や自動車大手の救済に活用されている。

2012/01/26

渡辺謙さん ダボス会議でスピーチ 福島第1原発事故に言及

俳優の渡辺謙さんが、ダボス会議でスピーチ。福島第1原発事故にも言及した。
「原子力という、人間が最後までコントロールできない物質に頼って生きていく恐怖を味わった今、再生可能エネルギーに大きくかじを切らなければ、子供たちに未来を手渡すことはできないと感じています」と訴えた。

渡辺謙 日本芸能人初!ダボス会議で「絆」スピーチ
(2012年1月26日 スポニチ)

 スイスのシンクタンク、世界経済フォーラム(WEF)の42回目の年次総会(ダボス会議)が25日、同国東部のダボスで開幕した。俳優の渡辺謙(52)が日本の芸能人として初参加し、主要議題の一つである東日本大震災について英語でスピーチ。世界中からの支援に感謝するとともに、「行き場を失った人々に残ったのは“絆”という文化だった」と強調した。

 「多くの幸を恵んでくれた海は、多くの命をのみ込み、生活の全てを流し去ってしまいました。そこに何が残っていたか。何も持たない人間でした。しかしそこには人が人を救い、支え、寄り添う行為がありました。それは私たちが持っていた“絆”という文化だったのです」

 ジャケット姿の渡辺は力強い口調。「絆は、全てが流れ去ってしまった荒野に残された光でした。今日本は、少しずつ震災や津波の傷を癒やし、その絆を頼りに前進しようともがいています」と聴衆に語りかけた。また、東北出身の詩人、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を英語で朗読。大きな拍手を浴びた。

 共同電によると、被災者を励ますために国内外の著名人から寄せられたメッセージを配信する動画サイト「kizuna311」を共同で立ち上げるなどの活動が評価され、会議参加に推薦された。95年の阪神大震災時は急性骨髄性白血病のため十分な支援活動ができなかったため、東日本大震災の支援には人一倍強い思いで臨んでいる。すでに約40カ所の被災地を訪問。ダボス会議に参加が決定した際には「日本の現状を世界にプレゼンする絶好の場。インターナショナルなスピーチで、今の東北や日本の姿を世界に広めたい」と意気込んでいた。

 福島第1原発事故にも言及。「原子力という、人間が最後までコントロールできない物質に頼って生きていく恐怖を味わった今、再生可能エネルギーに大きくかじを切らなければ、子供たちに未来を手渡すことはできないと感じています」と訴えた。

 スピーチ後には記者会見。「被災地では人間として何をするべきかという観点で活動を始めた」と説明。「被災地の、日本のありさまを世界に発信したかった」と、ダボス会議参加の目的が果たせ、晴れやかな表情だった。

 ▽ダボス会議 世界経済フォーラムの会員企業1000社のCEOのほか、選出された政治家、学会やNGOの代表者、宗教指導者らが一堂に会し、世界のあらゆる重要議題について討議する場。招待者のみが参加できる。過去には、エイズ撲滅やアフリカ支援に積極的なアイルランドのロックバンド「U2」のボーカリスト、ボノ(51)が参加した。
 29日までの期間中、ギリシャやイタリアの財政危機問題や、イラン、北朝鮮の核問題など約250の会合が予定され、約40カ国の首脳を含め政財界、文化人ら2600人以上が議論。26日には菅直人前首相が震災時の対応などについて報告する。

[ 2012年1月26日 06:00 ]


渡辺謙、ダボス会議で“絆”訴え「人が人を救い、寄り添う行為」
(2012.1.26 産経ニュース)

 俳優、渡辺謙(52)がスイス・ダボスで25日に開幕した世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)に出席、東日本大震災についてスピーチした。世界中の政財界トップらが集まる同会議で、日本の俳優がスピーチを行うのは初めて。「人と人の絆は、すべてが流された荒野に残された光だった」と、国際派俳優らしく流ちょうな英語で「絆」の大切さを切々と訴えた。(サンケイスポーツ)

 各国の政府首脳、企業トップ、学識経験者、文化人、ジャーナリストらが集まり、地球規模のさまざまな課題について議論し合うダボス会議に、“ラスト・サムライ”が乗り込んだ。

 渡辺はダボス会議が開幕した25日午前(日本時間同日夜)、「誰にでもできること、それは思いやり」と題する会合に出席。昨年3月11日に発生した東日本大震災について演説に立った。

 「人は行き場を失いました。そこに何が残っていたか。人が人を救い、支え、寄り添う行為。それは私たちが持っていた『絆』という文化だったのです」

 震災発生から4日後の3月15日に被災地支援プロジェクト「kizuna311」を設立。何度も被災地入りするなど積極的に支援活動を行ってきた渡辺らしく、「kizuna」の大切さを強調。「漢字では『半分の糸』と書きます。半分の糸がどこかの誰かとつながっている、という意味です」とも説明した。

 「今、日本は震災や津波の傷を癒やし、その絆を頼りに前進しようともがいています」と報告。「シンプルでつつましい、新しい『幸福』を創造」する必要性を説き、東京電力福島第1原発事故に言及しながら、「再生可能エネルギーに大きくかじを切らなければ、子どもたちに未来を手渡すことはできない」とも訴えかけた。

 会合の最後には、宮沢賢治作「雨ニモマケズ」を英語で朗読。「kizuna311」のサイト上で、被災者を励ますために渡辺が朗読する映像をアップさせて話題となった詩に、出席者も静かに耳を傾けた。

 26日には市内の劇場で主演映画「はやぶさ 遥かなる帰還」(瀧本智行監督、2月11日公開)のダイジェスト版上映会に出席予定。各国要人と肩を並べた渡辺の訴えは、世界中に届きそうだ。


渡辺謙さん、震災を語る ダボス会議開幕
(2012/01/25 19:40 共同通信)

 25日、スイスのダボス会議の会合に出席した俳優の渡辺謙さん(AP=共同)

 【ダボス(スイス東部)共同】スイスのシンクタンク、世界経済フォーラム(WEF)の42回目の年次総会(ダボス会議)が25日、東部ダボスで開幕した。主要議題の一つ、東日本大震災について、俳優の渡辺謙さん(52)が会合で英語でスピーチし、「絆」の大切さを強調した。会合後、渡辺さんは「俳優として何を訴えられるのかを考えた」と語った。

 渡辺さんは「行き場を失った人々に残ったのは、人が人を救い、支え、寄り添う『絆』という文化だった」と聴衆に語りかけた。また、東京電力福島第1原発事故にも言及。人間にコントロールできないエネルギーからの脱却を訴えた。

原発再稼働で「10年以内に再び過酷事故」という原子力委試算

安易な原発再稼働で「10年以内に再び過酷事故」という原子力委試算

(2012/01/24 Foresight)
塩谷喜雄 Shioya Yoshio
科学ジャーナリスト

 このまま日本で原発を再稼働させたら、今後10年以内に、東京電力福島第一原子力発電所と同じような事故がまた起こる――。

 原子力推進政策の総元締めともいえる政府の原子力委員会(近藤駿介委員長)の小委員会が、日本の原発が過酷事故を起こす「事故発生頻度」を試算したところ、抜本的な安全強化策を施さないまま、原発を安易に再稼働させると、最悪の場合、日本にある原発のどれかが、10年以内に放射性物質を大量に飛散させる過酷事故を起こすという、衝撃的な結果が出た。

 福島第一の事故を踏まえて、過酷事故のリスクコストを試算し、原発の発電原価に反映するのが目的だったが、その計算過程で、とんでもない副産物が飛び出してきたことになる。これが現在の日本の原発が抱える事故リスクの科学的評価だとしたら、ストレステストに合格すれば、原発の再稼働はOKなどという、おままごとみたいな手続き論は、もはや全く意味を持たない。

「試算詐欺」に隠れていた驚きの前提

 昨年の10月25日、原子力委員会の原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会 (鈴木達治郎座長)が、 「原子力発電所の事故リスクコストの試算」 を発表した。過酷事故を起こした場合の、損害賠償や除染にかかる費用をはじいて、それを原発の発電原価に乗せようという試算である。

 賠償や除染の費用は、最大でも1kWh当たりの発電原価を1.6円上昇させるだけ、という結論だった。もともと原発の発電原価は、政府と電力会社が費用を過小に見積もって「創作」したモデル試算の産物だ。1kWh当たり5~6円というその値に、1.6円を上乗せしても、依然として原発は他の電源に比べて割安、ということになる。原子力ムラの懲りない面々による予定調和の図式に、ぴったりはまる結論だった。

 それゆえに、メディアの扱いも軽く、賠償費用を含めても原発は割安と強調するか、過酷事故では発電原価が2割以上上がるとするかの違いはあっても、あまり細部には突っ込まなかった。

 試算は福島第一の賠償や除染費用を5兆円と見込むなど、常識的な予想の10分の1にも満たない過小な想定をしていた。それを見て筆者も、例によって例のごとくの、原子力ムラの得意技、現実を隠すための「試算詐欺」とみなし、熟読しなかった。
 昨年末に知人と一杯やった時、結論よりも試算の前提、事故発生頻度の評価が「ミソ」だと示唆された。

発生頻度についての5つの試算

 周辺環境に大量の放射性物質を放出する過酷事故は、どれくらいの頻度で起きるのか。それを決めないと、事故リスクコストは算出できない。検討小委は、条件を変え、5つの場合を想定して、過酷事故の発生頻度を試算している。この中に、日本の原発は10年に1度、過酷事故を起こすという刺激的な数値が隠れていた。

 第1は、IAEA(国際原子力機関)が、安全目標として掲げているもの。放射性物質を外部に大放出する事故の頻度をこれ以下に保つべき値は、「10万炉年に1回」としている。

 第2は、世界中の原発(431基が稼働中)をひとまとめにして事故頻度を計算する方式で、福島第一で運転中の原子炉3基が起こした事故を、津波による1回の事故、とみなす場合だ。発生頻度は「5000炉年に1回」となる。

 第3は、同じく世界ひとまとめだが、福島の事故をそれぞれ独立の3回の事故だとして計算する。頻度は「3000炉年に1回」。

 第4は、日本の原発(54基)だけに限定して計算し、福島の事故は1回とみなす方法で、発生頻度は「1500炉年に1回」となる。

 第5は、日本の原発に限定し、福島の事故は3回とみなす計算で、頻度は「500炉年に1回」である。

 ここに出てくる「炉年」というのは、それぞれの原発ごとの稼働年数を合計したもので、運転実績といってもいい。原発の事故頻度などはこの数字をもとに計算されることが多い。

 例えば、A国に100基の原発があり、そのうち50基は20年稼働し、残り50基は10年稼働していたとしよう。A国の原発運転実績は、50×20と50×10を足して、1500炉年となる。この時点で大事故が1回発生すれば、A国の原発の大事故発生頻度は、1500炉年に1回、となる。

 個別の原子炉1基、1基が大事故を起こす頻度は、それぞれ1500年に1回に過ぎない。しかし、A国の原発全体では、大事故が発生する頻度は、個々の原発の事故頻度を100基分積算した値、1500分の1という個別の事故頻度に、原発の数である100を掛けた数字、15分の1になる。

 事故を起こすのがどの原発かは特定できないが、15年に1回は、A国内で原発の大事故が起こるということを、この数字は示している。大事故の経験を踏まえて、A国が全ての原発に、格段の安全策を施さない限り、この発生頻度は変わらない。

第5の条件が示す「10年に1回」という頻度

 そこで、検討小委が示した第5の発生頻度に注目していただきたい。日本の原発の過酷事故の頻度は、500炉年に1回という数字である。日本の原発50基(福島第一の1~4号機は廃炉になるため除外)が全部再稼働すれば、日本全体での事故発生頻度は、500分の1に50を掛けて、10分の1になる。これから10年に1回は、放射性物質を大量に撒き散らす過酷事故が、日本で発生するということだ。

 福島第一の1~4号機の廃炉には、今後40年かかるとされている。その間に日本では4回も原発の大事故が起こるという話である。10年に1度、どこかで原子炉建屋が爆発して、周辺地域を放射性物質で汚染するという事態を、日本国民は甘受しなければならないのだろうか。この数字が科学的に見て妥当な数字なら、日本にとって原発の再稼働という選択肢は全く「あり得ない」ことになる。

 福島第一原発で本当に何が起きたのかは、ほとんど解明されていない。検討小委が、運転中だった1~3号機の事故が、津波による1つの事故だったとする場合と、それぞれが独立の事象で、事故は3回起きたとする場合に分けて検討していることは、合理的であり評価できる。運転中ではなかったが、原子炉建屋の上半分が吹っ飛んで、即発臨界の可能性がある大量の核燃料が管理できないまま放置されている4号機も事故に含めて考えるべきだ、とは思うが、話が複雑になるので、1回か3回かでここはよしとすべきだろう。

 福島第一の事故を1回とカウントする検討小委の第4の想定では、大事故の発生頻度は1500炉年に1回である。これも日本全体の発生頻度に直すと、30年に1回は、日本のどこかで、原発が過酷事故を起こすことになる。

 今や女性の平均寿命は90歳に迫っている。日本人は生涯で3回も、福島第一並みの原発大事故を経験しなければならないのだろうか。

地震国・日本では第4、第5の試算が妥当

 IAEAの安全目標に沿った10万炉年に1回という、第1の想定は、現実の事故を反映しておらず、そうあってほしい数字としか言いようがない。

 世界の原発をひとまとめに扱う第2と第3の想定は、具体的な事故、現実に発生した事故のリスクを薄めるために、国際的な原子力ムラがよく使う手法である。スリーマイルもチェルノブイリも福島も、みんな同じ過酷事故、世界中の原発の運転年数を合算すれば、分母は大きく膨らんで、見掛け上は事故発生頻度を小さくできる。国際的な安全神話製造マシーンといってもいい。

 地震国で原発がすべて津波の影響を受けやすい海岸に立地している日本を、地震の記録がほとんどない大陸の内陸原発と同等に扱うのは、リスク評価としては、妥当性を欠く。地震・津波のリスクも、運転・管理者の能力や体質も、監視・規制の枠組みも、共通している日本の原発を1つのグループとして計算するのが合理的で、しかもわかりやすい。そういう意味では、第2、第3の想定も参考でしかないだろう。

 第4と第5のどちらが現実のリスクに近いかは、今後の事故調査にかかっている。東京電力がどれだけ正直に、証拠の改竄、隠滅などをせずに、公的な調査機関の指示に「従う」かどうかである。最近奇妙な言葉をよく聞く。東電が調査に「協力」したり、除染にも「協力」したりするのだという。それは協力ではなく、すべからく事故当事者の「責任と義務」であることを肝に銘じるべきであろう。

原子力委員会に変化の兆し?

 10年に1度、あるいは30年に1度の事故発生頻度だから、日本では原発の稼働再開は一切許すべきではない、と主張するつもりはない。発生頻度も、あくまで机上の計算である。
 昨年3月時点で、日本の商用炉の運転実績(廃炉になったものを含む)は、1423炉年。福島第一事故を3回の別々の過酷事故とすれば、それを3で割って、大事故の頻度は474炉年に1回、数字を丸めて500炉年に1回とした。
 日本の原発が10年に1度は大事故を起こすという意味の数字を、日本の原子力の生みの親とされる正力松太郎が初代委員長を務めた原子力委員会内の小委員会で、外部に公表していいのか、という懸念はムラに近いメンバーからは出たに違いない。事実、毎日新聞は、検討小委内で、発生頻度の想定をめぐって議論があったと報じている。
 それでも、この刺激的な数字が公表されたのは、原子力関係者の間に少し変化が出てきた兆候ではないか。福島第一原発事故の持つ重大な意味を、過小に、過小に、評価して、形だけ取り繕って切り抜け、後は口をぬぐおうという、東電や経済産業省の手法に、「否」を突き付けたのが、発生頻度の提示だった、と筆者は解釈している。

 事故発生頻度の計算で、第2~5の想定について、検討小委はこういうコメントを付記している。「福島第一と同じ旧タイプの炉を、今回の事故経験を踏まえた安全対策を行わずに供用し続けることと同義」であると。
 無策で再稼働させるという条件つきの数字だと注釈をつけているわけだが、「再稼働するなら、事故の教訓をちゃんと汲み取り、老朽原発は止め、進化型の炉も十全の安全策を施してからにすべきだ」と促しているように思える。形ばかりのストレステストすらやらずに、原発の再稼働をお願いに九州に飛んだ海江田元経産相のような、前のめりの再稼働論の急所に、10年に1度という過酷事故発生頻度は、ぐさりと突き刺さったはずだ。

生かされなかった柏崎刈羽の事故

 教訓を踏まえた安全策とは何か。残念ながら、ストレステストなるものは、それに当たらない。日本の原発が抱えている地震と津波に関する本源的なリスクとは無関係といっていい。

 論より証拠。日本の原発の運転実績が1300炉年程度だった2007年に、東電の柏崎刈羽原発は、想定していた地震動の3.8倍、重力加速度にして1699ガルに達する強い揺れに襲われた。それでも島根原発3号機の安全審査ではこの経験は反映されず、浜岡原発を除けば、耐震補強工事も進んでいない。

 柏崎刈羽の事故から何も学ばなかったのだから、日本の原発が、耐震想定を3.8倍も超える強い地震に襲われるリスクは、1300炉年に1回のままだ。それに原発の数50を掛けると、26年に1回は、日本のどこかの原発で、耐震想定の3.8倍という揺れに襲われることになる。

 これだけのリスクを冒して、設計基準の強化や具体的な地震・津波対策を講じないまま、再稼働に走る原子力ムラの論理は、破綻している。

 原子力安全・保安院が指示したという追加的安全策に、「ドリルの装備」というのがあるのをご存じだろうか。核燃料を冷却できずに水素が大量に発生したら、決死隊が原子炉建屋の屋上に上って、ドリルで穴をあけて水素を逃がすのだという。マンガである。こんな追加措置で、再稼働させるつもりらしい。

 過酷事故の発生頻度という数字を必要以上にクローズアップするつもりはない。10年に1度の過酷事故というのは重い数字だが、冷静に評価し、吟味して、合理的で持続可能な道を選ぶ判断基準の1つにすればいい。発生した事態を冷厳に受け止め、科学しなければ、前には進まない。

 数字の暗喩、寓意が、安全神話という虚構から飛び出し、今度は、事象の深奥に隠れたリスクを、鋭く映し出したのかもしれない。

小学生「大切なのは、僕たちのいのちですか?それともお金ですか?」

脱原発世界会議で訴えた福島の小学4年生の言葉
(YouTubu 動画)2分14秒くらいから抜粋

このように僕たちを苦しめた原発は、とても危なく危険なものだと
子どもたちもわかっています。

原発より安全なエネルギーはあると思います。
そして、そのエネルギーは僕たちを苦しめることはないと思うのです。

国のえらい人たちに言いたいです。
大切なのものは、ぼくたちのいのちですか? それともお金ですか?

ぼくは病気にはなりたくありません。
ぼくには将来の夢があります。それは、科学者など専門家になって
環境にやさしいエネルギーの開発や、何か人の役に立つ仕事をしたいです。

その夢をかなえるため、ぼくは健康で暮らしたいです。
ぜったい、ぜーったい死にたくありません。

なので、みなさん、原発は子どもたちも、いらないと思います。


福島第1原発:故郷応援したい 避難の小4のブログ話題に
(毎日新聞 2012年1月12日 11時56分)

 東京電力福島第1原発事故で横浜市に避難した小学4年、富塚悠吏(ゆうり)君(10)が、故郷・福島県の人々を応援するブログを開いている。「小学生だけれど、福島に残った人と出た人の懸け橋になりたい」と思いを込めた。14日、横浜市に専門家や被ばく者らが集まる「脱原発世界会議」の開会式で、子供ではただ一人登壇して考えを語る。【馬場直子】

 「こんにちは 僕たちは、3・11のとき福島県にいました」「『何か、僕たちにもできることはないか』そうしてこの会を立ち上げましたので、子どもたちからの応援など更新していきたいと、思います」。昨年10月、富塚君が始めたブログ「福島子どもから支援 関東」は、こんな文から始まった。

 郡山市の学校にいた時、震災に遭った。余震も続き、その日は駆けつけた両親とともに、玄関に最も近い教室に1泊。翌日、ニュースで福島第1原発の爆発を知った。

 帰宅してから、インターネットで「原子力」「核」などのキーワードを検索してみた。調べれば調べるほど怖くなった。死者が出て、欧州にも放射能汚染が広がった旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(86年)が最も衝撃だった。その後、福島の事故も同じ「レベル7」と判断された。

 放射線の影響を避けるため、ガソリンを入手できた3月23日、母千秋さん(40)と川崎市の実家に行き、4月から横浜市青葉区の団地で暮らす。新しい学校で千秋さんは差別を心配したが友達もできた。宿泊体験学習で実行委員を務め、学校に溶け込んだ。パソコンクラブの活動が楽しい。

 何度か、郡山市に残って不動産業に携わる父政治さん(37)に会いに行った。公園に子供の姿はなく、草花は手入れがされず枯れていた。自分が今いる場所と、見えない壁を感じた。元の学校の4年生のクラスは3から2に減った。

 ブログ(http://fukusimakodomosien.blog.fc2.com/)は福島への応援メッセージを募集し、掲載している。自分に共感してくれるコメントはうれしい。「福島の人や東京の人、避難している人、いろんな人に見てほしい。福島と、それ以外の人の差をなくしたい」。周りの助けを借りて、福島の子が夏休みなどに県外で過ごすキャンプもやりたいと思う。

 脱原発を発信する「世界会議」は、約20カ国の45人がゲストスピーカーとして出席。福島はじめ原発や核処理施設を抱える地域の人々も参加する。実行委員会に富塚君を推薦した「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」の吉野裕之さん(45)は「大人に言われてでなく子供もできることがあるとブログを始めた、自主性が素晴らしい」と話している。富塚君は、世界会議で「子供も福島を応援したいという気持ちを持っていること」を伝えたいという。

原発依存から脱却を=池田名誉会長が提言―創価学会

原発依存から脱却を=池田名誉会長が提言―創価学会
(2012年1月26日0時6分 朝日新聞)

 創価学会の池田大作名誉会長は25日、東京電力福島第1原発事故を踏まえ、原発依存からの脱却を呼び掛ける内容の提言を取りまとめた。26日に正式発表する。

 提言では、(1)東日本大震災で示された絆や助け合いの気風を社会全体で高める(2)災害避難民の救援活動を国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の正式任務に盛り込む(3)2015年までに核兵器の禁止と廃絶に向けた基本条約に調印、または最終草案を発表する―としている。

 原発については「日本のとるべき道として、原子力発電に依存しないエネルギー政策への転換を早急に検討していくべきだ」とした。 

[時事通信社]

中学1年生が書いた作文「原発はいるか、いらないか」

中1が書いた作文「原発はいるか、いらないか」
(2011年10月24日 バンビの独り言)

…………中学1年の子の、夏休みの課題「生活作文」を書き起こしました…………

私が「原発は必要かどうか」調べようと思ったきっかけは、東日本大震災の直後に起こった「福島第一原子力発電所」の事故です。あの事故以来、野菜や肉、稲ワラなどから放射性セシウムが検出されたり、次々に原発の事故があったりと、いろいろ問題が起こってきました。なので私は「原発は本当にいるのか」「あっても問題ばかり起こす発電方法なのではないか」と考えるようになりました。

まず1つ目に調べたことは「原発はどのようにして電気をつくっているのか」ということです。
そこで、インターネットのホームページで調べた結果、次のようになりました。(※図1)

1.原子炉の中では核分裂が起きると、強れつな熱が発生する。
2.それが熱源となって燃料のまわりに流れている水をふっとうさせる。
3.ふっとうした水が高温の水蒸気となり、タービンに送られる。
4.蒸気がタービンの羽に当たると、運動エネルギーが生まれる。
5.運動エネルギーがタービンを回して電気ができる。
6.電気が送電線に伝わって家庭や工場に送られる。

たかだかお湯を沸かすだけの装置なのに原子力を使うから、多くの犠牲を出し、不安をまき散らす。
原発は原料となるウランを掘る時にもヒバク者を出し、労働している人もヒバクし、原発事故が起きれば大勢の人がヒバクします。

原発は人の命を必ず犠牲にして成り立っていると私は思いました。

次に地震が多い日本に54基の原発があることが安全なのか調べてみました。
「ガル」とは瞬間的な揺れの加速度で地震の大きさを表したものです。
原発が地震にたえられるレベルは370ガルまでで、浜岡原発は東海大地震が起こると想定して600ガルまで耐震性があるそうです。しかし、阪神淡路大震災では820ガル、中越地震は1400ガル、そして今回の震災で被災した宮城県栗原市では2933ガルだったそうです。

この数字を見たとき、地震にたえられるレベルをはるかに越していて、今でも日本は爆弾をかかえているようなものなのに、なぜもっと増やそうとするのか疑問に思いました。

次に、原発の発電コストは本当に安いのかを調べてみました。
原発の1時間あたりの発電コストは、5.9円だから「電力の中で一番安い」と言われているけど、国立国会図書館に置いてある「原子力発電所設置許可申請書」という本の中に発電単価が載っていて、それを調べてみると「5.9円」ではなく「13.9円」で、最も高いと言われている「水力発電13.6円」を越しています。
更に、この13.9円の中には、核の再利用や核廃棄物の処分費は含まれていないそうです。
これを見て「どうしてウソの数値を公表するんだろう?」と思いました。

では今、電力は本当に足りていないのでしょうか?
上のグラフは中部電力が出したデータです。(※図2)
このグラフによると、原発が動いていない時も電力は十分足りるので、今止まっている浜岡原発は、もう動かさなくても大丈夫だということが分かりました。

さらに、今、テレビでは大々的に節電を呼びかけています。
節電をすることは大切ですが、電力使用のピークは「夏場、平日、日中の午後2時から3時にかけて、気温が31度を越えた時」に限られているそうです。
しかしそのほとんどが工場などで使われている電力なので、「ピークの時だけ工場の使用量を少し減らす」など、工夫をした方が良い
と思います。

節電した上で、原発をやめて自然エネルギーに変えていくことは可能でしょうか?
スペインでは風力発電が最大の電力源で、デンマークやドイツ、スウェーデンなども自然エネルギーを積極的に取り入れているそうです。

私たちの住む豊田市でも、薪ボイラーや太陽光発電など、自然エネルギー100%を目指す「すげの里」という公共施設があり見学してきました。
これから建設する公共施設すべて、原発にたよらず自然エネルギーを取り入れた施設を作っていって欲しいです。

私が今回の事故で一番心配なことは、食べ物・飲み物が放射能汚染されているのではないか、ということです。
グラフを見て下さい。(※図3)
今回の事故が起こってから政府は、食べ物・飲み物の基準値をここまで引き上げました
口から入るものは(空気を含めて)どんどん体の中にたまり、内部被ばくします。
政府は「ただちに人体に影響はない」と言っていますが10年後、20年後に体に不調が現れたりガンになったりすると母に聞きました。
子どもや赤ちゃん、胎児など、細胞分れつがさかんな年れいほど、被害が出やすいそうです。
私は給食の中に放射能が含まれていないか心配です。
なので、できれば放射能測定をして欲しいです。

放射能は目に見えないし、においもないので、知らず知らずのうちに吸い込んでしまっていたらすごく怖いです。
なのでこれからは原発に頼らず、自然エネルギーで発電して、もし事故がおきても、人が犠牲にならない発電方法に変わっていって欲しいです。

※11/25追記。
発電コストについては「国立国会図書館」ではなくインターネットで調べたものです。

2012/01/25

玄海原発運転差し止め訴訟:原告数1675人超える 全国最大規模に

玄海原発運転差し止め訴訟:原告数1675人超える 全国最大規模に /佐賀
(毎日新聞 2012年1月24日 地方版)

 国と九州電力を相手取り、玄海原発(玄海町)全4基の運転差し止めを求める集団訴訟の提訴を今月31日に予定している「原発なくそう!九州玄海訴訟」準備会は23日、原告数が1675人を超えると発表した。九州各県を中心に約30都道府県から集まっており、提訴までにまだ数人増える見込み。弁護団によると、現在進行中の原発訴訟では全国最大規模になるという。

 訴状では福島第1原発事故が発生したことで原発の危険性が明らかとなり、玄海原発が住民の生存権を脅かしているなどとして操業停止を九電に求める一方、原子力政策を策定、推進している国の加害行為を指摘するとしている。

 準備会は3月12日にも、1000人以上の住民などによる同趣旨の第二次提訴を準備しており、原告団長に就任予定の長谷川照・前佐賀大学長は「国があまりに雑な原発政策を進めていることを、裁判を通じて解明していく必要がある」と話した。

 31日の提訴を控え、30日午後6時半から同市兵庫町藤木のメートプラザ佐賀で提訴前夜集会を開く。問い合わせは準備会の佐賀中央法律事務所0952・25・3121。【田中韻】

福島第一、放出セシウム増 2・3号機の復旧作業原因か

福島第一、放出セシウム増 2・3号機の復旧作業原因か
(2012年1月23日23時58分 朝日新聞)

 東京電力は23日、福島第一原発から新たに放出される放射性セシウムは、現時点では昨年12月の毎時6千万ベクレルより多い7200万ベクレルとの推定量を示した。2、3号機の復旧作業で放射性物質が舞い上がったことが原因だとみられている。

 1号機が200万ベクレル、2号機が2千万ベクレル、3号機が5千万ベクレル。1号機は先月より800万ベクレル下がったが2、3号機でそれぞれ1千万ベクレル上がった

 東電は、2号機原子炉内の内視鏡調査や3号機原子炉建屋内のがれき撤去で、放射性物質を含むほこりが舞い上がったことを理由に上げる。舞い上がった放射性物質は、建屋の屋上などから外に放出されている。新たに放出される放射性物質による外部と内部の被曝(ひばく)線量は、原発から1キロ離れた敷地境界で年間0.12ミリシーベルト。炉の温度は60度以下で冷温停止状態は維持しているという。

 放出量は事故当初は毎時800兆ベクレルだった。原子炉が冷やされるとともに7、8月は2億ベクレル、10月は1億ベクレル、11月からは6千万ベクレルに下がった。東電は「建屋内の除染や建屋をカバーやコンテナで覆うまでは数十万、数百万ベクレルレベルに下げるのは難しい」という。

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